報道発表資料

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2003年12月17日
  • 保健対策

「第2回東アジアPOPsモニタリングワークショップ」の成果について

11月28日に開催についてお知らせいたしました「第2回東アジアPOPsモニタリングワークショップ」(つくば国際会議場(茨城県つくば市))が、平成15年12月14~15日に開催され、以下の成果が得られましたのでお知らせいたします。

1.開催状況

(1) 開催日時、場所
   平成15年12月14日(日)及び15日(月)
 つくば国際会議場(茨城県つくば市)

(2) 議題
  残留性有機汚染物質に関するストックホルム条約(POPs条約)の有効性評価をサポートするグローバルPOPsモニタリング計画について
  東アジア諸国におけるPOPsモニタリングの在り方等

(3) 参加者
   Dr. Bo Jansson(国連環境計画POPs地球規模モニタリング計画専門家)
 Mr. Laurent Granier(地球環境ファシリティPOPsプログラムマネージャー)
 東アジア地域10ケ国(我が国のほか、インドネシア、韓国、カンボジア、シンガポール、中国、フィリピン、タイ、ベトナム、マレーシア)の専門家または行政官等



2.結果
 次のとおり議長総括(Chairman's Summary)をとりまとめた。

(1)  第2回東アジアPOPsモニタリングワークショップが、2003年12月14日から15日つくば市において開催された。会議は日本の環境省と国立環境研究所が主催し、東アジア地域の10ヶ国から参加者があり、うち韓国、日本、フィリピン、マレーシアから環境モニタリングの専門家及び行政官、インドネシア、カンボジア、タイ及びシンガポールから行政官、中国及びベトナムから専門家が参加した。また、国連環境計画(UNEP)POPs地球規模モニタリング計画専門家、地球環境ファシリティ(GEF)POPs担当者及びUNEP/GEF残留性毒性化学物質計画から専門家が参加した。
 
(2)  国立環境研究所森田研究統括官から、POPs問題における地域協力の重要性についての開催挨拶があった。
 
(3)  参加者は、2003年3月に開催され、INC7に報告された国連環境計画の全地球規模POPsモニタリングワークショップの結果について内容を理解するとともに、2004年3月までに専門家によってまとめられるPOPsモニタリングの暫定ガイドラインの情報を得た。

 

(4) 参加者は、東アジア地域POPsモニタリング戦略について、国連環境計画の全地球規模POPsモニタリングワークショップでの課題である以下の項目の議論を行い、環境中におけるPOPsの濃度の情報の必要性を認識するとともにデータの欠損を埋めるために更なる努力をしていくべきであることに同意した。
  1) 検体の対象(媒体、生物種、場所及び採取方法等)
  2) 分析対象物質と分析技術
  3) QA/QCとデータ処理
  4) データコミュニケーション

(5)  参加者は、東アジア地域POPsモニタリング戦略の議論の結果に基づき、地域における今後の取り組みを議論した。日本の環境省は、参加各国の協力が得られれば、地域モニタリングとして、大気を媒体とした試行的取り組みを2004年中に開始するために、大気サンプリングを含む技術的な協力、地域内における各国のバックグラウンド地点からのデータの精度管理や検証を含む取り扱いについて支援する用意があることを表明した。参加者は、日本の環境省の提案を歓迎し、この活動に可能な協力をしていくことに同意した。韓国は、POPsモニタリングの国及び地域レベルの活動に関するインフォメーションウェアハウスに貢献する用意があることを表明した。参加者はデータの公開に際しては、参加国の開示意志と透明性の両方が重要であることを認識した。参加者は提案された活動の詳細は、第1回ワークショップで設置することが合意された専門家グループにより更に議論していくことを決めた。
 
(6)  参加者は、専門家グループの活動としては、サンプルの場所と生物種の基準作りやバイオアッセイの情報収集等が考えられること、専門家を選ぶ際には、他の国際機関の活動に参加する専門家が参考になること、POPs条約の締約国会議(COP)を含むいくつかの要因をもとに地域は整理されるべきであることを議論した。
 
(7)  参加者は、東アジア諸国における地域POPsモニタリングを推進するに当たり、資金及び技術の確保が重要な事項であり、国際機関等との協力の必要があることを再認識した。参加者は、この地域における国連大学(UNU)の活動がキャパシティービルディングのよい事例になることを確認した。
 
(8)  参加者は、このワークショップの成果がPOPs条約のCOP1やUNEPケミカルズを含む関係する国際機関に報告されるべきであることに合意した。
 
(9)  参加者は、地域内の国に関連のある様々な状況を考慮し、東アジア地域に合った環境モニタリングのための体制を創設することにより、地域間協力を引き続き促進するべきであることを勧告した。
 
(10)  参加者は、第3回目のワークショップにおいて、東アジア地域のPOPsモニタリングを設計していくための更なる議論がされるべきであることに合意した。日本の環境省と国立環境研究所は、次回のワークショップを主催することを表明した。
 
(11) 参加者は、国連環境計画ケミカルズ地球環境ファシリティ及びUNEP/GEF残留性毒性化学物質計画からの出席者に対し、感謝の意を表明した。また、参加者はこのワークショップの開催に日本の環境省と国立環境研究所が大きく貢献したことに対し、感謝の意を表明した。
連絡先
環境省総合環境政策局環境保健部環境安全課
課長  :安達 一彦
 課長補佐:荒木 真一(6353)
 専門官 :行木 美弥(6360)
 専門官 :中嶋 徳弥(6361)