平成20年7月18日
大気環境

全国星空継続観察(スターウォッチング・ネットワーク)平成20年度夏期観察の実施及び平成19年度冬期観察の結果等について(お知らせ)

 全国星空継続観察(スターウォッチング・ネットワーク)は、全国各地で一斉に、星空観察を行うもので、昭和63年から、毎年2回実施しています。
 平成20年度全国星空継続観察の夏期観察は、平成20年7月24日(木)から8月6日(水)の期間に実施します。
 平成19年度全国星空継続観察では、夏期及び冬期の観察において全国744団体、10,871人が観察に参加しました。

 全国星空継続観察は、全国各地で一斉に、肉眼や双眼鏡、カメラを使った身近な方法によって星空観察を行うものです。
 参加者に光害や大気汚染などのない清澄な大気への関心を高めてもらうことを目的に、昭和63年(1988年)から、(夏期及び冬期)実施している事業です。
 環境省では、本事業を通じて清らかな大気の大切さを広くアピールするとともに、本調査結果を参考にしつつ、上空への漏れ光が少ない照明器具や明るすぎない照明を普及するなど、良好な屋外照明環境の形成、ひいては、地域の大気汚染の改善や地球温暖化の防止に向けて、より一層の施策の推進を図っていくこととしています。

1.平成20年度夏期観察の実施

(1)観察期間:

平成20年7月24日(木)から8月6日(水)まで
(参加者は、この期間中に1日以上観察する)

(2)観察方法:

[1]肉眼による観察
高度の異なる天の川の3部分(白鳥座付近、たて座付近、いて座付近)を観察する。
[2]双眼鏡による観察
こと座のおりひめ星(ベガ)を含む三角形付近の星について、何等級の星まで見えたかを観察する。
[3]星空の写真撮影
一眼レフカメラを使用し、天頂部分の夜空をリバーサルフィルム(スライド用フィルム)に撮影する。

(3)参加方法:

都道府県・政令指定都市・中核市の大気環境行政担当部局へ参加申込みを行う。
環境省子どものページ(スターウォッチング・ネットワーク)にも掲載している。
URL:http://www.env.go.jp/kids/star.html

(4)定点観察:

別途依頼している全国23地点の定点観察地においての観察。
一般参加団体による写真撮影の方法(上記の(2) [3])と同様の方法で行い、夜空の明るさを測定する。

2.平成19年度観察の結果概要 

(1)観察期間(期間中に1日以上観察)

[1]夏期:平成19年8月5日から8月18日
[2]冬期:平成20年1月27日から2月9日

(2)参加団体・参加者数

 全国から881団体の参加申込があったが、天候不順等の影響により744団体が観察を実施した。また、観察の延べ参加者数は10,871人であった。(図1[PDF 86KB])

≪内訳≫
参加申込団体数:
881団体 夏期 489団体 冬期 392団体
観測実施団体数:
744団体 夏期 422団体(454地点)冬期 322団体(345地点)
延べ参加者数:
10,871人 夏期 8,064人 冬期 2,807人

※昨年度

観測実施団体数:
778団体
延べ参加者数:
11,691人 夏期 416団体(7,541人)冬期  362団体(4,150人)

(3)観察結果

[1] 肉眼による天の川の観察

肉眼で「天の川」の高度の異なる部分の見え方を観察した。

ア.夏期(図2[PDF 86KB]):
はくちょう座付近[高々度]、たて座付近[中高度]、いて座[低高度]
イ.冬期(図3[PDF 86KB]):
ペルセウス座付近[高々度]、ふたご座付近[中高度]、いっかくじゅう座付近[低高度]

 観察の結果から星座の高度に応じて見え方に違いがあり、高度が低いほど「夜空が明るくて天の川が見えない」という回答の割合が高くなったことから、地上に近いほど人工光の影響を受けていることが確認できる。

[2]双眼鏡による観察結果

 双眼鏡を用い、夏期は、ベガ付近、冬期は、すばる(プレアデス星団)のラケットの中の星を対象に観察し、「平均観察等級」(何等級の星まで見えたのかの平均)を都市規模別にまとめた。(図4[PDF 97KB]、図5[PDF 102KB])

 規模の大きな都市ほど明るい星しか見えず、星が見えにくいという結果となっている。

[3]カラースライド写真から求めた「夜空の明るさ」

 一般参加団体及び定点観察地(全国24地点)による天頂付近の星空を撮影したカラースライド写真から、星の明るさを表す「等級」を単位とする「夜空の明るさ(mag/□")」を算出。

※mag/□"(マグニチュードパー平方秒角)
 夜空の明るさを示す単位で値が大きいほど夜空が暗く、星が見えやすいことを示す。
 天空の写真をスライドにしてスライド上で星が存在しない部分の明るさ(mag)を単位平方秒角あたり(□")で示したもの。

ア.一般参加団体による写真撮影結果(表1、2、[参考[PDF 146KB]])

 各参加団体が撮影したカラースライド写真の分析結果を都市規模別(表1)、周囲の土地利用状況別(表2)に整理し、それぞれ平均値を求めた。

表1都市規模別に見た「夜空の明るさ」(平成19年度)
都市規模夏期冬期
観察数平均値(mag/□")観察数平均値(mag/□")
巨大都市 13 17.8 12 16.6
大都市 29 18.6 23 17.6
中都市 58 19.5 40 18.5
小都市 92 21.2 57 19.7
全体 192 20.1 132 18.7
表2観察地点の周囲の土地利用状況別に見た「夜空の明るさ」(平成19年度)
周囲の土地利用状況夏期冬期
観察数平均値(mag/□")※観察数平均値(mag/□")
商業地域 21 17.8 9 18.5
工場地帯 2 18.3 1 16.6
住宅地 58 18.9 43 17.9
農業地域 28 20.7 15 17
森林・山間地 55 21.8 38 19.9
その他 22 20.3 26 19.3
全体 192※1 20.1 132 18.7

1:合計には、無記入であった6地点についても含む。

イ.定点観察地における写真撮影結果

 全国24地点の定点観察地で実施した結果をまとめ、経年変化をグラフで表した。(定点観察地における写真撮影結果[PDF 572KB])

添付資料

連絡先
環境省水・大気環境局大気生活環境室
直通:03-5521-8298
代表:03-3581-3351
室長:志々目 友博(内線6540)
室長補佐:中村 邦彦(内線6541)
担当:渡邊 恵美子(内線6544)
近藤 理史(内線6546)