平成26年11月28日
総合政策

(仮称)住田遠野風力発電事業に係る計画段階環境配慮書に対する環境大臣意見の提出について(お知らせ)

 環境省は、28日、岩手県で計画されている「(仮称)住田遠野風力発電事業に係る計画段階環境配慮書」(株式会社グリーンパワーインベストメント)に対する環境大臣意見を経済産業大臣に提出した。
本事業は、岩手県遠野市及び住田町において、最大で総出力100,000kWの風力発電所を設置するものである。
 環境大臣意見では、騒音等や風車の影に係る影響を回避、低減すること、猛禽類や渡り鳥等の鳥類への重大な影響を回避すること、既存道路等を活用することで改変を最小限にすること等を求めている。
  1. 背景

    環境影響評価法及び電気事業法は、出力10,000kW以上の風力発電所の設置又は変更の工事を対象事業としており、環境大臣は、提出された計画段階環境配慮書(※)について、経済産業大臣からの照会に対して意見を言うことができるとされている。

    今後、経済産業大臣から事業者である株式会社グリーンパワーインベストメントに対して、環境大臣意見を勘案した意見が述べられ、事業者は、意見の内容を検討した上で事業計画を決定し、事業段階の環境影響評価(環境影響評価方法書、準備書、評価書)を行うこととなる。

    ※計画段階環境配慮書:配置・構造又は位置・規模に係る事業の計画段階において、重大な環境影響の回避・低減についての評価を記載した文書。

  2. 事業の概要

    本事業は、岩手県遠野市及び住田町において、最大で総出力100,000kWの風力発電設備を設置するものである。事業実施想定区域及びその周辺では、イヌワシやクマタカ等の希少猛禽類等の重要な動物の生息が確認されている。

    また、事業実施想定区域内には小規模の林道はあるものの、それら既存道路の拡幅や新たな取付道路の敷設等が想定されている。

  3. 環境大臣意見の概要
    • (1)騒音等の影響

      事業実施想定区域の周辺には、住居等が存在し、工事中及び供用時における環境影響が懸念されることから、これら住居等から可能な限り離隔すること等により、影響を回避又は極力低減すること。

    • (2)風車の影の影響

      事業実施想定区域の周辺には、住居等が存在しており、環境影響が懸念されることから、これら住居等から可能な限り離隔すること等により、影響を回避又は極力低減すること。

    • (3)鳥類に対する影響

      事業実施想定区域及びその周辺では、イヌワシ、クマタカ等の猛禽類等の重要な動物の生息が確認されていることから、調査及び予測を行い、専門家等からの助言を踏まえた上で、影響を評価し、反映すること。

    • (4)生態系に対する影響

      沢筋等から距離を確保するとともに、土工量を抑制し、土砂の流出等を最小限に抑えること等により、影響を回避又は極力低減すること。

    • (5)生態系に対する影響

      できる限り既存道路や無立木地等を活用することで、改変を最小限に留め、改変部分については、極力、地域の在来種(郷土種)による早期の緑化を計画すること。

    • (6)発生土の影響

      既存道路の拡幅面積の最小化や既存道路の有効活用による道路新設の最小化等により発生土の発生量を極力抑制するよう計画すること。また、土砂収支の均衡に努め、残土は場外処分場へ搬出することを基本とすること。

    【参考】
    ○事業概要
    • 名称:(仮称)住田遠野風力発電事業
    • 事業者:株式会社グリーンパワーインベストメント
    • 計画位置:岩手県遠野市及び住田町(事業実施想定区域面積:約619ha)
    • 出力:最大100,000kW(2,500 kW級 発電設備 40基程度)
    ○環境影響評価に係る手続
    • 平成26年10月14日  経済産業大臣から環境大臣への意見照会
    • 平成26年11月28日  環境大臣から経済産業大臣に意見提出

添付資料

連絡先
環境省総合環境政策局環境影響審査室
室長  :神谷 洋一(内6231)
室長補佐:相澤 寛史(内6233)
審査官 :田中 友之(内6236)
担当  :具志堅洋介(内6232)
電話  :03-3581-3351(代表)
     03-5521-8237(直通)