平成26年7月24日
総合政策

(仮称)横浜町雲雀平風力発電事業に係る環境影響評価準備書に対する環境大臣意見の提出について(お知らせ)

 環境省は、24日、青森県で実施予定の「(仮称)横浜町雲雀平風力発電事業」(くろしお風力発電株式会社)に係る環境影響評価準備書に対する環境大臣意見を経済産業大臣に提出した。
 本事業は、総出力32,200kWの風力発電所を青森県横浜町及び野辺地町に設置するものである。
 環境大臣意見では、施設の色彩等については周辺施設等と調和した景観とすること、騒音等及び猛禽類等の調査を実施し、その結果を周辺の風力発電事業者と共有し、協働して地域全体の効果的な環境保全措置を講じること等を求めている。

1.背景
 環境影響評価法及び電気事業法は、出力10,000kw以上の風力発電所の設置又は変更の工事を対象事業としており、環境大臣は、事業者から提出された環境影響評価準備書(※)について、経済産業大臣からの照会に対して経済産業大臣に意見を言うことができるとされている。
 本件は、くろしお風力発電株式会社の「(仮称)横浜町雲雀平風力発電事業」に係る環境影響評価準備書について、この手続に沿って意見を提出するものである。
 今後、事業者は、環境大臣及び関係自治体の長の意見を受けた経済産業大臣勧告を踏まえ、法に基づく環境影響評価書の作成等の手続が求められる。

 ※環境影響評価準備書:環境影響評価の結果について環境の保全の見地からの意見を聴くための準備として、調査、予測及び評価、環境保全対策の検討を実施した結果等を示し、環境の保全に関する事業者自らの考え方を取りまとめた文書。

2.事業の概要
 本事業は、青森県横浜町及び野辺地町に、総出力32,200 kW(2,300kW×14基)の風力発電所を新設するものである。
 本事業の対象事業実施区域及びその周辺には、ノスリ等の猛禽類やヤマシャクヤク等の重要な植物の生息・生育が確認されているほか、多くの風力発電所が設置済み・計画中である。

3.環境大臣意見の概要
(1)総論
 1) 事後調査又は環境監視を適切に実施し、その結果を踏まえ、追加的な環境保全措置を講じること。

 2) 追加的な環境保全措置の具体化に当たっては、内容が十全なものとなるよう客観的かつ科学的に検討すること。また、検討のスケジュールや方法、専門家等の助言、主要な論点及びその対応方針等を公開し、透明性及び客観性を確保すること。

 3) 調査の結果については、環境影響を分析し、環境保全措置の検討経緯、内容、効果及び不確実性の程度について報告書として取りまとめ、公表すること。

 4) 周辺の風力発電事業者と協働して、本事業の事後調査及び環境監視の結果の共有、実行可能な範囲で共同調査の実施等を行い、地域全体の効果的な環境保全措置の検討を行い、追加的な環境保全措置を講じること。

(2)各論
 1) 騒音等について
 より低騒音型の設備を採用されているか検証すること。また、事後調査の結果を周辺の風力発電事業者と共有し、適切な環境保全措置を講じること。

 2) 水環境について
 側溝及び沈砂池等の設置等の環境保全措置を講じること。

 3) 動物について
 調査結果やこれまでの解析結果を踏まえ、要すれば風力発電設備の配置や構造の変更等を検討し実施すること。また、鳥類の誘引が確認された場合等、環境保全措置について検討し実施すること。あわせて、死亡個体等の確認を高い頻度で実施し、原因分析及び救命を行うため、関係機関と連絡調整、個体の搬送、原因分析への協力を行うこと。

 4) 植物について
 風力発電設備、沈砂池等の配置等を決定する際には、生育環境への影響を回避すること。また、やむを得ず伐採する場合には、工事終了後に植生回復すること。

 5) 景観について
 風力発電設備の色彩、明度等については、周辺の風力発電所や自然景観等と調和した景観となるよう検討すること。

4.その他
 本件は、「発電所設置の際の環境アセスメントの迅速化等に関する連絡会議中間報告」(平成24年11月27日、環境省・経済産業省)に基づき、審査期間の短縮に取り組むこととした案件である。

【参考】

○事業概要
・名 称 (仮称)横浜町雲雀平風力発電事業
・事 業 者 くろしお風力発電株式会社
・計画位置 青森県横浜町雲雀平及び野辺地町 各地内
・出  力 32,200 kW(2,300kW×14基)

○環境影響評価手続(環境影響評価法及び電気事業法に基づく手続)
【方法書の手続】
・縦覧          平成24年5月31日~平成24年7月2日(住民意見3件)
・経済産業大臣勧告 平成24年11月30日
【準備書の手続】
・縦覧          平成26年3月10日~平成26年4月9日(住民意見23件)
・青森県知事意見提出 平成26年7月23日
・環境大臣意見提出  平成26年7月24日

添付資料

連絡先
環境省総合環境政策局環境影響審査室
(代表:03-3581-3351)
(直通:03-5521-8237)
室  長:神谷 洋一(内6231)
室長補佐:長谷川敬洋(内6233)
審 査 官:江口 恒夫(内6248)