北海道新幹線(新青森・札幌間)環境影響評価書(青森県)への環境大臣意見

1. 騒音・振動関係
(1) 列車走行に伴う騒音について、環境基準の類型指定後の詳細設計に際しては沿線の状況を踏まえた予測評価及び必要な対策の検討を行い、その上で、音源対策を基本として必要な対策を採用し、環境基準の達成を図ること。なお、土地利用対策を含む総合的な対策の検討及び実施に当たっては関係機関との十分な連携を図ること。さらに、その検討結果を適切に公表すること。
(2) (1)の予測に際しては、住居や環境保全上配慮を要する施設であって中高層のものについては高さ方向の騒音影響の検討も実施すること。
(3) 今後、環境影響評価の前提となった車両、走行条件等に変更があり、騒音及び振動が増加するおそれがある場合には、その影響を改めて予測・評価し、必要な対策を講じること。また、その検討結果を適切に公表すること。
(4) 工事用車両の運行及び建設機械の稼働に伴う騒音・振動、供用後における列車の走行に伴う騒音・振動等沿線環境に係る監視を関係機関と連携しつつ適切に実施し、必要な対策を講じること。
(5) (1)〜(4)の措置を講じる旨を評価書に記載すること。
2. 自然関係
(1) 計画路線周辺は自然環境豊かな地域であるとともに希少な野生動植物が確認されていることから、計画が具体的に確定し詳細な構造及び施工計画を検討するに当たっては、希少な動植物について、専門家等の意見を踏まえ、必要とされる調査を実施し、工事実施時及び供用後に分けて環境影響の予測・評価を行い、その結果を公表するとともに、生息・生育環境に対する影響が最小限になるよう適切な保全対策を講じること。また、その旨を評価書に記載すること。
(2) 事業地近傍においてオオタカ等猛禽類の繁殖の可能性があることから、事業の実施に当たっては、工事着手前に実施する生息状況の事後調査の結果に基づき、繁殖活動等に支障を来すおそれがある場合には、猛禽類に詳しい専門家等の指導・助言を得ながら、工事工程等への十分な配慮、営巣地周辺への接近の極力回避等の保全措置を適切に行うこと。また、非繁殖期についても、工事による生息への支障が生じないように工法を検討すること。また、その旨を評価書に記載すること。
(3) 生態系の項目において、注目種ごとの調査、予測及び評価と調査対象ブロックごとの調査、予測及び評価を、「上位性、典型性、特殊性」と「機能性、多様性・自然性、希少性」という異なる評価軸で行っているが、評価軸の相互関係が不明瞭である。このため、評価軸の相互関係及び注目種ごとの調査、予測及び評価の結果と調査対象ブロックごとの調査、予測及び評価の結果の相互関係を分かりやすく整理し、評価書に記載すること。
(4) 調査対象ブロックごとの調査、予測及び評価においては、典型性の注目種として植物のみを選定しているが、選定した植物を生息基盤とする動物も含めた生態系全体の解析が不十分であり、かつ、当該手法については予測の不確実性が高いと考えられることから、典型性の注目種として動物も含めた事後調査を工事完了までに実施し、その結果を公表すること。また、その旨を評価書に記載すること。
(5) 工事中に新たに希少な野生動植物が確認された場合は、専門家等から意見の聴取を行い、これらの生息・生育環境に対する影響が最小限になるよう措置を講じること。また、その旨を評価書に記載すること。
(6) 工事用道路及び工事施工ヤードなどの仮設設備のうち、工事完了後に供用の見込みのないものについては原状回復を図ること。また、その際、植栽に用いる植物種及び工法などについては、必要に応じて専門家等の意見を踏まえ、周辺の植生状況等環境にも配慮して適切に実施すること。また、その旨を評価書に記載すること。
(7) 列車の走行が計画路線周辺の動物及び生態系に及ぼす影響について、専門家等からの指導を得た上で供用前後にモニタリングを実施し、その影響の程度の把握に努めるとともに、その結果を公表すること。また、影響を及ぼす可能性がある場合には、専門家等の意見を踏まえ、適切な保全措置について検討すること。また、その旨を評価書に記載すること。