環境保護に関する南極条約議定書に基づきベルギーから送付された「南極ドロンニング・モード・ランドにおけるベルギーの新観測基地の建設及び運営に関する包括的環境影響評価書案」の公表及び意見の募集について

１．環境保護に関する南極条約議定書に基づく包括的環境評価書案について

　環境保護に関する南極条約議定書（以下「議定書」という。）は、南極の環境並びにこれに依存し及び関連する生態系を包括的に保護するため、1991年に採択され、1998年に発効しました。
　議定書では、南極条約地域（南緯60度以南の地域）におけるすべての活動について、環境への影響の程度に応じて環境評価を行うことが規定されており、活動の影響が軽微な又は一時的な影響を上回るおそれがあると判断された場合には、包括的環境評価書を作成することとされています。
　包括的な環境評価書案を作成した場合、当該締約国は、議定書附属書I第３条３に基づき、これを公表し、意見を求めるためにすべての締約国に送付することとされています。送付を受けた締約国は、これを自国民に対して公表する義務を負う一方、評価書案を作成した締約国に対して意見を送付することができます。
　その後、各締約国からの意見、南極条約協議国会議環境保護委員会の助言及び南極条約協議国会議（平成18年は6月にイギリスで開催予定。）において提出された意見を反映させた最終的な包括的環境影響評価書を作成した後、当該評価書に従い、実際の活動が実施されることとなります。

２．今般、ベルギーから送付された包括的環境影響評価書案の概要について

　今般、ベルギー政府から送付された、南極ドロンニング・モード・ランドにおける同国の新観測基地の建設及び運営に関する包括的環境影響評価書案の概要は以下のとおりです。

（１）表題

　南極ドロンニング・モード・ランドにおけるベルギーの新観測基地の建設及び運営に関する包括的環境影響評価書案

（２）作成者

　ベルギー連邦政府科学政策局・ベルギー国際極地財団

（３）当該活動の目的

　ドロンニング・モード・ランドのブレイド湾の棚氷上に1958年に建設され、1967年に閉鎖されたベルギーのロア・ボードワン基地に替わるものとして、南極地域における研　究観測の空白地帯となっている東経20～30度地域において、研究観測を実施するために、新たな基地を建設するもの。

（４）環境影響評価の対象となる活動

[1]南極における新観測基地の建設（2007年度に実施予定）、運営及び維持
[2]当該基地建設作業に必要な仮設野営場の建設、運営並びに人員及び物資の移動

（５）環境影響評価の概要

　本活動について、代替案を検討するとともに、大気、氷雪、野生生物等に対する影響　を予測、評価した結果、環境への影響は軽微又は一時的なものであり、これらの活動を　実施して差し支えないと結論。

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