報道発表資料

この記事を印刷
2008年03月05日
  • 再生循環

日本海沿岸地域等への廃ポリタンクの大量漂着について(第3報)

 本年1月中旬から日本海沿岸地域を中心として廃ポリタンクが多数漂着しており、3月3日時点で約4万個が確認されました。一部には中に液体物質が残っているものがあり、関係県が分析した結果によれば、塩酸が検出された例があります。このため、海岸に漂着している廃ポリタンクには、安易に触れないよう注意喚起しています。
 環境省では、関係の道府県及び省庁の協力を得て、漂着状況の把握、事故防止のための注意喚起を引き続き行うとともに、韓国の担当行政機関に対して情報を提供し、発生原因の究明等を要請しました。また、外務省においては、外交ルートを通じて、韓国政府に対して実態把握、原因究明、漂着ゴミを減らすための更なる努力等の要請を行っています。

1.現状

 1月15日頃、長崎県平戸市の海岸に20L程度の廃ポリタンク約700個が漂着していることが発見され、それ以降3月3日までに、沖縄県石垣島から北海道にわたる19道府県の海岸に総計約4万個(※)(関係道府県からの情報提供等に基づき集計:別紙参照)の廃ポリタンクが漂着している。(第1報;2月19日、第2報;2月22日)
 ※今回初めて環境省から関係道府県に依頼して調査を実施しており、今回の廃ポリタンクの漂着した数と過去に漂着した数は、一概に比較できない。
 ふたが閉まっている一部の廃ポリタンクには中に液体が残っているものがあり、関係県の分析結果によると、塩酸が検出される例が散見されている。
 廃ポリタンクにはハングル文字が書かれているものが多数見られ(確認されたもので約16,000個)、H2O2(過酸化水素)、CH3COOH(酢酸)、HNO3(硝酸)等の表記がある場合もある。しかし、H2O2表記の廃ポリタンクから塩酸が検出された例があり、廃ポリタンクの表記と内容物は必ずしも一致しないので、注意を要する。このため、環境省では、海岸に漂着した廃ポリタンクに安易に触れないよう、引き続き注意を呼びかけている。

2.過去の経緯

 平成11年度頃から冬場を中心に毎年のように日本海沿岸に大量の廃ポリタンクが漂着している(11年度 約38,000個、12年度 約11,000個、13年度 約13,000個、14年度 約29,000個、15年度 約12,000個、16年度 約14,000個、17年度 約9,300個、18年度 未確認:海上保安庁調べ)。これらについては、発生源の可能性がある韓国に対して、原因究明、発生防止等の要請を行っている。

3.現在及び今後の対応

 環境省においては、ハングル表記の廃ポリタンクが他に比して多数見られるため、韓国の担当行政機関(海洋水産部)に対して漂着状況等の資料を提供し、原因究明等の要請を行っている。また、同様の資料等の情報を外務省に提供しており、外務省より韓国政府に対し、外交ルートを通じて公式に、実態把握、原因究明、漂着ゴミを減らすための更なる努力について要請を行った。現時点では、韓国政府から回答は得られていないが、引き続き情報提供等を継続し、韓国政府の対応を要請することとしている。
 環境省としては、今後とも関係道府県及び関係省庁の協力を得て、漂着状況の調査、廃ポリタンクや内容物に関する情報収集等を行うことにより発生原因の究明等に努め、関係国の協力を得て、再発防止に取り組むこととしている。

(参考)廃ポリタンク及び内容物に関する情報及び推測

今回、日本沿岸へ漂着した廃ポリタンクのうち、少なくとも内容物として塩酸が含まれていたものについては、元々各種原材料等として使用する過酸化水素、酢酸、硝酸等の容器が、使用後に塩酸の容器として再利用された可能性がある。
塩酸は、一般的には機器の洗浄等に使用される。専門家によれば、韓国においては、以前、ノリ養殖等の網の殺菌にも使用されていたが、現在、当該用途での使用は禁止されているとのこと。

添付資料

連絡先
環境省地球環境局(旧)環境保全対策課
直通:03-5521-8245
課長代行:深見 正仁(内線6750)
課長補佐:竹本 明生(内線6741)
担当:小沼 信之(内線6745)
    石橋 和隆(内線6748)

環境省大臣官房廃棄物・リサイクル対策部廃棄物対策課
直通:03-5521-8337
課長:関 荘一郎(内線6841)
課長補佐:小野寺 晃宏(内線6845)
担当:原渕 明(内線6849)

Adobe Readerのダウンロード

PDF形式のファイルをご覧いただくためには、Adobe Readerが必要です。Adobe Reader(無償)をダウンロードしてご利用ください。