報道発表資料
1.ガイドラインの背景・目的
ハロンは、消火性能に優れ人命への安全性も高いことから、ビルの消火設備等に広く用いられてきた。しかし、大気中に放出されるとオゾン層を破壊することが明らかとなったため、「オゾン層を破壊する物質に関するモントリオール議定書」において段階的に削減することが国際的に合意され、我が国においても平成6年から新たな生産等が禁止されている。
一方、過去に生産され、消火設備等に使用されているハロンについては、業界団体等により設立されたハロンバンク推進協議会(現特定非営利活動法人消防環境ネットワーク)において、設置状況の管理や、回収・再利用のための取組が行われている。今後、ハロン消火設備が設置された数多くのビル等が解体時期を迎えることに伴い、回収されるハロン量の増加が予想され、需要量が低調なまま推移すると、再利用されず余剰となるハロンが増加すると見込まれる。
環境省においては、不要となったハロンを破壊処理し、大気中への放出を防止する技術を確立するため、各種方式によるハロン破壊処理実験を実施し、ハロン破壊処理技術の実用可能性について検討してきた。
本ガイドラインは、上記の実験結果等に基づき、専門家からなる「ハロン破壊処理ガイドライン策定検討会」(別紙)の指導のもと、適切なハロンの破壊処理を実施するために必要な事項を取りまとめたものである。
今後、消火設備の製造・設置業者、点検・整備業者や実際の破壊処理を実施する事業者に周知し、ハロンの回収・破壊の取組の一層の推進と破壊処理技術の速やかな普及を図ることとしている。
2.ガイドラインの概要
ハロンの適正な破壊処理に資する技術として、以下の技術について適用に当たっての要件等を取りまとめた。
- [1]
- 廃棄物混焼法方式
- [2]
- セメント・石灰焼成炉混入法方式
- [3]
- 炉内分解型液中燃焼法方式
- [4]
過熱蒸気反応法方式
(2)破壊処理技術の要件
ハロンの破壊処理技術は、ハロンの分解効率が高く、運転管理が容易で安定した処理が実施でき、排ガス等の処理が確実に行える等の要件に適合することが必要とした。
(3)破壊処理の確認
ハロンの破壊処理の確認は、排ガス中のハロン濃度及び分解効率で確認するものとし、規定の条件を満たすことが必要とした。
(4)有害物質等に係る測定
破壊処理施設からの排ガス等が、それぞれの施設について法令等で規定される基準を満たしていることを確認し、特に、ハロンの破壊処理に伴って発生又は増加し得る項目については、少なくとも1年に一度測定を行うこととした。
(5)運転管理条件に係る計測・測定
それぞれの破壊処理技術における運転管理条件が満たされていることを確認するため、規定の項目について日常的に計測・測定を行うこととした。
それぞれの破壊処理技術について、満たすべき施設の選定条件や運転管理条件、ハロンの投入条件等を示した。
3.ガイドラインの入手方法
環境省ホームページからダウンロードが可能なほか、地方公共団体やフロン類破壊業者、ハロン消火設備に関係する業界団体等へ冊子を配布する。
添付資料
- 連絡先
- 環境省地球環境局(旧)環境保全対策課フロン等対策推進室
室長 榑林 茂夫(内6750)
補佐 松下 高志(内6751)
担当 西川 絢子(内6743)