浄化槽法の一部を改正する法律案の概要
  1. 改正の趣旨

     浄化槽法に基づく浄化槽設備士及び浄化槽管理士の資格付与のために実施される試験及び講習に関して、公益法人に対する検査等の委託等に関する基準(平成8年閣議決定)の趣旨を踏まえ、当該試験等の実施機関の指定基準を法律上明確化し、国の公益法人に対する委託業務の透明化を図る。
     また、これに併せて、指定試験機関の役職員及び試験委員の秘密保持義務、指定法人に対する主務大臣による監督命令、罰則等に関する規定の整備を行い、指定法人における業務の適正かつ厳正な実施を確保するものである。

  2. 改正の概要

    (1) 浄化槽設備士に係る指定試験機関
     浄化槽設備士試験の実施事務を行うものとして国土交通大臣及び環境大臣が指定する者(指定試験機関)に関して、以下の規定を設けること。
    [1]  主務大臣は、他に指定を受けた者がなく、かつ、一定の要件を満たすものと認めるときでなければ、指定試験機関の指定をしてはならないこと。
    [2]  指定試験機関の役員の選任及び解任について主務大臣の認可を受けなければならないこと。また、主務大臣は、指定試験機関に対し、法律等に違反した役員の解任を命ずることができること。
    [3]  指定試験機関は、事業計画及び収支予算について主務大臣の認可を受けるとともに、事業報告書及び収支決算書を主務大臣に提出しなければならないこと。
    [4]  指定試験機関は、試験事務の実施に関する規程を定め、主務大臣の認可を受けなければならないこと。また、主務大臣は、規程の変更を命ずることができること。
    [5]  指定試験機関は、浄化槽設備士試験委員の選任及び解任について主務大臣に届け出なければならないこと。
    [6]  指定試験機関は、試験に関して不正行為に関係のある者に対して、受験を停止させることができること。
    [7]  指定試験機関の役職員は、試験事務に関して知り得た秘密を漏らしてはならないこと。また、試験事務に従事する役職員は、刑法その他の罰則の適用について、法令により公務に従事する職員とみなすこと。
    [8]  主務大臣は、必要があると認めるときは、指定試験機関に対し、試験事務に関し監督上必要な命令をすることができること。
    [9]  指定試験機関は、主務大臣の許可を受けなければ、試験事務を休廃止してはならないこと。
    [10]  主務大臣は、試験事務に係る監督命令違反等、指定試験機関が一定の要件に該当するに至ったときは、指定を取消し、又は期間を定めて試験事務の停止を命ずることができること。また、指定の取消しに係る聴聞の期日における審理は公開により行わなければならないこと。
    [11]  指定試験機関が行う試験事務に係る処分(試験結果についての処分を除く)又は不作為について、主務大臣に対し、審査請求をすることができること。
    [12]  主務大臣は、指定試験機関の指定等したときは、その旨を官報に公示しなければならないこと。
    [13]  罰則規定について、役職員の秘密保持義務違反、試験事務の停止命令違反、無許可による試験事務全部の廃止に関する罰則を新たに設ける等すること。
     
    (2) 浄化槽設備士に係る指定講習機関
     浄化槽設備士免状の交付要件として修了が必要とされている浄化槽工事に関する講習を行う者として国土交通大臣及び環境大臣が指定する者(指定講習機関)に関して、以下の規定を設けること。
    [1]  主務大臣は、一定の要件を満たすものと認めるときでなければ、指定講習機関の指定をしてはならないこと。
    [2]  指定講習機関は、事業計画及び収支予算について主務大臣の認可を受けるとともに、事業報告書及び収支決算書を主務大臣に提出しなければならないこと。
    [3]  指定講習機関は、講習業務の実施に関する規程を定め、主務大臣の認可を受けなければならないこと。また、主務大臣は、規程の変更を命ずることができること。
    [4]  講習業務に従事する指定講習機関の役職員は、刑法その他の罰則の適用については、法令により公務に従事する職員とみなすこと。
    [5]  主務大臣は、必要があると認めるときは、指定講習機関に対し、講習業務に関し監督上必要な命令をすることができること。
    [6]  指定講習機関は、主務大臣の許可を受けなければ、講習業務を休廃止してはならないこと。
    [7]  主務大臣は、講習業務に係る監督命令違反等、指定講習機関が一定の要件に該当するに至ったときは、指定を取消し、又は期間を定めて講習業務の停止を命ずることができること。また、指定の取消しに係る聴聞の期日における審理は公開により行わなければならないこと。
    [8]  主務大臣は、指定講習機関の指定等したときは、その旨を官報に公示しなければならないこと。
    [9]  罰則規定について、講習業務の停止命令違反、無許可による講習業務全部の廃止に関する罰則を新たに設ける等すること。
     
    (3) 浄化槽管理士に係る指定試験機関
     浄化槽管理士試験の実施事務を行うものとして環境大臣が指定する者に関して、(1)と同様の規定を設けること。
     
    (4) 浄化槽管理士に係る指定講習機関
     浄化槽管理士免状の交付要件として修了が必要とされている浄化槽の保守点検に関する講習を行う者として環境大臣が指定する者に関して、(2)と同様の規定を設けること。
     
    (5) 罰則の全体見直し
     罰則に関して、上記の他、罰則全体を見直し、罰金の引き上げを行ったこと。
     
    (6) その他
       条例により、都道府県知事の登録を受けなければ浄化槽の保守点検を業としてはならないとする制度が設けられている場合において、当該登録を受けた浄化槽の保守点検を業とする者は、浄化槽管理士の資格を有する者を浄化槽の保守点検業務に従事させなければならないこととすること。
     

  3. 施行期日

    平成13年10月1日