報道発表資料

平成9年3月13日 この記事を印刷

平成8年度 「環境にやさしいライフスタイル実態調査」の調査結果について

本調査(平成8年度調査:平成8年12月〜9年1月実施)は、環境基本計画に掲げる「国民の役割」に沿った国民の環境保全に関する取組状況等を把握するため、前回調査(平成7年度調査:平成8年1月〜2月実施)に引き続き実施したもの。
 今回調査は、前回調査に、環境保全行動を行う非営利的な民間団体への参加に関する質問等を追加し、全国の20歳以上の男女から無作為抽出した4,000人に対して行った(有効回答数は1,220人)。

調査結果の概要は以下のとおり。
1.  環境の状況が「悪化している」と実感している人の割合が前回調査と比べ増加し、地球レベルの環境に関しては、75%が「悪化」と実感している。
2.  関心の高い環境問題は、「廃棄物やリサイクルの問題」「世界的な森林の減少」「オゾン層の破壊」など。
3.  環境問題に対する考え方についてみると、前回同様、地球環境問題への各国の協力の必要性、環境教育の必要性、大量消費・大量廃棄型の生活様式の見直しなどに9割以上の人が賛同した。環境アセスメントの法制化には7割以上、経済的措置の導入には6割以上の人が賛同している。
4.  日常生活における各人の環境保全行動の実態についてみると、
実行率が高かったのは、
* 「台所で、食用油や食べかすを排水口から流さないようにしている」(79%)
* 「ゴミは地域のルールに従ってきちんと分別して出すようにしている」(91%)
* 「自動車を使用する際には、不要なアイドリング、空ぶかし、急発進などをしないようにしている」(88%)など
 実行率が低かったのは、
* 「地球にやさしいエコマーク等のついた商品を購入することを心がけている」(24%)
* 「買い物には、買い物袋を持参している」(18%)など
5.  環境保全活動を行う非営利的な民間団体(環境保護団体)に参加している人の割合は5%であった。
6.  環境に良い行動を行っていると自己評価した人の割合は66%、一歩進んで、環境に良いと思う行動を他人に勧めている人の割合は29%に留まっており、ともに前回調査より低下している。
7.  各種の環境情報について、概ね7割以上の人が欲している。環境情報の主な入手経路は、テレビ、新聞である。
8.  環境基本計画を知っている人の割合は41%、気候変動枠組条約第3回締約国会議(COP3)を知っている人の割合は11%であった。
 また、環境行政について不満を持つ人の割合は前回調査よりわずかに低下し46%であった。

I. アンケートの目的及び実施状況

  1. 目的
     平成6年12月に閣議決定された「環境基本計画」においては、環境政策の長期的目標の一つとして、公平な役割分担の下で、あらゆる主体が自主的積極的に環境保全に関する行動に参加する社会の実現を掲げ、この目標を達成するために期待される各主体の役割の一つとして、「国民の役割」を掲げている。本調査は、「国民の役割」に沿った国民の取組の状況を把握し、環境基本計画の効果的実施を図るための基礎資料を得ることを目的に、前回調査(平成7年度調査)(平成8年1月12日〜2月16日)に引き続き実施したものである。
     
  2. 実施状況
     全国20歳以上の男女4,000人を無作為抽出し、平成8年12月9日〜平成9年1月21日にかけて、郵送によりアンケート調査を実施した。
     回答者は1,220人、回答率は、30.5%であった。

II.集計結果の概要

  1. 環境の状況について(問1)
     環境の状況についての実感を尋ねたところ、地域レベル(自分の住まいとその周辺、自治体)は、「良くなっている」「やや良くなっている」と実感している人の割合が31%であったのに対し、「悪化している」「やや悪化している」と実感している人の割合は41%であった。
     一方、国レベル(日本全体)の環境の状況については、「悪化している」「やや悪化している」と実感している人の割合が62%、地球レベル(世界全体)では75%を占めている。
    これを前回調査と比較してみると、それぞれ「良くなっている」に大きな変化はないが、特に国や地域レベルで、「悪化している」と実感している人の割合が増加している。
     
  2. 関心のある環境問題について(問2−1)
     現在関心のある環境問題を選択してもらった(複数選択可)ところ、今回調査において選択率の高かった環境問題は、「廃棄物やリサイクルの問題」(選択した人の割合 65%)、「世界的な森林の減少」(57%)、「オゾン層の破壊」(56%)、「自動車・工場などによる大気汚染」(49%)、「日本における自然の減少」(今回から調査49%)などである。
     前回調査と比較すると、「地球温暖化」や「砂漠化」等に対する関心の割合が低下し、「廃棄物やリサイクル」「自動車、鉄道、工場などによる騒音振動」等への関心の割合が増加している。
     
  3. 環境問題に対する考え方についての意見(問3)
     様々な環境問題についての考え方について、4段階評価で賛成・反対を尋ねたところ、9割以上の人々が肯定的な意見を持っていたのは、「地球環境問題の解決は各国が協力して取組む必要がある」「次世代を担う子どもが環境保全について理解を深めるための教育が必要」「大量消費・大量廃棄型の生活様式を改めるべきだ」「将来の世代の環境が心配である」「将来のことを考えて使い捨てはやめるべきだ」であった。
     「環境に関する情報を様々な媒体でもっと提供して欲しい」は、82%、「環境アセスメントは、環境問題の未然防止のために重要であり、法制化が必要である」は、75%、「環境に係わる税やデポジット制度などの経済的負担を課す措置は、環境負荷の低減につながるため導入に賛成だ」は、64%、「家庭からのゴミ収集は、その排出量に応じて処理のために必要となる手数料を徴収されても仕方がない」は、63%が賛成であった。
     前回調査と比較して、大きな変化はみられなかった。
     
