報道発表資料
環境省は、扇島パワーステーションに係る環境影響評価準備書について、本日付けで経済産業大臣に対し、施設の稼働に伴い排出される二酸化炭素及び窒素酸化物のより一層の低減を求める環境大臣意見を提出した。
- 環境省は、扇島パワーステーション(神奈川県横浜市、事業者:株式会社扇島パワー、燃料:天然ガス)に係る環境影響評価準備書について、環境の保全の見地からの意見を求められたことから、平成18年10月16日付けで経済産業大臣に対し、環境大臣意見を提出した。
- 本事業は、火力発電所の中では環境負荷の低い天然ガスを燃料とし、発電効率の高いコンバインドサイクル発電システムを採用するとしており、窒素酸化物排出濃度もガスタービンとして国内最低レベルである。しかしながら、本事業が実施される区域の周辺は、二酸化窒素に係る環境基準が達成されていない地点があり、これまで大気環境改善に向けた各種対策が長期にわたり集中的に講じられてきた地域であることから、窒素酸化物による大気環境への影響をできる限り低減する必要がある。また、大規模な発電設備であることから、二酸化炭素排出量をできる限り低減する必要がある。
これらのことから、環境大臣意見では以下の内容について指摘している。
- (1)
- 発電効率を高く維持し、単位発電量当たりの二酸化炭素排出量をより一層低減すること。
- (2)
- 窒素酸化物の排出濃度をガスタービンとしては国内最低レベルに抑えるとしているが、この排出濃度を確保するため、発電設備及び排煙脱硝装置について、適正な運転管理に加え、維持管理を徹底すること。
- なお、事業者に対しては、経済産業大臣から、環境大臣意見を勘案した勧告がなされることとなる。
[環境大臣意見の内容]
1 温室効果ガス
本事業は、燃料として他の化石燃料と比べて二酸化炭素排出原単位の小さい天然ガスを使用するとともに、火力発電所としては現時点における最高レベルの発電効率を有する設備を採用するとしているが、大規模発電所であることから、低負荷運転を避けること等により発電効率を高く維持し、単位発電量当たりの二酸化炭素排出量をより一層低減すること。また、その旨を評価書に記載すること。
2 窒素酸化物
対象事業実施区域周辺は、二酸化窒素に係る環境基準が達成されていない地点があり、「大気汚染防止法」に基づく窒素酸化物に係る総量規制地域及び「自動車から排出される窒素酸化物及び粒子状物質の特定地域における総量の削減等に関する特別措置法」に基づく対策地域に指定され、これまで大気環境改善に向けた各種対策が長期にわたり集中的に講じられてきた地域であることから、このような地域において行われる本事業については、窒素酸化物による大気環境への影響をできる限り低減する必要がある。
このため、本事業は、発電設備に低NOx燃焼器を採用するとともに排ガスを排煙脱硝装置で処理することにより、窒素酸化物の排出濃度をガスタービンとしては国内最低レベルに抑えるとしているが、施設の維持・運用に当たってこの排出濃度を確保するため、発電設備及び排煙脱硝装置について、適正な運転管理に加え、維持管理を徹底すること。また、その旨を評価書に記載すること。
[参考]
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添付資料
- 連絡先
- 環境省総合環境政策局環境影響評価課環境影響審査室
室長 早水 輝好 (内6231)
審査官 中西 重二 (内6239)
TEL 03-3581-3351(代表)
03-5521-8237(直通)