平成16年12月28日
再生循環

産業廃棄物の不法投棄の状況(平成15年度)について

平成15年度に新たに確認された産業廃棄物の不法投棄(廃棄物の処理及び清掃に関する法律(昭和45年法律第137号)第16条に違反する行為。以下同じ。)の状況について、全国の都道府県及び保健所設置市に対し調査を行い、その結果を取りまとめましたので、お知らせします。

1 不法投棄の件数及び投棄量

(1)
 不法投棄件数で見ると、15年度は894件で前年度に引き続き減少した。
(2)
 不法投棄量で見ると、74.5万トンとなり、平成5年度の調査開始以来最大となった。このうちの76.1%に当たる56.7万トンは、平成16年3月に摘発された岐阜市における事案によるものである。なお、同事案を除くと17.8万トンとなる。
(「1.不法投棄件数及び投棄量」、「2.投棄規模別投棄件数」及び「参考集計」参照)
 平成15年度新規発覚事案については、岐阜市事案の影響が極めて大きいため、以下においては、岐阜市事案を含めた場合と除いた場合の両方のデータにより概観する。

2 不法投棄の規模

(1)
 不法投棄件数で見ると、投棄量5,000トン以上の大規模事案は4事案で全体件数の1%に満たない。
(2)
 不法投棄量で見ると、投棄量5,000トン以上の大規模事案は62.3万トンで、全体量の84%を占める。なお、岐阜市事案を除くと、投棄量5,000トン以上の事案は5.6万トンで全体量の31%となる。
(「2.投棄規模別投棄件数」、「3.投棄規模別投棄量」及び「参考集計」参照)

3 不法投棄の実行者

(1)
 不法投棄件数で見ると、排出事業者によるものが全体の41%、投棄者不明が39%であった。
(2)
 不法投棄量で見ると、許可処理業者によるものが全体の80%、排出事業者が10%、無許可業者が7%であった。なお、岐阜市事案(許可業者による)を除くと、排出事業者41%、無許可業者28%、許可処理業者14%となる。
(「4.不法投棄実行者の内訳」及び「参考集計」参照)

4 不法投棄廃棄物の種類

(1)
 不法投棄件数で見ると、建設廃棄物が70%(14年度は70%)、廃プラスチック類が9%、金属くずが4%であった。
(2)
 不法投棄量で見ると、建設廃棄物が94%であった。なお、岐阜市事案(全量が建設廃棄物)を除くと、建設廃棄物は75%となる。
(「5.不法投棄廃棄物の種類」及び「参考集計」参照)

5 生活環境保全上の支障除去等の状況

(1)
 15年度に新たに確認された不法投棄事案のうち、15年度中に支障除去等に着手されたものは、全不法投棄件数894件のうち538件(60%)、全不法投棄量74.5万トンのうち12.8万トン(17%)であった。
(2)
 なお、岐阜市事案を除くと、15年度中に支障除去等に着手されたものは、全不法投棄量17.8万トンのうち12.8万トン(72%)となり、この割合は例年並みとなる。
(「6.支障除去等の状況」及び「参考集計」参照」)

参考

  1. 調査方法
     環境省から都道府県及び保健所設置市に対し調査依頼。(平成16年9月調査)
  2. 調査内容
     不法投棄の件数及び量、投棄実行者、投棄廃棄物の種類、支障除去等の状況
  3. 調査対象
     平成15年度において、都道府県及び保健所設置市が新たに把握した不法投棄事案のうち、硫酸ピッチ事案を除いた1件当たりの投棄量が10トン以上の事案を対象。なお、特別管理産業廃棄物を含む事案については、投棄量が10トン未満のものを含め全ての事案を対象。
  4. その他
     産業廃棄物の不法投棄事案とそれ以外の不適正処分(廃棄物処理法第12条第1項、第12条の2第1項違反)を加えた不法投棄等事案は、平成15年度に1,341件、89.1万トン発生している。不法投棄等事案の詳細については「平成16年度不法投棄等産業廃棄物の残存量調査の結果について」を参照のこと。

添付資料

連絡先
環境省大臣官房廃棄物・リサイクル対策部産業廃棄物課適正処理・不法投棄対策室
室長   :橋詰 博樹(内線 6881)
 室長補佐:野尻 智治(内線 6883)
 担当   :伊藤 隆晃(内線 6889)
 担当   :内田 順己(内線 6889)