報道発表資料

平成10年10月6日 この記事を印刷

平成8年度大気汚染に係る環境保健サーベイランス調査報告について

 環境庁では、平成8年度を初年度として、大気汚染に係る環境保健サーベイランス調査を開始した。今般、全国34自治体の36地域において、約7万7千人の3歳児を対象とした平成8年度調査の集計・解析作業が終了した。  
その結果、大気汚染物質(NO2、NOX、SO2及びSPM)及び呼吸器症状への影響が推測される大気汚染物質以外の要因(アレルギー素因、受動喫煙、ペットの有無等)が、どの程度ぜん息の発生率を高めるかについて行った検討では、NO210ppbあたり1.05、NOX 10ppbあたり1.03、SO2 10ppbあたり1.02SPM 10μg/m3あたり1.04のオッズ比*が観察されたが、統計学的に有意とは言えず、大気汚染物質濃度の濃淡とぜん息の発生率との関係については、明確な結論が得られなかった。                 
 なお、性差(オッズ比 1.82)及びアレルギー素因(オッズ比 2.79(本人)、1.90(親))において比較的大きなオッズ比が観察され、統計学的にも有意であることから、この二つの要因がぜん息の発生率を高めることは明らかであったまた、調査票に記載された住所から個々の対象児ごとに推定した大気汚染物質濃度(対象者別背景濃度)と呼吸器症状(ぜん息、ぜん鳴等)との間には、全濃度区分を通して一定の傾向はみられなかった。            
 呼吸器症状有症率の地域間における比較検討では、対象者別背景濃度の地域ごとの平均値とその地域における呼吸器症状有症率との間には、濃度の高い地域ほど有症率が高い(統計学的に有意)という傾向を示すものはなかった。 
 平成8年度の調査による結果では、大気汚染物質と呼吸器症状との関連について、必ずしも明確な結論が得られなかったが、現状の大気汚染状況下における性差及びアレルギー素因の呼吸器症状に及ぼす影響がきわめて大きいと考えられることや、長期にわたる変動傾向からの判断が重要であるとの認識から、今後、年次ごとの相違を観察することにより、これらを明らかにすることが可能になるものと考えられる。                      
 環境庁としては、初年度となる本調査報告以降においても、引き続き調査を実施 し、継続的なデータの収集を行うとともに、経年的な動向についても解析を行うこととしている。

*オッズ比:二つの群におけるリスク(疾患等の発生する確率:オッズ)の比を表す。
例) ある疾患について、男と女のオッズ比が1より大きければ、その疾患の発生率が女に比べ男が大きいことを示す。

平成8年度大気汚染に係る環境保健サーベイランス調査報告
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連絡先
環境庁企画調整局環境保健部保健企画課保健業務室
室  長 :佐藤 裕道(6320)
 主  査 :江野 英夫(6327)

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