報道発表資料

平成11年12月16日 この記事を印刷

平成11年光化学大気汚染の概要 −緊急時発令状況、被害届出状況−

環境庁は、光化学オキシダント注意報等の発令状況、光化学大気汚染によると思わ れる被害届出状況について、毎年、その発生のおそれのある4〜10月の間を対象に、 全国の都道府県からその状況の報告を求め、取りまとめている。
  平成11年の光化学オキシダント注意報の発令延日数(都道府県単位での発令日の 全国集計値)は、100 日であり、昨年の 135 日と比べ、35 日減少した。光化学オキ シダントの濃度は、気象条件等に大きく影響されるため、年により大きく増減する が、過去 10 年間でみると本年は少ない方から4番目であった。
  また、平成 11 年の光化学大気汚染によると思われる被害届出人数は、402 人で あり、昨年の 1,270 人と比べ、868 人減少した。被害届出人数についても、年ごと の増減が著しいが、過去 10 年間でみると本年は多い方から4番目であった。
  環境庁では、関東地域において、大気汚染物質広域監視システム(PAPION) を運用し、地域内の各都県に光化学オキシダントの濃度予測等の情報提供を行って きたところである。今後も引き続き、大気汚染物質の広域的な監視を実施するととも に、大気汚染防止法、自動車NOx法等に基づき、光化学オキシダント生成の原因 物質である窒素酸化物、炭化水素類の一層の削減等に努めていくこととしている。

1.注意報等発令状況

 平成 11 年においては、19 都府県で光化学オキシダントに係る注意報の発令が あり、その延日数は 100 日であった(表−1)。これは昨年の 135 日( 22 都府県) より 35 日減少した。光化学オキシダントの濃度は、気象条件等に大きく影響される ため、年により大きく増減するが、過去 10 年間でみると、本年は少ない方から4番目 であった(表−2、図−1)。
 ブロック別では東京湾ブロック(1都6県)が 60 日で全体の 60 %を占めた。 都道府県別では、埼玉県が 18 日で最も多く、次いで茨城県及び大阪府が 11 日、 栃木県及び千葉県が9日、兵庫県が7日と続いていた。また、月別では6月が もっとも多く 27 日、9月(21日)、5月(19日)の順であった。本年は、平成元年 以来 10 年ぶりに 10 月に注意報の発令があった(表−1、図−2)。
 なお、本年は警報の発令はなかった。

2.被害届出状況

 平成 11 年の光化学大気汚染によると思われる被害については、6府県で届出が あった。その人数は合計 402 人で、昨年の 1,270 人(9都府県)より 868 人減少 した。被害届出人数についても、注意報発令延日数と同様、年により大きく増減する が、過去10年間でみると、本年は多い方から4番目であった(表−2)。
  月別に見ると、7月に集中しており、この月は 393 人で全体の 98 %を占めた。 そのうちでも8日は兵庫県で 209 人、9日は大阪府で 161 人と集中して発生し、 この2日間だけで全体の 92 %を占めた(表−3)。
  集団被害発生(20人以上)は、兵庫県で 209 人等4件(総数 391 人)であった。 集団 被害届出人数は被害届出人数の 97 %を占めた。
  被害届出の内訳を見ると、全体のうち中学生が 60 %、小学生が 38 %を占めた。また、その多くは屋外での運動中に発生した。
  被害症状としては、眼及びのどに関する症状が多く、静養やうがい等によって回復 した。

3.今後の対策

 環境庁としては、引き続き、大気汚染物質広域監視システム(PAPION)を 活用し、大気汚染物質の広域的な監視を実施するとともに、大気汚染防止法、 自動車NOx法等に基づき、光化学オキシダント生成の原因物質である窒素酸化物、 炭化水素類の一層の削減等に努めていくこととしている。

(参考)

1.光化学オキシダントの発生機構

 光化学オキシダントは、工場や自動車から排出される窒素酸化物及び炭化水素類を 主体とする一次汚染物質が、太陽光線の照射を受けて光化学反応を起こすことにより 発生する二次的な汚染物質である。日差しが強く、気温が高く、風が弱い日等に 高濃度になりやすい。

注)

「注意報等」: 注意報及び警報をいう。
「注意報」: 光化学オキシダント濃度の1時間値が 0.12 ppm 以上で、 気象条件からみてその状態が継続すると認められる場合に、 大気汚染防止法第 23 条第1項の規定により発令される。
「警報」: 各都道府県等が独自に要綱等で定めているもので、一般的には、 光化学オキシダント濃度の1時間値が 0.24 ppm 以上で、 気象条件からみてその状態が継続すると認められる場合に 発令される。
「延日数」: 都道府県を一つの単位として注意報等の発令日数を集計したもの であり、同一日に同一都道府県内の複数の発令区域で注意報等が 発令されても、当該都道府県での発令は1日として数える。

2.緊急時の措置の概要

 大気汚染防止法においては、光化学オキシダントの濃度が高くなり、被害が生ずる おそれがあるときは、都道府県知事等が注意報を発令し、報道、教育機関等を通じて、 住民、工場・事業場等に対して情報の周知徹底を迅速に行うこととなっている。また、 この際、光化学オキシダントの原因物質である窒素酸化物及び炭化水素類の排出削減の ため、工場・事業場等に対しては、ばい煙排出量の削減について、自動車の使用者に対 しては運転の自主的制限について、それぞれ協力を求めることとなっている。

3.大気汚染物質広域監視システム(PAPION)

 関東地域(1都7県)を対象として、平成8年6月より運用を開始したシステムで、 気温、風向・風速等の気象データ及び大気汚染常時監視局で測定されたオキシダント、 窒素酸化物、浮遊粒子状物質等の大気環境データをリアルタイムで収集・配信するとと もに、光化学オキシダント等の濃度の前日・当日予測を行うものである。



添付資料

連絡先
環境庁大気保全局企画課広域大気管理室
室 長 :一瀬 壽幸  内6560
 補 佐 :太田 志津子 内6562
 担 当 :小梶 登志明 内6564
      (直通 03-5521-8291)

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