平成20年6月17日
地球環境

地球環境研究総合推進費による平成20年度新規研究課題の採択決定について(お知らせ)

 環境省では、地球環境保全政策を科学的側面から支援することを目的として、競争的研究資金である地球環境研究総合推進費(以下「推進費」という。)による研究を推進しています。
 今般、平成19年度地球環境研究企画委員会(委員長:鈴木基之 放送大学教授)による評価結果を踏まえ、応募された116課題のうち、地球環境問題対応型研究領域として24課題、地球環境研究革新型研究領域として7課題の合計31課題を、推進費の平成20年度新規研究課題として決定しました(新規研究課題の概要は別紙参照)。
 推進費の平成20年度予算は約32億円で、このうち約20億円を継続課題に、約10億円を新規課題に配分することとしています。
特に、平成20年度からは、地球環境問題対応型研究領域に二つの特別募集枠(5億円)を新設しました。このうち「賢い適応」特別募集枠では、効果的かつ効率的な適応の方法、温暖化影響に強い持続可能な国土・社会づくりのための政策研究を4課題(1.5億円)、「低炭素」特別募集枠では、50%を超える大幅なCO2削減を現実のものとする低炭素社会づくりのための政策研究9課題(3.5億円)をそれぞれ実施することとしています。

1.地球環境研究総合推進費の概要

  • 環境省では、平成2年度から推進費を活用して、国立試験研究機関、独立行政法人、大学、民間研究機関等、様々な分野の研究機関、研究者の連携・協力の下に、地球環境研究を総合的に進めています(平成20年度予算額は31.97億円で、このうち20.16億円は継続課題(3プロジェクト及び35課題)に充当)。
  • 本研究資金により、地球環境の将来予測・影響・対策等に関する数多くの科学的知見を蓄積しつつあり、例えば、地球温暖化に関する研究成果は、IPCCの第4次評価報告書へ引用される等、国際的な面からも貢献しています。
  • 推進費では、基礎研究、応用研究を含め幅広く研究を実施していますが、特に地球環境問題を解決に導くための施策・政策に対する科学的な貢献を明確に指向した研究(政策反映指向型の研究)であることが要件となっています。

2.平成20年度新規研究課題の採択審査(事前評価)について

  • 推進費では、新規研究課題の選定に当たり公募を行い、研究者から応募のあった研究課題の中から、科学的・技術的な観点のほか、地球環境保全政策への科学的側面からの貢献・寄与の大きさといった点も重視した上で、実施すべき研究課題を競争的に選定する仕組みとなっています。
  • 専門家・有識者により構成された地球環境研究企画委員会(委員長:鈴木基之 放送大学教授)において、応募書類審査及びヒアリング審査を実施しました。

3.平成20年度新規研究課題について

  • 審査結果及び地球環境に関する国内外の最新の研究動向を踏まえ、地球環境問題対応型研究領域として24課題、地球環境研究革新型研究領域として7課題(合計31課題)を、推進費の平成20年度新規研究課題として決定しました。
  • 「地球環境問題対応型研究領域」は、個別又は複数の地球環境問題の解決に資する学際的・国際的な研究課題です。平成20年度においては、従来の4分野11課題に約5億円を充てたほか、効果的かつ効率的な適応の方法、温暖化影響に強い持続可能な国土・社会づくりのための政策研究を行う「賢い適応」特別募集枠(1.5億円)と、50%を超える大幅なC02削減を現実のものとする低炭素社会づくりのための政策研究を行う「低炭素」特別募集枠(3.5億円)を新設し、それぞれ4課題、9課題を実施することとしています。
  • 「地球環境研究革新型研究領域」は、新規性・独創性・革新性の高い地球環境研究を強化するため、若手研究者を対象とした研究課題であり、平成18年度に創設しました。
  • 採択が決定した研究課題の概要については、別紙のとおりです。
  • 応募課題数及び採択課題数は以下のとおりです。
研究対象分野応募課題数採択課題数
◎地球環境問題対応型研究領域 94 24
【通常枠】 64 11
○全球システム変動 (19) (4)
○越境汚染 (16) (3)
○広域的な生態系保全・再生 (19) (3)
○持続可能な社会・政策研究 (10) (1)
【特別募集枠】 30 13
○賢い適応 (10) (4)
○低炭素 (20) (9)
◎地球環境研究革新型研究領域 22 7
合計 116 31

添付資料

連絡先
環境省地球環境局総務課
研究調査室代表:03−3581−3351
室長:塚本 直也(内線6730)
室長補佐:松浦 安剛(内線6732)
係員:田畑 桂(内線6732)