平成10年12月22日

平成9年度自動車交通騒音の現況について

 環境庁においては、自動車交通騒音の実態を把握するため、全国の自治体「当概地域の 騒音を代表すると思われる地点又は騒音に係る問題を生じやすい地点」(全国5,286 地点。)において平成9年度に実施した自動車交通騒音レベルの測定結果について以下の とおり取りまとめた。

1.環境基準

 全国の測定地点(環境基本法に基づく環境基準の類型指定地域内4,713地点)のうち、 4時間帯(朝・昼間・夕・夜間)すべてで環境基準が達成されたのは625地点(13.3%)、 4時間帯すべてで達成されなかったのは2,573地点(54.6%)で、一部測定地点は異なるも のの平成8年度の調査結果(4時間帯すべてで達成599地点(12.9%)、4時間帯すべてで 非達成2,558 地点(55.1%))と同程度の水準であった。また、5年間継続測定地点(2,8 90地点)でみると、4時間帯すべてで環境基準が達成されたのは  354地点(12.2%)で、過去5年間と比較すると同様な傾向であり、依然として低い達成 率となっている。

2.要請限度

 全国の測定地点(騒音規制法に基づく指定地域内4,908地点)のうち、4時間帯すべて 又は4時間帯のいずれかで要請限度を超過したのは1,481地点 (30.2%)で一部測定地点 は異なるものの平成8年度の調査結果(1,573地点(32.1%))と同程度であった。
 また、5年間継続測定地点(3,036地点)でみると、4時間帯すべて又は4時間帯のい ずれかで要請限度を超過したのは983地点(32.4%)で、過去5年間と比較すると同様な傾 向であり、依然として厳しい状況である。
 環境庁としては、以上のような状況を踏まえ、今後とも、道路交通騒音対策を総合的か つ一層強力に推進することとしている。
 なお、平成10年9月30日付けで騒音に係る新環境基準が告示され、平成11年4月1日か ら施行される。

道路の種類別測定地点総数及び道路延長
  測定地点総数 道路延長(km) 1地点当たりの
道路延長(km)
高速自動車国道
都市内高速道路
一般国道
主要地方道
一般都道府県道
市町村道
511( 9.3%)
97( 1.8%)
2,002(36.6%)
1,270(23.2%)
772(14.1%)
825(15.1%)
7,886
552
65,786
62,747
79,099
996,496
15.4
5.7
32.9
44.3
102.5
1,207.9
合  計 5,477(100.0) 1,212,566 221.2

建設省「道路統計年報1998」により作成

注1) 測定地点が2つ以上の道路の影響を受けている場合は、それぞれの道路について集計したため、測定地点総数の合計は全国の測定地点数を上回る。
注2) s

 

1.環境基準の達成状況
(1) 全測定地点における環境基準の達成状況
 全国の測定地点(4,713地点)のうち、4時間帯(朝・昼間・夕・夜間)すべてで環境基準が達成されたのは625地点(13.3%)と、昨年(12.9%)より若干よい達成率となっている。 また、環境基準が達成されなかった測定地点のうち、4時間帯すべてで達成されなかったのは2,573地点(54.6%)、4時間帯のいずれかで達成されなかったのは1,515地点(32.1%)であった。
(別掲図1ー1)
(2) 継続測定地点における環境基準達成状況の推移
 5年間継続して測定を行っている地点(2,890地点)を対象とした環境基準の達成状況の推移をみると、4時間帯すべてで環境基準が達成された測定地点は、354地点(12.2%)で前年度の357地点(12.4%)と同様の水準であり、過去5年で見ても依然低い水準で推移している。
注)平成7年までは歴年(1〜12月)により集計していたが、8年より年度(4〜3月)による集計とした。
(別掲図1ー2)
(3) 大都市地域とそれ以外の地域で見た環境基準の達成状況
 大都市地域(東京23区及び12政令指定都市)とそれ以外の地域で環境基準の達成状況を比較すると、4時間帯すべてで環境基準が達成された測定地点の割合は、大都市地域においては6.3%(650地点中41地点)であり、それ以外の地域の14.4%(4063地点中584地点)に比べてかなり低くなっている。
(別掲図1ー3)

(4)

