報道発表資料

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2006年03月24日
  • 自然環境

農林水産省と環境省の連携による「田んぼの生きもの調査2005」の結果について

平成13年度から農林水産省と環境省が連携して実施している「田んぼの生きもの調査」について、平成17年度の調査結果がまとまりましたのでお知らせします。
 本年度は、全国で530団体が参加し、311地区1848地点で魚・カエル調査が実施され、その結果、94種の魚及び17種のカエルが確認されました。

1.調査目的

 水田周辺水域の生態系の現状を把握するため、農林水産省が、行政機関だけでなく小学校やこどもエコクラブなどにも呼びかけ、平成13年度から全国の農業水路、一部のため池において生物生息調査を実施しており、環境省は調査技術や知見、分析について助言を行っています。

2.調査対象及び調査箇所数

調査対象種 魚・カエル  
調査地区 311地区 (平成16年度:329地区)
 ○ 魚調査   1848地点 (平成16年度:1922地点)
 ○ カエル調査   395地点 (平成16年度:429地点)

3.調査の方法

 環境省から、調査分析手法について農林水産省に助言・提案等。
 農林水産省が調査マニュアルを作成。 都道府県、市町村、土地改良区、小学校、こどもエコクラブ等に参加を呼びかけ。
 地方農政局、北海道開発局、沖縄総合事務局、参加団体等が調査を実施。
 農林水産省が調査結果を取りまとめ、環境省の「自然環境保全基礎調査(緑の国勢調査)」における全国分布情報との比較分析等を実施。環境省は分析等について助言。

4.調査機関

(1)実施機関

 地方農政局、北海道開発局、沖縄総合事務局、緑資源機構・・・計81機関(平成16年度:84機関)

(2)協力機関

 都道府県、市町村、土地改良区及び都道府県土地改良事業団体連合会・・・計296団体(平成16年度:201団体)
 小学校・こどもエコクラブ・地域住民等・・・計153団体(平成16年度:134団体)

地方農政局や都道府県等は出先事業(務)所を単位として集計

5.調査期間

 平成17年6月~10月

6.調査結果

(1)結果概要

 採捕された魚 20科94種 (我が国に生息する淡水魚は、亜種を含め約300種)
 採捕されたカエル 4科17種 (我が国に生息するカエルは、亜種を含め42種)
 多く採捕された魚      
   ドジョウ   473地点  
   タモロコ   239地点  
   モツゴ   221地点  
   ギンブナ   218地点  
   メダカ   195地点  
         
 多く採捕されたカエル      
   ニホンアマガエル   245地点  
   トノサマガエル   119地点  
   ヌマガエル   116地点  
   ツチガエル   54地点  
   トウキョウダルマガエル   51地点  

(2)分析

[1]
 希少種
 魚では、ホトケドジョウ(絶滅危惧IB類)やメダカ(絶滅危惧II類)など18種、カエルではナゴヤダルマガエル(絶滅危惧II類)1種、合計19種の希少種が採捕されました。(希少種=環境省が作成したレッドリストに挙げられている生物種)
 メダカに関して、自然環境保全基礎調査などの既知の分布情報(約10km四方の2次メッシュで827メッシュ)と重ね合わせた結果、今回新たに20メッシュがメダカの分布地域として確認されました。
[2]
 外来種
 魚では、オオクチバス、ブルーギル等12種、カエルでは、オオヒキガエル、ウシガエルの2種が採捕されました。

7.今後について

 環境省は平成18年度も農林水産省との連携を図り、本生物調査について調査・分析手法の助言・提案等を継続します。
 農林水産省と連携して、本調査への参加団体が増えるよう呼びかけを行います。

添付資料

連絡先
環境省自然環境局自然環境計画課
課長:阿部 宗広(6430)
 課長補佐:谷川 潔(6491)
 担当:高木 鉄哉(6476)

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