報道発表資料本文


別紙2議長総括(環境庁仮訳)



別紙2
8カ国環境大臣会合議長総括(環境庁仮訳)

気候変動

環境リーダー達は、大気中の温室効果ガスの増加が地球の気候システムを変化させており、これらの気候変動があらゆる国の人々の健康及び環境に対して受容しがたい影響をもたらすという多数の科学的証拠を強調した。リーダー達は、「気候変動は、生命の顕著な損失を伴い、人類の健康に対して広範な範囲に負の影響を及ぼしつつある」という気候変動に関する政府間パネルの結論に注目した。人類の健康及び安全に対する脅威としては、より深刻な熱波、より強度の大気汚染、伝染病の広がり及び極端な暴風雨と干ばつが潜在的に含まれる。安全な飲み水は、海面上昇及び塩水の浸水、病原菌の成長を促進するより暖かい気温及び水量及び水質に影響する降雨パターンの変化により、危うくされ得る。地域的な気候パターンの変化により、野生生物や生物多様性への顕著な負の影響とともに、森林や湿地その他の生態系も失われる。これらの人類の健康との生態系の変化の関係は、顕著である。リーダー達は、国際的な行動を支える科学的知見を強めていくため、気候変動その他の環境トレンドのモニターのための地球的なシステムのさらなる発展に向け、協力して国際的な努力を強めていくことに同意した。

環境リーダー達は京都で開催される気候変動に関する国際連合枠組条約第3回締約国会合において、温室効果ガスの排出を防止するための強い合意に達するとの約束を強調した。
彼らは、特定の時間的枠組みにおける排出抑制及び顕著であり現実的な排出削減となる数量化された法的拘束力のある排出目標を採択することにより、先進国は率先して、真剣であることを示す必要があることに合意した。彼らは、これらの目標を満たすために締約国にフレキシビリティを認めることにより、最も効率的で、費用効果的な政策・措置を用いるという合意を支持した。彼らは、締約国間でのモニター及び遵守の確保のための適切なメカニズムを設けることの重要性を強調した。リーダー達は、条約の究極の目的を満たすためには、先進国の取組のみによっては十分でないことを認識した。彼らは、途上国がこの問題への取組を具体的に進めるのを支援するため、途上国とのパートナーシップを図っていくことに合意した。これらのアプローチを反映する京都での合意は、大気中の受容できるレベルで温室効果ガスを究極的に安定化させることに向けた長期的な道のりにおける重要な次へのステップとなろう。

環境に関する取り決めの実施と遵守

環境リーダーたちは、国内環境法の遵守の重要性について議論した。彼らは、効果的な環境法の実施は、環境破壊を罰し、抑制するための基礎であり、法の遵守のために費用を支払っている者に対する公平さを確保し、また、自主的な取り組みへの基礎とインセンティブを与えるものであることに同意した。環境リーダーらは、既存法の執行機関あるいは他の機関と環境法の実施を統合していく努力を国内において進めていくことに合意した。

環境リーダーたちは、各国や国際機関による国際的な協力を支援し拡大していくことに合意した。また、国際環境協定遵守のための機構の重要性や、個人や団体が環境情報へアクセスすることや効果的な行政・司法メカニズムの重要性に注目した。リーダーらは、途上国へ悪影響を及ぼす8カ国からの輸送など、国際環境法に触れる違法貿易に焦点を置くことに合意した。彼らはまた、協力した取り組みを進めるために既存の枠組みにおける対話の推進にも合意した。

国連環境開発特別総会

環境リーダーたちは、国連特別総会が持続可能な開発の実現のための約束を世界の指導者たちが再確認する特別な機会を与えるものであると意見が一致した。彼らは、地球サミットの成果を実際的で結果を重視した実施を図っていくことが重要であることを強調した。
このためには、環境と経済、社会問題の統合を継続することや、貧困撲滅を迅速に進めること、良い統治(グッドガバナンス)や人権保護、民主主義が持続可能な開発に不可欠な要素である事を認識することが必要である事を強調した。

特別総会は、地球サミット以降の失敗や成功についての率直な評価を受け入れるべきであると合意した。このような背景のもと、特別総会では以下の主要な分野における将来の行動に関する中心的な優先課題を明らかにすべきことが強調された。

森林:多くの地域で森林の減少が継続していることから、森林に関する政府間パネル(IPF)で合意された提案の迅速な実施や全ての森林の持続可能な開発に向けて包括的で均衡のとれた統合された取組についての長期的な約束が必要であり、環境リーダーらはこのような目標に向けて協力し続けることに合意した。

淡水:特別総会は、CSDにおいて、世界中全ての人々が安全な飲み水と衛生施設を得られることを最終目標とする淡水のための世界行動計画の作成を開始するよう決定すべきである。

エネルギー:特別総会は、CSDにおいて、エネルギー供給に対するアクセスを持たない人々のニーズを考慮しつつ、エネルギー効率や再生可能エネルギーの利用に焦点を置いた持続可能なエネルギー利用の推進のための調和のとれた取組を開始するよう決定すべきである。

環境リーダーたちは、環境及び持続可能な開発のための強力な国際機関無しに進展はあり得ないことを強調した。彼らは、UNEPに関し、ナイロビ宣言での合意に従った、世界的な環境問題の先導的な権威としての役割を認識し、その改革についての最近の決定を強く支持した。彼らは、UNEPの将来の活動に関するUNEPハイレベル委員会の第1回会合の早期の開催を求めた。

環境リーダーらは、CSDは次の5年間は上記のイニシアティブを推進するため、淡水とエネルギーに焦点を置くべきとの意見で一致した。さらに、海洋汚染防止や海洋資源の持続可能な管理及び総合的沿岸管理の推進、関連国際機関の調整といった海洋問題についても議論されるべきであるとした。また、CSDが、貿易と投資や観光、ガソリンの無鉛化推進や航空輸送の持続性の向上を含む交通についても扱うことを求めた。

環境リーダーらは、CSDは持続可能な開発に関する戦略的なフォーラムであることを再確認した。UNEP機構改革の成功とCSDの作業について形成されつつある合意は、今後環境と持続可能な開発についての実質的な議題により注意を向けることを可能とするであろう。

さらに、優先される将来の行動として、環境リーダーらは、特別総会が、気候変動、モントリオール議定書、バイオセイフティ、特定有害化学物質の取引における事前同意(PIC)、残留性有機汚染物質(POPs)及び砂漠化防止条約第1回締約会議といった、現在進行中の多国間の環境交渉に強力なメッセージを送るべきであることを強調した。

環境リーダーたちは、特別総会において、いくつかの重要な分野横断的課題についても更なる行動をとる必要であることを強調した。彼らは、持続可能な生産・消費パターンや環境効率性の大幅な改善に向けた取組が必要であることに合意した。彼らは、途上国への環境上健全な技術の移転を促進すること、ODAを含む公的及び民間資金の動員への努力を強化すること、GEF(地球環境ファシリティ)の十分な増資を確保することの必要性についても合意した。彼らはまた、前回のカブールG7環境大臣会合での貿易と環境に関する原則を再確認し、持続可能な開発に向けて貿易と環境の相互支持化を推進することが必要であることに合意した。

2002年に「リオ・プラス10」会議を開催することを展望し、環境リーダーらは、特別総会が著名な専門家達に対し、21世紀の始まりにあたって、持続可能な開発の挑戦について評価することを求めるよう検討することを呼びかけた。




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