報道発表資料

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2006年05月29日
  • 大気環境

都市緑地を活用した地域の熱環境改善構想の検討調査報告書について

環境省では、平成16年度より「都市緑地を活用した地域の熱環境改善構想検討会」において、大規模緑地を核としてその周辺の熱環境を改善する構想を、新宿御苑及びその周辺地域をモデルとして検討を進めてきました。この度、新宿御苑のクールアイランド効果に関する実測結果や将来市街地像の検討及びシミュレーションによる評価結果などを整理し、報告書として取りまとめましたので、公表します。今後は、地方公共団体などと連携し、ここで整理した考え方の普及や熱環境改善の取組促進を図ります。

1 報告書の概要

 都市公園などの都市内の大規模緑地は、周辺地域より気温が低いことが知られています。しかし、現実の都市では、緑地周辺に高い建物が建ち並び、近傍の道路も温度が高くなるなど、緑地からの冷涼な風を享受できる建物は限られています。そこで、環境省では、既存の大規模緑地である新宿御苑及びその周辺をモデルとして都市緑地を活用した地域の熱環境改善に関する検討を行いました。報告書では、大規模緑地からの良好な通風性の確保、建物などへの最大限の緑化などにより緑地のクールアイランド効果を最大限引き出すように設計した場合、夜間周辺の気温を暖めることのない街区が形成できるという試算結果が得られるなど、地域の熱環境改善の可能性を示しました。

2 報告書の構成

  1. 熱環境改善の考え方
  2. 新宿御苑及び周辺の熱環境特性
  3. 熱環境の改善に向けた課題と対策の方向性
  4. 将来市街地像の提案とその評価
  5. 熱環境改善構想実現に向けた人的基盤づくりの計画手法
  6. 今後の課題

3 調査の体制

 建築、都市計画、地理等の専門家などからなる「都市緑地を活用した地域の熱環境改善構想検討会」を設置し、調査研究結果などをもとにした助言をいただきました。検討会委員は下記の通りです(敬称略、役職名等は3月末現在)。

座長早稲田大学教授尾島 俊雄
委員首都大学東京教授三上 岳彦
委員東京工業大学教授梅干野 晃
委員早稲田大学客員教授 JFEスチール(株)特別顧問 小澤 一郎
委員東京農業大学教授近藤 三雄
委員武蔵工業大学教授宿谷 昌則
委員防衛大学校講師菅原 広史
委員一級建築士事務所オーガニックテーブル代表 善養寺 幸子
委員(株)チームネット代表取締役甲斐 徹郎
委員清水建設(株)環境ソリューション本部プロジェクトプランニング部副部長高木 史人
委員ジャーナリスト・環境カウンセラー NPO法人新宿環境活動ネット代表理事崎田 裕子

平成17年度都市緑地を活用した地域の熱環境改善構想の検討調査報告書(概要版)[PDF 1,233KB]

平成17年度都市緑地を活用した地域の熱環境改善構想の検討調査報告書(詳細版)

連絡先
環境省水・大気環境局大気環境課大気生活環境室
直通:03-5521-8300
 室長:内藤 克彦(内線6540)
 室長補佐:藤本 正典(内線6543)
 担当:高原、木村(内線6578)

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