報道発表資料

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2007年11月20日
  • 再生循環

低濃度PCB汚染物の焼却実証試験(第3回)の実施結果について

環境省は、本年9月に、秋田県、川崎市及び山口県並びにエコシステム小坂株式会社、財団法人かながわ廃棄物処理事業団及び太平洋セメント株式会社の協力を得て、全国3ヶ所において、低濃度PCB汚染物(数十ppm程度のPCBを含む絶縁油)の焼却実証試験を実施しました。その結果、確実かつ周辺環境に影響を及ぼすことなく安全にPCBが分解されることを確認しました。

1.趣旨

 PCBを使用していないとするトランス等の中に、実際には低濃度のPCBに汚染された絶縁油を含むもの(以下「低濃度PCB汚染物」という。)が大量に存在することが判明しており、これらの処理体制の整備が課題となっています。
 環境省は、低濃度PCB汚染物の処理体制の整備に向け、850℃以上の高温で焼却できる既存の産業廃棄物処理施設等において、低濃度PCB汚染物が安全かつ確実に処理できることを確認するため、本年9月、関係自治体である秋田県、川崎市及び山口県並びに実証試験施設の設置者であるエコシステム小坂株式会社、財団法人かながわ廃棄物処理事業団及び太平洋セメント株式会社の協力を得て、低濃度PCB汚染物の焼却実証試験を実施しました。

2.実証試験結果の概要

(1)実施場所及び実施期間

  • エコシステム小坂株式会社(秋田県鹿角郡小坂町)
    平成19年9月20日(木)~9月22日(土)
  • 財団法人かながわ廃棄物処理事業団
    かながわクリーンセンター(神奈川県川崎市)
    平成19年9月12日(水)~9月14日(金)
  • 太平洋セメント株式会社小野田工場(山口県山陽小野田市)
    平成19年9月3日(月)~9月5日(水)

施設の概要は、「別紙」表1参照。

(2)実施内容

 現在稼働中の産業廃棄物の焼却施設及びセメント製造試験施設に、数十ppm程度のPCBを含む絶縁油を投入し、排ガス中のPCB濃度等を分析することにより、これらが適正に処理されていることを確認する。
 また、実施に当たっては、専門家(廃棄物処理、分析、健康影響等)の助言を得ることとする。
 なお、本試験においては、燃焼ガスが850℃以上の温度を保ちつつ、2秒以上滞留させて行うものとする。

(3)実施結果

 焼却実証試験の実施の結果、試験試料については、確実かつ周辺環境へ影響を及ぼすことなく安全に分解されることを確認した。詳細は、以下のとおり。

[1] 周辺環境への影響について(「別紙」表2参照)
  • 施設の敷地境界における大気中のPCB濃度、施設の周辺における大気中のダイオキシン類濃度については、関係法令に定める基準値等よりも低いことを確認した。
[2] 排ガスについて(「別紙」表3参照)
  • 排ガス中のPCB及びダイオキシン類の濃度については、関係法令に定める基準値等よりも低いことを確認した。
  • また、排ガス中のPCB及びダイオキシン類の濃度については、試験試料を投入せずに施設を運転した場合(通常運転時)と、試験試料を投入して施設を運転した場合(本試験時)において顕著な変化がないことから、試験試料を投入したことによる排ガス中のPCB及びダイオキシン類濃度への影響はないことを確認した。

3.その他

 今後、協力が得られる他の施設においても、焼却実証試験を実施していく予定。

添付資料

連絡先
環境省大臣官房廃棄物・リサイクル対策部産業廃棄物課
代表:03-3581-3351
課長:木村 祐二(内線6871)
課長補佐:高橋 一彰(内線6880)
係長:高橋 徳行(内線6895)

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