報道発表資料

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2001年06月28日
  • 再生循環

廃家電製品の不法投棄の状況等について

本年4月から施行されている特定家庭用機器再商品化法(家電リサイクル法)に関して、施行前後の廃家電の不法投棄の状況等を把握するため、全国の市区町村を対象に調査を行い、調査結果(速報値)を取りまとめましたので、お知らせします。
 調査期間は平成13年6月6日~15日で、ほぼ全数の3,249自治体から回答がありました。
1.施行前後の不法投棄の変化について
 
   今回の調査では、家電リサイクル法の施行前から廃家電製品の不法投棄に関するデータを有していることが確認された自治体は市区123、町111、村38の合計272(4月調査時点では86自治体)であり、これらの自治体について施行前後の不法投棄の状況を整理すると以下のとおりであった。
 
 (1) 自治体ごとの家電4品目の不法投棄の状況について
 
   平成12年度と平成13年度との比較ができた272自治体について、家電4品目(エアコン、テレビ、冷蔵庫、洗濯機)ごとに平成12年4月から5月までの累計と平成13年4月から5月までの累計との比較で不法投棄台数の増減した自治体数をみると(別添資料の1.(1)参照)、4品目の合計では増加した自治体が144(52.9%)、変化のなかった自治体が79(29.0%)、減少した自治体が49(18.1%)であった。品目ごとにみると、エアコンが増加68、変化なし175、減少28、テレビが増加129、変化なし101、減少41、冷蔵庫が増加90、変化なし130、減少52、洗濯機が増加89、変化なし128、減少54であった。

 品目ごとに不法投棄台数の増減数ごとの自治体の割合をみると(別添資料の1.(2)参照)、エアコンで±5台以内が239自治体(88.2%)、±10台以内が255自治体(94.1%)、テレビで±5台以内が196自治体(72.3%)、±10台以内が217自治体(80.1%)、冷蔵庫で±5台以内が229自治体(84.2%)、±10台以内が244自治体(89.7%)、洗濯機で±5台以内が230自治体(84.9%)、±10台以内が253自治体(93.4%)であり、4月調査に引き続き、増減の台数がひと桁である自治体が大半であった。
 
(2) 不法投棄台数の変化について
   平成13年4月及び5月の家電4品目の不法投棄台数については、272自治体全体で(別添資料の1.(3)参照)、エアコンが4月で370台、平成13年5月で337台、テレビが4月で1,819台、5月で1,371台、冷蔵庫が4月で704台、5月で544台、洗濯機が4月で548台、5月で445台で、4品目合計では4月で3,441台、5月で2,697台であった。
 また、この不法投棄の台数を人口10万人あたりに換算すると、エアコンが4月で1.4台、5月で1.3台、テレビが4月で6.8台、5月で5.2台、冷蔵庫が4月で2.6台、5月で2.0台、洗濯機が4月で2.1台、5月で1.7台、4品目合計では4月で12.9台、5月で10.1台であった。
 
 272自治体における平成13年4月及び5月の家電4品目の累計不法投棄台数(別添資料の1.(3)参照)を平成12年4月から5月までの累計台数と比較すると、エアコンが10台減少、テレビが1,250台増加、冷蔵庫が226台増加、洗濯機が118台増加、合計1,584台の増加であった。
 
 
注) 272自治体の人口の合計は約2,661万人(総人口の約20%)。また、平成13年4月から5月までに全国の家電の指定引取場所へ持ち込まれた廃家電の台数は約84万台であり、人口10万人あたりでは約680台となる。
 
  日本の総人口約1億2,300万人
 
 
2.施行後の不法投棄の状況等について
 
(1) 不法投棄台数等の変化について
 
   今回の調査において回答のあった3,249自治体のうち、平成13年4月及び5月の両月とも不法投棄台数のデータを有している1,847自治体について、4品目ごとに平成13年4月と5月との比較で不法投棄台数の増減した自治体数をみると(別添資料の2.(1)参照)、4品目の合計では増加した自治体が605(32.8%)、変化のなかった自治体が540(29.2%)、減少した自治体が702(38.0%)であった。品目ごとにみると、エアコンが増加221、変化なし1,391、減少235、テレビが増加520、変化なし724、減少603、冷蔵庫が増加390、変化なし1,009、減少448、洗濯機が増加365、変化なし1,080、減少402であった。

 家電4品目ごとに不法投棄台数の変化を見ると(別添資料の2.(2)参照)、エアコンが4月で1,780台、5月で1,884台、テレビが4月で7,232台、5月で5,898台、冷蔵庫が4月で
3,044台、5月で2,438台、洗濯機が4月で2,351台、5月で1,946台、4品目合計でそれぞれ14,407台と12,166台であった。
 また、この不法投棄の台数を人口10万人あたりに換算すると、エアコンが4月で1.8台、5月で1.9台、テレビが4月で7.1台、5月で5.8台、冷蔵庫が4月で3.0台、5月で2.4台、洗濯機が4月で2.3台、5月で1.9台、4品目合計で4月で14.2台、5月で12.0台であった。
 なお、1,847自治体の人口の合計は約10,125万人(総人口の約80%)であった。
 
(2) 不法投棄場所について
 
   4月及び5月の少なくともいずれかの月において不法投棄のあったと回答のあった1,946自治体に対して、どのような場所に不法投棄されたのか問うたところ(別添資料の2.(3)参照)、ステーション等のごみ収集場所(876自治体、45%)、道路上、道路高架下等の公道(786自治体、40%)、民有地以外の山林、田畑等(730自治体、38%)、河川敷等の河川用地内(509自治体、26%)という回答が多かった。
 
(3) 不法投棄対策について
 
   不法投棄の未然防止のための対策を講じていると回答のあった2,237自治体に対して、どのような対策なのか問うたところ(別添資料の2.(4)参照)、職員または委託業者による巡回監視、パトロール(1,670自治体、75%)、ポスター、チラシ、看板等による普及啓発(1,318自治体、59%)、町内会など住民との連携による監視、通報体制の構築(868自治体、39%)という回答が多かった。
 
3.今後の対応について
 
   全体としては、不法投棄された廃家電の台数が増加している自治体がある一方で減少している自治体もあること、不法投棄台数の増減が前年と比較してひとケタ以内の自治体が大半であること、また、今年の5月の不法投棄台数は、4月に比べて減少した一方で、昨年度同期との比較では増加していること、さらに施行後2ヶ月の状況であることなどから、不法投棄の動向について判断するに当たっては引き続き実態を把握していく必要があるものと考えられる。

 廃家電の不法投棄を防止する観点からは、法律の趣旨及び消費者を含む関係者の役割分担について国民の理解と協力を求めていくことが何よりも重要であり、既に1万人以上の見学者を受け入れている家電リサイクルプラントの見学や地域ごとの説明会の開催等今後とも普及啓発に努めていくとともに、家電リサイクル法のマニフェスト制度、地方自治体による対応の強化、廃棄物処理法の厳正な運用等により、不法投棄の防止に努めていくこととしている。
 

資料はこちら

添付資料

連絡先
環境省大臣官房廃棄物・リサイクル対策部企画課リサイクル推進室
室   長:長門利明(内線6831)
 室長補佐:那須  基(内線6834)
 担   当:星  克憲(内線6836)
 

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