道路の種類別にみた環境基準の達成状況
 道路の種類別に環境基準の達成状況を見ると、4時間帯すべてで環境基準が達成された測定地点の割合は、高速自動車国道の24.2%(330地点中80地点)が最も高く、逆に、都市内高速道路が4.1%(97地点中4地点)と最も低い。
注)測定地点が2つ以上の道路の影響を 受けている場合は、それぞれの道路について集計したため、測定地点の合計は全測定地点数を上回る。
(別掲図1ー4)
(5) 時間帯の区分別にみた環境基準の達成状況
 時間帯の区分別に環境基準の達成状況を見ると、環境基準が達成された測定地点の割合は、夜間が34.5%(4,713地点中1,624地点)と最も高く、夕が22.1%(1042地点)と最も低い。
(別掲図1ー5)
(6) 地域の区分別にみた環境基準の達成状況
 地域の区分別に環境基準の達成状況をみると、4時間帯すべてで環境基準が達成された測定地点の割合は、B地域(主として商業地域)のうち2車線以下の道路を有する地域が、27.4%(1,110地点中304地点)と最も高く、A地域(主として住居地域)のうち2車線の道路を有する地域が5.0%(1,542地点中77地点)と最も低い。
(別掲図1ー6)
2.要請限度の超過状況
(1) 全測定地点における要請限度の超過状況
 全国の測定地点(4,908地点)のうち、要請限度を超過したのは1,481地点(30.1%)であった。このうち4時間帯すべてで要請限度を超過したのは110地点(2.2%)、4時間帯のいずれかで超過したのは1,371地点(27.9%)であった。
(別掲図2ー1)
(2) 継続測定地点における要請限度超過状況の推移
 5年間継続して測定を行っている地点(3,036地点)を対象とした要請限度の超過状況の推移をみると、4時間帯すべてで要請限度を超過した測定地点は前年度の75地点(2.5%)が77地点(2.6%)とほぼ横這いだが、4時間帯すべて又はいずれかにおいて要請限度を超過した測定地点は前年度の1,044地点(34.4%)が983地点(32.4%)とやや減少しているものの、過去5年でみると引き続き高い水準で推移している。
注)平成7年までは歴年(1〜12月)により集計していたが8年より年 度(4〜3月)による集計とした。
(別掲図2ー2)
(3) 大都市とそれ以外の地域で見た要請限度の超過状況
 大都市地域(東京23区及び12政令指定都市)とそれ以外の地域で要請限度の超過状況を比較すると、4時間帯すべてで要請限度を超過した測定地点の割合は大都市地域においては2.6%(650地点中17地点)であり、それ以外の地域の2.2%(4258地点中93地点)と比べ少し高く、4時間帯全て又はいずれかにおいて要請限度を超過した測定地点の割合は、大都市地域においては41.8%(650地点中272地点)であり、それ以外の地域の28.4%(4258地点中1209地点)に比べ高い。
(別掲図2ー3)
(4) 道路の種類別にみた要請限度の超過状況
 道路の種類別に要請限度の超過状況をみると、4時間帯すべてで要請限度を超過した測定地点の割合は、一般国道が3.8%(1,919地点中73地点)と最も高い。また、4時間帯のすべて又はいずれかで要請限度を超過した測定地点の割合は、都市内高速道路で68.4%(
95地点中65地点)と最も高く、市町村道等で最も低い。
注)測定地点が2つ以上の道路の影響を受けている場合は、それぞれの道路について集計したため、測定地点の合計は全測定地点数を上回る。
(別掲図2ー4)
(5) 時間帯の区分別にみた要請限度の超過状況
 時間帯の区分別に要請限度の超過状況をみると、要請限度を超過した測定地点の割合は、夜間が24.4%(4,908地点中 1,198地点)と最も高く、昼間が2.9%(142地点)と最も低い。
(別掲図2ー5)
(6) 区域の区分別にみた要請限度の超過状況
 区域の区分別に要請限度の超過状況をみると、4時間帯すべて又はいずれかで要請限度を超過している測定地点の割合は、第2種区域が42.8%(2,424地点中1,037地点)で最も高い。
*第二種地域・・都市計画法の「第1種・第2種中高層住居専用地域、第1種・第2種住居地域及び準住居地域に相当。
(別掲図2ー6)

