報道発表資料

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2007年01月09日
  • 総合政策

都市高速道路外郭環状線(世田谷区宇奈根~練馬区大泉町間)に係る環境影響評価書に対する環境大臣意見の提出について

環境省は、都市高速道路外郭環状線(世田谷区宇奈根~練馬区大泉町間)に係る環境影響評価書について、本日付けで国土交通省に対し、環境影響評価法に基づき、計画路線周辺の大気汚染及び騒音に係る環境保全措置、トンネル工事に伴う地下水への影響を低減するための措置等を求める環境大臣意見を提出した。

  1. 環境省は、都市高速道路外郭環状線(世田谷区宇奈根~練馬区大泉町間)に係る環境影響評価書について、環境影響評価法に基づき環境の保全の見地からの意見を求められたことから、平成19年1月9日付けで国土交通大臣等(注1)に対し、環境大臣意見を提出した。
  2. 本事業は、本線が大深度地下をトンネル構造で通過するという計画であることから、地上式の道路の場合と比較して、土地の改変をできる限り減らし、また自動車からの排出ガス、騒音及び振動が沿道に与える影響を最小限に抑えているが、一部の地上部の周辺環境やトンネル工事等に伴う地下水環境等への影響についてもできる限り回避・低減されるよう、必要な措置を適切に講じるよう求め、以下の環境大臣意見を提出した。
  3. なお、今後、都市計画決定権者である東京都知事(注2)に対して、国土交通大臣等からこの環境大臣意見を勘案した意見が述べられることとなる。
(注1)

国土交通大臣及び国土交通省関東地方整備局長

(注2)
本事業は都市計画に定められるものであるため、環境影響評価は事業者に代わって都市計画決定権者である東京都知事が実施。

【環境大臣意見の概要】(詳細は別紙)

[1] 大気質への影響と対策技術について
 供用開始前に、周辺の二酸化窒素及び浮遊粒子状物質の状況を把握するとともに、建物や地形の状況も考慮して、換気所での最新の削減技術の適用について検討し、それらの状況を踏まえ、必要に応じ適切な措置を講じること。
[2] インターチェンジ周辺の大気質及び騒音について
 接続する一般道路を含むインターチェンジ周辺の大気質及び騒音の影響の状況並びに既設の外環道との接合部周辺の大気質の状況について予測・評価を行い、必要な環境保全措置及び事後調査を実施すること。
[3] 建設機械の稼働による騒音について
 建設機械騒音は、騒音源と受音源との高さの関係によっては規制基準値を超えるおそれがあるため、必要に応じて、高い遮音効果を有する防音材の採用等の適切な措置を講じること。
[4] 水循環に係る環境保全措置について
 浅層地下水保全に用いる地下水流動保全工法については、工事実施までに地質及び地下水位等の詳細調査を行い、流動予測を改めて行いつつ、長期的な維持管理方法も考慮して適切な工法を選定すること。また、事後調査を行いながら、必要に応じ適切な追加措置を講じること。
 外環本線と接続線とのトンネル接合部については、施工方法が変更された場合には、深層地下水の流動予測を改めて行い、必要に応じ適切な措置を講じること。
[5] 地下水質の保全について
 事業実施区域及びその周辺の地下水汚染の状況及び分布範囲について把握し、必要に応じ、工事に伴う影響が生じないよう適切な措置を講じること。また、事後調査を実施すること。
[6] 八の釜憩いの森の代償措置について
 八の釜湧水及び憩いの森について代償措置を講じる場合には、地元の要望を聞きつつ、また現在の自然環境の状況を考慮して検討し、できる限り早期に機能の代償を図ること。
[7] 廃棄物等について
 建設発生土は、発生量及び発生時期の管理を適正に行い、近隣での利用など、適切に再利用すること。また、建設汚泥については、できる限り再生利用するよう努めること。なお、再利用の際には、汚染の有無を確認すること。
[8] 地上部街路について
 実施について現時点で未定である地上部街路「外環ノ2」について、もし計画が具体化するのであれば、環境への影響について予測・評価を行うこと。

添付資料

連絡先
環境省総合環境政策局環境影響評価課環境影響審査室
室長:早水 輝好(内6231)
 審査官:福田 功(内6239)
 TEL 03-3581-3351(代表)
     03-5521-8237(直通)

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