報道発表資料
昨年のG8シーアイランド・サミットでの小泉総理の提案による「3Rイニシアティブ」を受け、本年4月に開催された3Rイニシアティブ閣僚会合において発表した「ゴミゼロ国際化行動計画」の着実な実施を図るため、中央環境審議会廃棄物・リサイクル部会に、「国際循環型社会形成と環境保全に関する専門委員会」(委員長:田中勝岡山大学大学院環境学研究科教授)が設置されました。
本専門委員会では、現在、アジア諸国の著しい経済発展等により、廃棄物等の国際的な移動の増大や、これに伴う環境破壊の拡大が懸念される中、アジア諸国、そして我が国の双方において環境と経済の好循環を実現する観点から、
- [1]
- 我が国の廃棄物・リサイクル政策における経験をアジア諸国に発信するとともに、
- [2]
アジア地域において環境保全上適正な資源循環を確保するための考え方・具体的な方策等について検討を行います。
なお、本専門委員会の第1回会合は、11月18日(金)、第2回会合は、11月25日(金)に開催致します。
1.設置の趣旨
我が国では、戦後の経済発展の中で近年に至るまで、「臭いものに蓋をする」廃棄物行政が続き、安かろう悪かろうの処理現場は「悪貨が良貨を駆逐する」状態となっていた結果、豊島の不法投棄に代表される深刻な事態が生じました。
このような反省に立ち、ここ十年来、廃棄物処理法の数度の改正による排出事業者責任の強化、各種リサイクル法の制定と拡大生産者責任の導入、さらには、循環型社会形成推進基本法の制定及びそれに基づく循環型社会形成推進基本計画の策定等を進め、循環型社会づくりの枠組みを形成するに至りました。このような取組は、未だ途上にあり課題も多いものの、着実に変革は進みつつあります。
こうした我が国の経験は、今後の著しい経済発展が膨大な廃棄物の発生やそれに伴う環境破壊の拡大を招きかねないアジア諸国の廃棄物・リサイクル政策のための貴重な財産となるものであり、我が国から積極的に発信していくことが重要と考えます。
また、アジアの資源循環の中の重要な位置を占める我が国が、こうした国内政策の強化を基盤とした上で、アジア地域内において環境保全の観点から適正な資源循環の確保に取り組むことは、地球規模の環境汚染の未然防止に大きく貢献することとなります。さらに、このような取組は、天然資源等の需給の逼迫が進む中で、廃棄物を含む循環資源の適正な輸出入や、産業の健全な発展を可能とするものであり、アジア諸国、そして我が国の双方において環境と経済の好循環をもたらすものです。
以上を踏まえ、本年4月の3Rイニシアティブ閣僚会合において我が国が発表した「ゴミゼロ国際化行動計画」の着実な実施に向け、我が国の経験を各国に発信するとともに、アジア地域において環境保全上適正な資源循環を確保するための具体的な方策を検討するため、中央環境審議会廃棄物・リサイクル部会に、「国際循環型社会形成と環境保全に関する専門委員会」が設置されました。
2.調査事項
- 日本の廃棄物管理・リサイクルにおける経験
- 中国や韓国等アジア諸国における廃棄物管理・リサイクルの現状と課題
- 国際的な資源循環の実態とその的確な把握方策
- 廃棄物等の性質に即した適正な国際的資源循環の考え方とその確保の枠組み等
3.メンバー構成
委員長 | 田中 勝 | 岡山大学大学院環境学研究科教授 |
委員 | 今井 千郎 | 国際協力機構国際協力専門員 |
委員 | 植田 和弘 | 京都大学大学院経済学研究科教授 |
委員 | 小島 道一 | 日本貿易振興機構アジア経済研究所研究員 |
委員 | 小早川光郎 | 東京大学大学院法学政治学研究科教授 |
委員 | 酒井 伸一 | 京都大学環境保全センター教授 |
委員 | 崎田 裕子 | ジャーナリスト・環境カウンセラー |
委員 | 谷口 正次 | 国連大学ゼロエミッションフォーラム理事 |
委員 | 武内 和彦 | 東京大学大学院農学生命科学研究科教授 |
委員 | 寺園 淳 | 国立環境研究所循環型社会推進・廃棄物研究センター主任研究員 |
委員 | 中島 康雄 | 三菱電機(株) リビング・デジタルメディア事業本部役員理事 副本部長 |
委員 | 細田 衛士 | 慶応大学経済学部教授 |
委員 | 森口 祐一 | 国立環境研究所循環型社会推進・廃棄物研究センター長 |
委員 | 山田 政雄 | 同和鉱業(株)執行役員、エコビジネス&リサイクルカンパニープレジデント |
4.開催予定
【第1回】
- (1)日時
- 平成17年11月18日(金) 10:00~
- (2)場所
- 環境省第1会議室
東京都千代田区霞が関1-2-2 - (3)議題
-
- ○
- 専門委員会の設置の趣旨と今後の検討事項について(その1)
- ○
- 我が国の廃棄物・リサイクル対策の取組について
- ○
-
その他
【第2回】
- (1)日時
- 平成17年11月25日(金) 16:30~
- (2)場所
-
全国町村議員会館
東京都千代田区一番町25番地 - (3)議題
-
- ○
- 我が国の廃棄物・リサイクル対策の取組について(その2)
- ○
-
その他
会議につきましては、下記のとおり傍聴者を募り、公開形式で開催します。
公開に関する具体的な取扱いは以下のとおりですので、傍聴を希望される方は、これに沿って必要な手続等を行ってください。
- (1)
- 傍聴希望者は、1回目11月17日(木)12:00(必着)までに、2回目11月21日(月)12:00(必着)までに開催回を明記した上で傍聴希望者ごとにFAX又は電子メールにより、住所、氏名、電話番号、傍聴券の送付先(FAX番号又は電子メールアドレス)、及び(差し支えなければ)所属を記入の上、環境省大臣官房廃棄物・リサイクル対策部企画課循環型社会推進室までお申し込みください。
(傍聴申込み・問い合わせ先)
環境省大臣官房廃棄物・リサイクル対策部企画課
循環型社会推進室内
中央環境審議会廃棄物・リサイクル部会事務局
担当 藤本、松井
電話 : 03-3581-3351(内線6819)
FAX : 03-3593-8262
電子メール:junkan@env.go.jp
- (2)
- 本部会の傍聴が可能な人数は20名です。傍聴希望者数がこれを上回った場合、傍聴希望者の中から抽選により、傍聴できる方を選定することといたします。
- (3)
- 傍聴の可否につきましては、傍聴券を御指定いただいた送付先(FAX番号又は電子メールアドレス)にお送りいたしますので、当日必ずお持ちくださるようお願いいたします。
- ※
- 傍聴者は、別紙に掲げる事項を遵守してください。遵守されない場合には、退場いただく場合があります。
添付資料
- 連絡先
- 環境省大臣官房廃棄物・リサイクル対策部企画課
課長 森本 英香 (内線6811)
補佐 島村 知亨 (内線6820)
担当 藤本 順也 (内線6819)