報道発表資料

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2006年04月14日
  • 地球環境

日露環境保護合同委員会第5回会合の結果について

日露環境保護合同委員会第5回会合が、4月12日(水)-13日(木)、東京で開催されました。会議では、日露両国の環境政策、地球環境問題への取組、地域的/二国間の枠組みの下での自然保護協力プログラム、日露環境保護協力計画のレビューと新たな計画の作成等について意見交換等を行いました。

1.日露環境保護合同委員会第5回会合

 1991年4月18日に署名された日ソ環境保護協力協定に基づいて開催されるもの。

2.日時・場所

 平成18年4月12日(水)-13日(木)、東京

3.出席者

<日本側> 団長:八木 毅 外務省欧州局審議官
環境省、外務省、農林水産省及び経済産業省の関係者
   
<ロシア側> 団長:A.イシコフ ロシア連邦天然資源省環境保護政策局長
ロシア連邦天然資源省及び在京ロシア大使館の関係者

4.結果概要

(1)日本及びロシアの環境政策に関する情報交換(鳥インフルエンザに関する情報交換を含む。)

[1]
日本側より、最近の我が国の環境政策の動きとして、脱温暖化社会の構築、循環型社会の構築、自然との共生の推進等を柱とした持続可能な開発を目指す施策及び新エネルギーの導入拡大について説明した。ロシア側は、ロシア国内における環境保護に関する法制度の整備について説明した。
[2]
両代表団は、鳥インフルエンザ対策に関連して、渡り鳥のモニタリングに関する両国の取組について説明するとともに、今後、日ソ渡り鳥条約の枠組み等の下で渡り鳥のモニタリングに関する情報及び意見交換を続けていくことを確認した。

(2)地球環境問題に関する協力

[1]
両代表団は、「持続可能な開発のための教育の10年(DESD)」に基づくそれぞれの国内での取組を紹介するとともに、持続可能な開発の達成における環境教育の役割の重要性にかんがみ、引き続きそれぞれの国内及び国際場裡でDESDを推進していくことを確認した。
[2]
両代表団は、森林保全及び違法伐採問題に関し情報及び意見交換を行った。特に、両代表団は、ロシアの極東・シベリアの森林の現状に関し、研究者等から報告を受け、それらの地球温暖化防止における重要性等にかんがみ、その保全に関する両国の具体的な協力のあり方について協議を開始することで一致した。

(3)地域的/二国間の枠組みの下での自然保護協力

[1]
両代表団は、海洋漂着ゴミ問題を含む北西太平洋地域海行動計画(NOWPAP)の枠内における協力及び東アジア酸性雨モニタリングネットワーク(EANET)の枠内での協力の一層の推進について情報及び意見交換を行った。
[2]
両代表団は、アムール川汚染問題の現状について情報交換を行った。ロシア側より、昨年11月に中国・吉林市で発生した化学工場の爆発事故の後にとられた対策、水質調査の結果及びアムール川のモニタリングについて報告があり、これまでのところ有害物質の濃度は、人及び水棲生物の健康や生命に悪影響を及ぼすような水準には達していないが、凍結、沈殿等の可能性もあるので引き続き調査し、結果に注意している旨説明があった。両代表団は、現在ロシア国内で行われているアムール川モニタリング・プログラムにおける日露協力のあり方につき協議していくことで一致した。
[3]
両代表団は、オホーツク海域の海鳥死骸漂着事件に関し情報交換を行った。日本側よりは、我が国における被害状況及びこれまでの調査の結果を説明するとともに、国内における関心の高さ及び懸念の強さをロシア側に伝えた。ロシア側は、日本側からの情報提供を受けて行った調査に基づき、サハリンの石油関連施設やタンカーではなく、同海域を通過した他のいずれかの船舶からの石油製品の流出が原因である可能性があるとの見方を示し、日本側への情報提供、調査のための日本側との協力の用意がある旨を表明した。両代表団は、本件の重要性についての認識を改めて確認するとともに、今後も緊密に情報交換等の協力を行うことで一致した。

(4)四島交流の枠内で実施された環境共同調査を踏まえた環境問題に関する意見交換

 両代表団は、2003年1月10日に両国首脳により採択された「日露行動計画」を踏まえ、択捉島、国後島、色丹島及び歯舞群島との四島交流の枠内で実施された環境共同調査に参加した日本人研究者より、四島の自然と生態系のつながり等について報告を受けた。両代表団は、引き続き日露双方の関心を考慮したこのような共同環境調査が行われることを支持した。

(5)京都議定書の実施に関する意見交換

 ロシア側より、京都議定書の実施のための国内法制度の整備状況について説明があった。日本側は、京都議定書に基づくクリーン開発メカニズム(CDM)及び共同実施(JI)に関する諸外国との作業の経験に関する情報を提供した。両代表団は、民間団体等によるJIプロジェクトを積極的に支持することを表明した。

(6)その他

 上記を含む環境保全の様々な分野において、前回会合(2003年6月、モスクワ)以来本委員会の枠組みの下で行われてきた日露環境保護協力プロジェクトの実施状況を総括するとともに、2006年から2007年にかけて同枠組みの下で行われるプロジェクトについて検討した。
 また、次回会合を2007年以降の双方にとって都合の良い時期にモスクワで開催することを決定した。

連絡先
環境省地球環境局総務課
課長:清水 康弘(6710)
 調査官:奥田 直久(6720)
 補佐:行木 美弥(6722)

関連情報

過去の報道発表資料

平成15年6月25日
日露環境保護合同委員会第4回会合の結果について