報道発表資料

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2007年06月03日
  • 自然環境

ワシントン条約常設委員会における象牙取引に係る審議結果について

6月2日午後(現地時間)、オランダ・ハーグにて開催されたワシントン条約第55回常設委員会において、南部アフリカ3カ国から日本への1回限りの象牙取引が認められましたので、お知らせいたします。
1.
昨年10月の第54回常設委員会で我が国は、ボツワナ、ナミビア、南アフリカの政府が所有する象牙(合計最大60トン)の取引相手国の条件を満たしていると認められました。しかしながら、取引のもう一つの条件である、ゾウの密猟監視に関する基礎的情報が整っていなかったため、今次会合に最終決定が持ち越されていました。

2.
今次会合では、事務局より、前回会合以降、日本の国内流通管理の状況に関して、前回会合の決定を見直すいかなる理由も見出せないとする報告が行われました。これを受け、常設委員会はこの報告を了承し、日本が取引相手国となることが確定しました。

3.
他方、中国も取引相手国として立候補していましたが、これまで国内流通管理制度は整っているものの、国際的に象牙の主な密輸先であることが指摘されており、常設委員会としての判断がなされていませんでした。今回、中国の要請により中国を取引相手国と認めることが投票に付されましたが、僅差で否決されました(賛否同数のため、条約の寄託国政府であるスイスの判断により否決)。

4.
また、もう一つの取引実施の条件とされているゾウの原産国におけるゾウの密猟監視に関する基礎的情報が整備されたことが事務局より報告されました。少数の国から異議が唱えられたため、投票に付された結果、賛成多数でこの報告を了承することが決定されました。

(参考)

1.

常設委員会とは
締約国会議と締約国会議の間、条約の履行や運営事項に関する各種決定を行う機関であり、メンバーは、地域代表のほか、寄託国(スイス)、前回及び次回締約国会議のホスト国の合計18カ国。投票権は地域代表だけに付与される。


2.

第55回常設委員会
開催日:6月2日(土)


3.

常設委員会メンバー国(地域代表)
アフリカ地域代表 ケニア、ガーナ、ザンビア、カメルーン
アジア地域代表 日本、中国、マレーシア
オセアニア地域代表 オーストラリア
北米地域代表 カナダ
中南米地域代表 チリ、ニカラグア、セントビンセント
ヨーロッパ地域代表 ドイツ、アイスランド、チェコ


追加取材については、6月3日(日)8:00~12:00の間、野生生物課において西山が対応いたします。
連絡先
環境省自然環境局野生生物課
直通: 03-5521-8282
 課長:星野 一昭(6460)
 補佐:西山 理行(6462)
 係長:尼子 直輝(6468)