(参考)

1.環境基準

 環境基本法第16条の規定に基づき、騒音に係る環境上の条件について生活環境を保全し、人の健康の保護に資するうえで、維持されることが望ましい基準。朝、昼間、夕及び夜間の4時間帯のそれぞれについて、土地利用の種類、車線数によって基準値が定められている。(中央値)

地域の区分 時間の区分
昼  間 朝・夕 夜  間
A地域のうち2車線を有する道路に面する地域 55dB以下 50dB以下 45dB以下
A地域のうち2車線を超える車線を有する道路に面する地域 60dB以下 55dB以下 50dB以下
B地域のうち2車線以下の車線を有する道路に面する地域 65dB以下 60dB以下 55dB以下
B地域のうち2車線を超える車線を有する道路に面する地域 65dB以下 65dB以下 60dB以下

注)

  1. 地域の類型A及びBのあてはめは、原則として、都市計画法第8条第1項第1号に定める用途地域に準拠して行うものとし、住宅の立地状況その他土地利用の実情を勘案して行うものとする。
    • 地域の類型Aは、都市計画法第9条第1項から第7項に定める第1種低層住居専用地域、第2種低層住居専用地域、第1種中高層住居専用地域、第2種中高層住居専用地域、第1種住居地域、第2種住居専用地域及び準住居地域とする。
    • 地域の類型Bは、同法第9条第8項から第11項に定める近隣商業地域、商業地域、準工業地域及び工業地域とする。
    • 用途地域のうち、同法第9条12項に定める工業専用地域については、地域の類型のあてはめを行わないものとする。
  2. 時間の区分については、次に掲げる時間の範囲内において都道府県知事が定めた時間をいう。   
    • 昼間 午前7時又は8時から午後6時、7時又は8時まで
    • 朝  午前5時又は6時から午前7時又は8時まで
    • 夕  午後6時、7時又は8時から午後9時、10時又は11時まで
    • 夜間 午後9時、10時又は11時から翌日の午前5時又は6時まで           
2.要請限度

 騒音規制法第17条第1項に基づき定められた自動車交通騒音の限度で、都道府県知事(政令により市町村長に委任)は、これを超えた場合で道路の生活環境が著しく損なわれると認めるときは、都道府県公安委員会に対し、道路交通法に規定に基づく交通規制等の措置をとるべきことを要請するものとする。その限度は、区域、時間帯に応じて定められている。 (中央値)

  区域の区分 時間の区分
昼 間 朝・夕 夜 間
第1種区域のうち1車線を有する道路に面する区域 55dB 50dB 45dB
第2種区域のうち1車線を有する道路に面する区域 60dB 55dB 50dB
第1種区域及び第2種区域のうち2車線を有する道路に面する区域 70dB 65dB 55dB
第1種区域及び第2種区域のうち2車線をこえる車線を有する道路に面する区域 75dB 70dB 60dB
第3種区域及び第4種区域のうち1車線を有する道路に面する区域 70dB 65dB 60dB
第3種区域及び第4種区域のうち2車線を有する道路に面する区域 75dB 70dB 65dB
第3種区域及び第4種区域のうち2車線をこえる車線を有する道路に面する区域 80dB 75dB 65dB
備考

 第1種区域、第2種区域、第3種区域及び第4種区域とは、それぞれ次の各号に掲げる区域として都道府県知事が定めた区域をいう。

第1種区域 良好な住居の環境を保全するために、特に静穏の保持を必要とする区域
第2種区域 住居の用に供されているため、静穏の保持を必要とする区域
第3種区域 住居のようにあわせて商業、工業等の用に供されている区域であって、その区域内の住民の生活環境を保全するため、騒音の発生を防止する必要がある区域
第4種区域 主として工業等の用に供されている区域であって、その区域内の住民の生活環 境を悪化させないため、著しい騒音の発生を防止する必要がある区域

添付資料

連絡先
環境庁大気保全局自動車環境対策第二課
課   長 :松本 和良 (6550)
 課長補佐 :印南 朋浩 (6551)

環境庁大気保全局自動車環境対策第一課
課   長 :鈴木 安次 (6520)
 課長補佐 :奥村 康博 (6526)