報道発表資料

平成18年4月28日
水・土壌
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「水生生物の保全に係る排水規制等の在り方について」に係る中央環境審議会答申について

本日開催された中央環境審議会水環境部会(部会長:須藤隆一 東北工業大学客員教授)において、平成16年8月27日に環境大臣が諮問した「水生生物の保全に係る排水規制等の在り方について」に関し、報告が取りまとめられた。これを受けて、同日、中央環境審議会会長から環境大臣に対し、答申がなされた。
 環境省では、本答申を踏まえ、所要の措置を講じることとしている。

I.経緯

平成15年9月の中央環境審議会答申を踏まえ、同年11月に環境省告示により水生生物の保全に係る水質環境基準として、全亜鉛の環境基準が新たに設定された。
その後、平成16年8月の水環境部会において「水生生物の保全に係る環境基準に関する施策の重要事項について」が決定され、この中で「全亜鉛に係る環境管理施策については、水質汚濁防止法に基づく排水基準の設定等の施策を講じることが適当である。」こととされ、併せて、検討に際しての考え方や留意点が示された。これを踏まえ、同日、環境省は中央環境審議会に「水生生物の保全に係る排水規制等の在り方について」諮問を行い、水環境部会に設置された「水生生物保全排水規制等専門委員会」において検討が進められてきた。
平成18年4月25日に専門委員会報告がまとまり、本日開催された中央環境審議会水環境部会において専門委員会報告について審議され、「水生生物の保全に係る排水規制等の在り方について」の報告がまとまり、これを受けて中央環境審議会会長から環境大臣に対して答申がなされた。

II.答申の概要

 新たに水生生物の保全の観点から生活環境項目として設定された全亜鉛の環境基準の維持・達成を図るため、その超過が全国的にみられること、汚染の未然防止が必要であること及び亜鉛の排出源の業種が多岐にわたっていること等から一律排水基準の強化を行い、その基準値の設定に当たっては、亜鉛の特殊性を勘案したうえで、社会的、経済的、技術的観点等からの適用可能性に十分配慮することが適切であり、併せて補完的に企業の自主的な取組が重要であるとの観点から、以下のとおり結論を得た。

1.亜鉛の一律排水基準の設定の考え方

 亜鉛を含む排水に関する排水処理の技術水準や排水濃度の実態を踏まえ、一般的に用いられている排水処理技術で現実的に適用可能な濃度水準、諸外国における排水規制の動向、各自治体における上乗せ排水基準の適用状況等を総合的に勘案して設定。

2.新たな一律排水基準値

 2mg/l(現行は5mg/l)。なお、この排水基準は、1日当たりの平均的な排出水の量が 50m以上である特定事業場に適用するものとする。

3.暫定排水基準

 亜鉛の特殊性等を勘案し、一部の業種を対象に暫定排水基準を設定する。その基準値は現在の規制値である5mg/lとし、その適用期間は5年間とする。

○鉱山関連
  • 金属鉱業、非鉄金属第1次製錬・精製業、非鉄金属第2次製錬・精製業
○めっき、表面処理関連
  • 溶融めっき業、電気めっき業、表面処理鋼材製造業、建設用・建築用金属製品製造業(ただし、表面処理を行うものに限る。)
○無機化学関連
  • 無機顔料製造業、その他の無機化学工業製品製造業

4.企業の自主的な取組の重視

 排水基準の強化に加え、以下に示す事項を企業が積極的に行うことが有効である。

[1]
現状において比較的低濃度(1mg/l未満)で亜鉛を排出している特定事業場については、その維持に努める。
[2]
現状において比較的高濃度で亜鉛を排出している特定事業場については、排水処理施設の維持管理の徹底に加え、工程全体を考えた管理の徹底に努める。
[3]
その他、企業はより一層自主管理の徹底に努める。

5.今後の対応等

(1)暫定基準に関する今後の対応
[1]
国、地方自治体、産業界が一体となって、亜鉛の除去に主眼をおいた技術的指導等の仕組みづくりについて検討すべきである。
[2]
設備投資等に要する負担や工場等の排水濃度実態、適用可能な排水処理技術の開発の動向等を踏まえ、国においては暫定排水基準の検証・見直しに努めることが必要である。
(2)今後の課題
[1]
亜鉛を含む排出源は工場・事業場のみならず多岐にわたっているが、排出源とその寄与率、非特定汚濁源の影響、さらには亜鉛のマテリアルフローについては、十分に解明されたとは言い難いため、引き続き、国、地方自治体、産業界が一体となってそれらの解明に向けた調査検討に努めること。
[2]
今後とも水生生物に対する亜鉛の実環境中での影響に関する把握調査に努め、現在検討が進められているリスク評価等の国内外の研究状況を勘案して調査検討を進める必要があること。
[3]
非特定汚濁源については、亜鉛の用途が多岐にわたっているという特殊性から、その発生源を製品段階から削減すること等は現状では困難であるものの、水生生物の保全に係る亜鉛に対する総合的な対策としては、それらの可能性についても長期的な課題として視野に入れるべきであること。
[4]
国が主体となって技術的、政策的な支援、さらには官民一体となった取組に努めること。特に、金属鉱業等鉱害対策特別措置法に基づく休廃止鉱山の鉱害防止対策については、今後も引き続き計画的な事業の実施等に努めること。

6.連絡先

中央環境審議会水環境部会
水生生物保全排水規制等専門委員会事務局
環境省水・大気環境局水環境課
担当:村山・小谷・岡村
〒100-8975 東京都千代田区霞が関1−2−2
TEL:03-3581-3351(内線6629)
FAX:03-3501-2717
電子メール:mizu-kikaku@env.go.jp



【中央環境審議会答申】
水生生物の保全に係る排水規制等の在り方について(答申)

連絡先
環境省水・大気環境局水環境課
課長:紀村 英俊(6610)
 課長補佐:村山 雅昭(6615)
 担当:小谷 優佳(6629)
     岡村 貴晶(6634)

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