報道発表資料

平成19年5月8日
自然環境
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ツシマヤマネコの対馬の下島における生息確認について

長崎県対馬に生息するツシマヤマネコについて、1984年5月以来23年ぶりに、下島における生息個体の確実な確認がなされたので、お知らせします。
 環境省が長崎県に委託し実施した生息状況調査において、4月末に回収した自動撮影カメラの3月2日付けの写真に、ツシマヤマネコ1頭が撮影されていたことから、専門家の確認を経て、この度公表するものです。
 環境省としては、下島のツシマヤマネコの生息状況についての調査を進め、今後の保護対策について検討及び実施していきたいと考えています。
1.ツシマヤマネコとは
 ツシマヤマネコは、我が国では長崎県対馬にのみ分布しており、レッドデータブックでは最も絶滅のおそれの高い絶滅危惧IA類に分類されている。
 平成6年に絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律の国内希少野生動植物種に指定され、平成7年に保護増殖事業計画を策定している。
 平成17年9月公表の環境省の生息状況調査では、その生息数は80〜110頭と推定され、また1980年代以降ツシマヤマネコの生息頭数が減少傾向にあることが示唆されている。
 ツシマヤマネコは我が国において野生下における絶滅が最も強く危惧されている哺乳類の一つであることから、野生個体の保護、生息調査や生息地の改善等を推進するとともに福岡市動物園において繁殖事業を進めており、今後は、飼育下における繁殖個体の野生復帰(再導入)にも取り組む予定である。
2.調査の方法と結果
(1)調査方法
 平成19年1月17日から、対馬市厳原いづはら 町の内山周辺の3箇所に自動撮影カメラを設置し、カメラの前を通過する生物の撮影を行った。
 あわせて、調査ルート上の動物の糞などの痕跡について調査を行い、ツシマヤマネコの可能性のある51個の糞サンプルを採取している。
 (これらの糞サンプルは長崎県環境保健研究センターにおいてDNA分析による種の判別を実施中。5月中旬に結果が判明する見込み。)
(2)調査結果
撮影場所:対馬市厳原町の内山周辺
  撮影日:平成19年3月2日
  写真枚数:2枚(ツシマヤマネコが撮影されていた枚数。)2枚は同一個体。(別紙参照)
 長崎大学土肥昭夫教授及び琉球大学伊澤雅子教授に撮影された動物がツシマヤマネコであることについて確認をいただくと同時に以下のコメントを得ている。
  • 成獣であり、栄養状態も良好であると考えられる。
  • 性別は不明である。
3.結果の評価と今後の対応
 ツシマヤマネコの下島における確実な生息の確認は1984年5月8日に厳原町瀬で発見された交通事故死体以来23年ぶりとなる(*)。
 今回撮影されたツシマヤマネコは、栄養状態が良好な成獣であると考えられるが、現時点で下島におけるツシマヤマネコの生息状況は不明である。
 下島では、これまでも痕跡調査を継続してきたにもかかわらず、ツシマヤマネコの生息は今回を除き、確認されておらず、下島における生息状況は依然として厳しい状況であると推測される。
 今後は、下島において詳細な痕跡調査を実施し、下島における生息状況の評価、個体数の推定を行い、保護の方針を検討する予定である。
*下島においては、ヤマネコのものと思われる糞等の痕跡は、1990年代まで確認されていたが、平成17年度公表の生息状況調査では、確実な生息情報を得ることができなかった。
※写真の電子情報が必要な場合は、担当まで御連絡下さい。

添付資料

連絡先
環境省自然環境局野生生物課
課長 星野 一昭(6460)
 補佐 西山 理行(6475)
 補佐 曽宮 和夫(6464)

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