参考1

特定製品に係るフロン類の回収及び破壊の実施の確保等に関する法律の概要

平成13年6月22日

1 目的
 この法律は、フロン類の大気中への排出を抑制するため、特定製品からのフロン類の回収及びその破壊の促進等に関する指針及び事業者の責務等を定めるとともに、特定製品に使用されているフロン類の回収及び破壊の実施を確保するための措置等を講じ、もって現在及び将来の国民の健康で文化的な生活の確保に寄与するとともに人類の福祉に貢献することを目的とすることとした。(第1条関係)

2 定義
 クロロフルオロカーボン、ハイドロクロロフルオロカーボン及びハイドロフルオロカーボンのうちオゾン層破壊又は地球温暖化の原因物質を「フロン類」とし、フロン類が充てんされている、第二種特定製品を除き業務用のエアコンディショナー並びに冷蔵機器及び冷凍機器(自動販売機を含む。)を「第一種特定製品」、自動車に搭載されているエアコンディショナーを「第二種特定製品」とした。(第2条関係)

3 指針
 特定製品の使用及び廃棄の際のフロン類の排出抑制に関する指針を定めることとした。(第3条関係)

4 責務
 事業者、フロン類及び特定製品の製造業者、国民、国及び地方公共団体について、特定製品が廃棄される際のフロン類の適正かつ確実な回収・破壊の促進、フロン類に代替する物質及びその物質を使用した製品の開発その他特定製品に使用されているフロン類の排出抑制のためのそれぞれの責務を果たすよう努めることとした。(第4条から第8条関係)

5 第一種フロン類回収業者の登録
 第一種フロン類回収業(第一種特定製品が廃棄される際にフロン類を回収する業)を行おうとする者は、都道府県知事の登録を受けることとした。(第9条から第18条関係)

6 第一種特定製品廃棄者及び第一種フロン類回収業者のフロン類引渡等の義務
 第一種特定製品を廃棄しようとする者(第一種特定製品廃棄者)は第一種フロン類回収業者にフロン類を引き渡し、第一種フロン類回収業者はフロン類を引き取り、フロン類破壊業者に引き渡すこととした。その際、第一種フロン類回収業者はフロン類の回収及び運搬に関する基準を遵守することとした。(第19条から第21条関係)

7 第二種特定製品引取業者及び第二種フロン類回収業者の登録

 第二種特定製品引取業(使用済自動車に係る第二種特定製品を引き取る業)及び第二種フロン類回収業(使用済自動車に係る第二種特定製品からフロン類を回収する業)を行おうとする者は、都道府県知事の登録を受けることとした。(第25条から第33条関係)

8 第二種特定製品に係るフロン類の引渡等の義務
 使用済自動車に係る第二種特定製品を廃棄しようとする者(第二種特定製品廃棄者)は第二種特定製品引取業者に当該第二種特定製品を引き渡し、第二種特定製品引取業者はそれを引き取り、自動車フロン類管理書を添付して第二種フロン類回収業者に引き渡し、第二種フロン類回収業者は当該フロン類を引き取り、自動車フロン類管理書を添付して自動車製造業者等に引き渡し、自動車製造業者等はその製造等をした自動車に係るフロン類を引き取り、フロン類破壊業者に引き渡すこととした。その際、第二種特定製品引取者、第二種フロン類回収業者及び自動車製造業者等はフロン類の回収及び運搬の基準を遵守することとした。(第35条から第41条関係)

9 フロン類破壊業者の許可
 特定製品に冷媒として充てんされているフロン類の破壊を業として行おうとする者は、主務大臣の許可を受けることとした。(第44条から第51条関係)

10 フロン類破壊業者の義務
 フロン類破壊業者は、フロン類の引取りを求められたときは適正な料金を請求してこれを引き取り、破壊に関する基準に従って当該フロン類を破壊するとともに、破壊量等に関し記録を作成、保存し、関係者の閲覧の申し出に応じ、年度ごとに主務大臣に報告することとした。(第52条及び第53条関係)

11 第一種特定製品廃棄者の費用負担
 第一種フロン類回収業者は、第一種特定製品廃棄者に対し、フロン類の回収等の費用に関し、適正な料金を請求することができ、第一種特定製品廃棄者は当該費用を負担することとした。(第56条関係)

12 第二種フロン類回収業者に支払う料金
 第二種フロン類回収業者は、フロン類の回収等に関し、主務大臣が定める基準に従い自動車製造業者等が定め、公表する料金を請求し、自動車製造業者等は、当該料金を支払うこととした。主務大臣は、必要な場合、当該料金について変更するよう勧告及び命令することとした。(第57条から第59条関係)

13 自動車を運行の用に供する者の費用負担
 自動車製造業者等は自動車を運行の用に供する者に対し、フロン類の回収・破壊等に関する適正かつ公表した料金を請求できることとし、自動車を運行の用に供する者は料金を支払うこととした。主務大臣は料金に関し、必要な場合変更すべき旨の勧告及び命令を行うこととした。(第60条から第62条関係)

14 自動車フロン類管理書の保存等

 第二種特定製品引取業者、第二種フロン類回収業者及び自動車製造業者等は、自動車フロン類管理書又はその写しを保存し、関係者から申し出があれば閲覧させることとした。(第63条関係)

15 フロン類の放出の禁止
 何人も、みだりに特定製品からフロン類を放出してはならないこととした。(第65条関係)

16 表示
 特定製品にフロン類の放出禁止等についての表示を行うこととした。(第66条関係)

17 特定製品の整備の際の遵守事項
 特定製品の整備の際も、フロン類の回収及び運搬に関する基準に従うこととした。(第67条関係)

18 施行期日
 平成14年4月1日から施行することとした。ただし、第一種フロン類回収業者の登録及びフロン類破壊業者の許可に係る規定については公布の日から6月を超えない範囲内、第二種特定製品からのフロン類の回収に係る規定については平成14年10月31日までの間においてそれぞれ政令で定める日から施行することとした。(附則第1条関係)

19 検討

  1.   政府は第二種特定製品に関し、自動車を運行の用に供する者に対して費用の負担を求める方法について検討し、結果に基づき速やかに必要な措置を講ずることとした。(附則第4条第1項関係)
  2.  政府は第二種特定製品からのフロン類の回収及び破壊については、使用済自動車の循環的な利用に関する法律の検討に当たり、この法律の規定について廃止を含めた見直しを行い、結果に基づき必要な措置を講ずることとした。(附則第4条第2項関係)
  3.  政府は冷媒以外の用途に使用されているフロン類、特に断熱材に含まれるフロン類の回収及び破壊等に関する調査研究を速やかに推進し、結果に基づき必要な措置を講ずることとした。(附則第5条関係)