平成17年9月16日
総合政策

平成16年度「環境にやさしい企業行動調査」の結果について

環境省では、平成3年度から継続している「環境にやさしい企業行動調査」の平成16年度の結果を取りまとめました。
 調査結果によると、環境に関する具体的な目標を設定し、その目標を達成するための具体的な行動計画の策定など環境マネジメントへの取組状況や、環境報告書等を通じた環境に関するデータや取組等についての情報の公開状況などが着実に進展しているなど、今日の経済状況下においても、企業の自主的、積極的な環境への取組が進展していることが示されていました。
 特に、ISO14001については、事業の一部でも認証取得している企業の割合は高くなってきましたが、これを全社全事業における認証取得でみるとまだ低いものの増加傾向にあり、今後の増加がうかがえます。
なお、本年度調査から、調査の趣旨を変えないように設問内容を見直し、設問数、選択枝を減らすなどして、回答しやすいものにしました。

1.調査の内容

(1)
調査期間

 平成17年4月12日 〜 平成17年5月30日

(2)
調査対象
・東京、大阪及び名古屋証券取引所1部及び2部上場企業
 2,630社
・従業員500人以上の非上場企業及び事業所
 3,753社
・合計
 6,383社
(3)
有効回答数
・東京、大阪及び名古屋証券取引所1部及び2部上場企業
 1,127社(42.9%)
・従業員500人以上の非上場企業及び事業所
 1,397社(37.2%)
・合計
 2,524社(39.5%)

2.調査結果の概要(詳細については別添資料参照

(1)

 環境への取組と企業活動のあり方については、「最も重要な戦略の一つ」と考えている企業等が27.5%となり、平成15年度の21.0%に比べ6.5ポイント増加しています。また、「ビジネスチャンスである」と考えている企業等は、6.9%ですが増加の傾向にあります。

(2)

 環境格付けについては、「諸外国では環境面等での企業選別が行われているので日本でも必要」と回答した企業等の割合が46.8%と最も高く、次いで、「企業ブランドが確立しうるので必要」と回答した企業等の割合が29.5%となっています。「必要」と回答した企業等をあわせると76.3%となり、平成15年度の65.5%と比べると、その関心の高さがうかがえます。

(3)

 取引先の選定に当たり環境に配慮した事業活動を考慮するかについては、「選定基準は設けていないが考慮はしている」と回答した企業等が44.0%と最も多く、「選定基準を設けて考慮している」が20.5%、「今後、考慮する予定」が16.8%となっています。
 また、「現在のところ考慮する予定はない」と回答した企業等は17.7%となっています。

(4)

 グリーン購入については、「グリーン購入を考慮している」と回答した企業等が57.4%、「グリーン購入について検討中」との回答が24.9%となっています。
 また、「グリーン購入を考慮している」と回答した1,448社がどのようにグリーン購入を実施しているかについては、「ガイドライン又はリスト等を作成し、選定している」と回答した企業等が、45.7%と最も多く、「業界団体等で作成したガイドライン等を活用し選定している」が16.9%となっています。

(5)

 環境に関するデータ、取組等の環境情報の公開状況については、「一般に公開している」と回答した企業等が47.4%と最も多く、平成15年度の39.7%に比べ7.7ポイント増加しており、経年で見ても増加傾向にあります。
 また、環境報告書を作成している企業数も平成16年度には作成公表している企業が31.7%、801社となっています。さらに、136社が来年度作成予定としており、今後も増加が見込まれます。

(6)

 環境会計の導入状況については、「既に導入している」と回答した企業等が28.2%と、平成15年度の23.6%に比べ4.6ポイント増加しています。また、「導入を検討している」企業等も17.4%と、同じく平成15年度の13.8%に比べ3.6ポイント増加していることから、今後も増加が見込まれます。

(7)

 CSR(Corporate Social Responsibility:企業の社会的責任)については、「意識した企業経営を行っている」との回答が49.7%と、半数近い企業が既に取り組んでいます。次いで「実施に向けて現在検討している」との回答が35.5%となっており、関心の高さがうかがえます。

(8)

 環境ビジネスについては、「既に事業展開をしている、又はサービス・商品等の提供を行っている」と回答した企業が41.6%、「今後、事業展開の予定」との回答が5.2%、「今後取り組みたい」との回答が19.5%となっており、環境ビジネスに対する関心の高さがうかがえます。

(9)

 地球温暖化防止対策については、「実際に地球温暖化防止のための取組を行っている」が49.6%と最も高く、次いで「方針は定めていないが、取組は行っている」が31.2%となっており、約80%の企業が何らかの取組を行っていることから、地球温暖化防止対策が進展しつつあるといえます。

(10)

 地球温暖化防止のための環境税の導入については、「環境税の導入に賛成」との回答が8.4%あり、「どちらかといえば導入に賛成」の29.2%とあわせると「賛成」と回答した割合は37.6%となっています。一方、「わからない」との回答も14.3%となっています。
 また、環境税の使途としては、「温暖化対策のために使うべき」との回答が61.9%となっており、最も高い割合となっています。

(11)

 国内排出量取引制度については、「導入に賛成」と回答した企業等が6.7%、「内容次第ではあるが導入に賛成」が33.2%となっており、「賛成」と回答した企業等が39.9%となっています。一方、「賛成でも反対でもない」と回答した企業等は41.1%となっています。

連絡先
環境省総合環境政策局環境経済課
課長:鎌形 浩史(6260)
 補佐:尾崎 葉子(6258)
 担当:澤  知宏(6252)