報道発表資料
フォーラムには、30数カ国から政策決定者、実務者、研究者、一般市民等合計約600名が出席し、気候変動適応に関するテーマについて活発な議論が行われました。
1. フォーラム概要
気候変動への適応については、IPCCの第5次評価報告書においても、気候変動による自然及び人間システムへの影響が現れている事などが示された。また、世界各地でも豪雨、地滑り、竜巻、台風など深刻な影響が発生しており、気候変動の影響による対応は世界の全ての地域において喫緊の課題となる等、対応が必須となっている。
本フォーラムでは、「レジリエントな開発に向けた新たなパートナーシップ」をテーマとし、以下のテーマを議論することを目的に開催された。
- 主流化と革新的な変化
- 開発と食糧・水・エネルギーの関連
- 災害リスク軽減と人間の安全保障
- 森林、生物多様性、生態系の変化
- 沿岸開発と海面上昇 等
- 日時:
- 2014年10月1日(水)-3 日(金)
- 会場:
- マレーシア・クアラルンプール プトラ・ワールドトレードセンター
- 主催:
- アジア太平洋適応ネットワーク(APAN)
- 共催:
- マレーシア首相府科学顧問室、マレーシア国立大学東南アジア防災研究所(SEADPRI-UKM)
- 協力:
- 環境省、国連環境計画(UNEP)、アジア開発銀行(ADB)、 (公財)地球環境戦略研究機関(IGES)、アジア太平洋地域資源センター(RRC.AP)、ストックホルム環境研究所(SEI)他
- テーマ:
- レジリエントな開発に向けた新たなパートナーシップ
2. 出席者
アジア太平洋地域を中心に30数カ国から、政策決定者、実務者、研究者、NGO 等約600人が参加した。
環境省からは、関地球環境審議官が冒頭に挨拶を行い、日本国が第1回目から支援を行ってきている同フォーラムがアジア太平洋地域における気候変動適応を議論する場として定着・成長していること、2020年以降の気候変動の枠組について、適応が重要な柱になること等を述べた。また、「アセアンにおける気候変動適応の主流化」のセッションでは、先月開催された国連気候変動サミットにて安倍総理から発表された「適応イニシアティブ」により、我が国は途上国において適応計画の策定や実施を支援し、国際的ネットワークを活用して人材育成を行い適応の主流化に貢献していくこと等を述べた。
日本からは、環境省、独立行政法人国際協力機構(JICA)、中央大学、東京大学、IGES、国立環境研究所を始め民間企業からも専門家がパネラーとして参加し、討論に貢献した。
適応と緩和の統合の観点からは、「低炭素・気候レジリエント社会:適応と緩和の統合」のテーマ下、環境省が支援する低炭素社会国際研究ネットワーク(LCS-RNet)との合同セッションも開催された。更に、「気候変動に関する政府間パネル(IPCC)第5次評価報告書(AR5)の反映」のテーマの下、最新の科学的な知見に基づいた適応策のあり方についての議論や、アジア太平洋地球変動研究ネットワーク(APN)の適応フレームワークで実施中の研究紹介が行われたほか、世界適応ネットワーク(GAN)を通じてアジア太平洋の知見を域外の関係者と共有する重要性についても議論が行われた。
3. 主な成果
アジア太平洋地域をはじめとする30数カ国からの政策決定者、実務者、研究者、援助団体等が集まり総勢約150名による発表が行われた。それらを踏まえた主な成果の概要は以下の通りである。
[1]多くの国や機関が気候変動に対する適応について、その主流化や社会開発との統合的な展開を目指しており、その課題を解決する方法は存在するが、その共有が必要である。このために、本フォーラムはアジア太平洋地域の知見を直接的に共有する貴重な機会として、貴重な機会となっている。
[2]その中で、本フォーラムでは、適応主流化に向けた適応計画のあり方、適応と緩和の統合によるシナジーやコベネフィット、生態系を活用した適応策、水・食料・エネルギーの関連、民間セクターとの連携等、適応に関する幅広いテーマについて議論を行い、知見や情報の共有がなされた。
[3]また、スリランカ政府より2016年に次回のアジア太平洋気候変動適応フォーラムをホストしたいとの意思表明があった。
(了)
- 連絡先
- 環境省地球環境局総務課研究調査室
代表:03-3581-3351
直通:03-5521-8247
室 長:竹本 明生 (内線 6730)
専門官:星野 ゆう子(内線 6735)