  4. 環境保全行動の実態(問4−1)
     環境基本計画に期待される「国民の役割」として掲げられた取組について例をあげながら、現在どの程度行っているかを尋ねた結果は以下の通り。
     
    {1}  自然の体験等自ら学習に努める訪問地での環境配慮は定着しているが、「余暇には、自然とふれあうように心がけている」の実行率(4段階の回答のうち、「いつも行っている」「だいたい行っている」の合計)は42%にとどまっている。前回調査と比較すると、大きな変化がみられない。
     
    {2}  日常生活に伴う環境への負荷の低減分類別にみると、「再生紙等負荷の少ない製品等の選択」の実行率が比較的低くなっている。この傾向は前回調査と同様である。
     細目別にみると、特に実行率が高かったのは、
    * 「台所で、食用油や食べかすを排水口から流さないようにしている」(79%)
    * 「ゴミは地域のルールに従ってきちんと分別して出すようにしている」(91%)
    * 「自動車を使用する際には、不要なアイドリング、空ぶかし、急発進などをしないようにしている」(88%)などである。
     また、実行率が50%前後のものとしては、
    * 「洗剤使用の適正化に努めている」(59%)
    * 「日常生活においてできるだけゴミを出さないようにしている」(59%)
    * 「使い捨て商品はなるだけ買わないようにしている」(44%)
    * 「省エネルギー型の家庭電化製品を選択して購入している」(51%)などがある。
     一方、実行率が低かったのは、
    * 「地球にやさしいエコマーク等のついた商品を購入することを心がけている」(24%)
    * 「買い物には買い物袋を持参している」(18%)
    * 「不用品をバザー、フリーマーケット、ガレージセール等のリサイクルに回している」(26%)などである。
     なお、前回調査と比較すると、
    * 「再生紙などのリサイクル商品を購入している」(今回38%←前回44%)
    * 「買い物の時過剰な包装は断っている」(38%←43%)
    * 「日常生活の節電に気を付けている」(66%←71%)などの実行率が低下し、
    * 「物は修理して長く使うようにしている」(今回65%←前回63%)
    * 「新聞、雑誌は古紙回収に回している」(今回79%←前回77%)
    * 「自動車を使用する際には、不要なアイドリング、空ふかし、急発進をしない」(今回88%←前回87%)
     などの実行率が増加している。
     
    {3} 環境保全活動への参加
     地域のリサイクル活動、美化活動、緑化活動への参加や、民間団体への支援を通じた地域環境保全への取組への参加についての実行率は、前回と同様、今回も30%に満たない状況であった。
     
    {4} 国、地方公共団体が実施する環境保全施策に協力
       実行率は21%で、前回と変化はない。
     
  5. 環境保全に関する活動を行う団体への参加(問5)
     環境保全に関する活動を行う非営利的な民間団体(環境保護団体)に参加している割合は5%である。
     その内訳は、「講演や講習会に出席」(39%)、「メンバーとしての活動」(37%)、「金銭やモノの寄付」(32%)となっている。
     
  6. 環境保全行動についての自己評価(問9)
     環境保全行動全般に関して自己評価(4段階評価)を行ってもらった結果、「自分のできる範囲で環境に対して良い行動を行っていますか」との設問に「良く行っている」「まあ行っている」と回答した人の割合は66%あった。さらに、一歩進んで「環境保全に対して良いと思うことを人に勧めたり、広めたりしていますか」との設問に「良く行っている」「まあ行っている」と回答した人の割合は、29%に留まった。
     前回調査と比較すると、環境に良い行動、良いことを勧めたり広めたりする行動の両方について、実施率は低下している(前回調査ではそれぞれ74%, 34%)
     性別で見ると、男性に比べて女性は積極的であり、年代別では50代、60代で積極的である一方、20代が低率であるのは、前回調査と同様の傾向である。
     
  7. 環境情報の接触状況と入手経路(問7,問8)
     様々な種類の環境情報について4段階に分けて接触状況を尋ねたところ、「接していて十分である」との回答が1割を超えた環境に関する情報は1つもない。どの項目についても、概ね7割以上が「接しているがもっと欲しい」「接していないので欲しい」と回答している。
     前回調査と比較すると、環境情報を「欲しい」(「接しているがもっと欲しい」「接していないので欲しい」)の比率は全ての項目で低下しており、「環境問題が生活に及ぼす影響」「地球環境問題」の項目で顕著である。
     
    これらの情報の入手経路については、TV、新聞からの入手が多く、自発的な参加活動からの入手は相対的に少ない。
     
  8. 国の取組に対する知識と評価
     環境問題に対する国の取組の例として「環境の日」(6月5日)と「環境基本計画」をあげ、その認知状況を尋ねたところ、「環境の日」を知っていると答えた人の割合は16%、「環境基本計画」の内容を知っていると答えた人の割合は6%、「名前だけは知っている」をあわせても4割という状況であった。
     前回調査と比較すると、環境の日、環境基本計画ともわずかに認知度が低下している。これは、今回、無回答率が高かったため、低下したものと考えられるが、いずれにしても認知度が上がっているとは言えない。
     
     一方、「気候変動に関する国際連合枠組条約第3回締約国会議(COP3)」を知っている人は1%、聞いたことがある人は9%と低かった。
     
     また、国や地方自治体の環境行政に対しての満足度を4段階に分けて尋ねたところ、「満足している」人は13%で、「あまり満足していない」「満足していない」人は46%を占めた。
     前回調査と比較して、大きな変化はみられなかった。

 
*図表割愛。

連絡先
環境庁企画調整局環境計画課
課長   :一方井 誠治 (6220)
 計画官  :太田  進  (6227)
 課長補佐 :植田  明浩 (6228)
 担当   :田中 、久野 (6224)

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