平成26年4月25日
保健対策

平成26年春のスギ・ヒノキ花粉の飛散状況及び終息時期について

 環境省が実施している調査研究で報告された、スギ・ヒノキ花粉の今シーズンの飛散量及び終息時期は以下のとおりです。
1.今シーズンのスギ・ヒノキ花粉の総飛散量は、例年や昨シーズンと比較して少ない地域が多くなりましたが、九州及び四国地方など一部では非常に多い地域が見られました。

2.スギ花粉の現時点の飛散量は、北陸、甲信及び関東地方でやや多い状態になっていますが、減少傾向にあります。スギ花粉の飛散の終息時期については、九州、四国、近畿及び東海地方では、一部、既に終息している地域があり、その他の地域もまもなく終息する見込みです。北陸、甲信及び関東地方では、北陸地方は4月下旬、甲信及び関東地方では5月上旬には終息すると予測されます。また、東北地方でも5月上旬には終息すると予測されます。

3.ヒノキ花粉の現時点の飛散量は、やや多い又は多い状態になっていますが、減少傾向にあります。ヒノキ花粉の飛散の終息時期については、近畿から九州地方にかけては4月下旬には終息する見込みです。東海、北陸、甲信、関東及び東北地方でも5月上旬には終息すると予測されます。

1.概 要

  環境省では、花粉症に関する調査研究の一環(※1)として、平成16年度から花粉飛散予測に関する調査研究を行っています。

  これまで、平成26年春のスギ・ヒノキ花粉の飛散状況については、その予測を平成25年12月、平成26年1月及び2月に公表しましたが、今般、当該研究において、平成26年春における各地のスギ・ヒノキ花粉の飛散状況及び花粉飛散の終息時期について取りまとめました。内容は以下のとおりです。

※1 平成26年度花粉症に関する調査・検討業務(請負先;NPO法人花粉情報協会)

2.スギ・ヒノキ花粉の飛散状況(別紙1、2、3)

 平成26年4月18日現在での今シーズンのスギ・ヒノキ花粉総飛散量は、例年や昨シーズンと比較して、少ない地域が多くなりましたが、九州及び四国地方など一部では非常に多い地域が見られました。また、全体の5割以上の地域で花粉症に対し十分な注意が必要とされる基準(2,000個/cm2)を超えています。

 今シーズンは西日本を中心に1月下旬は記録的な高温になり、2月上旬前半も平年に比較して高温になったために、花粉の飛散が例年より早まりました。西日本では2月上旬から花粉の多い状態が続いたために、花粉量が例年よりかなり多くなりましたが、東北から関東甲信地方では2月に2回の記録的な大雪があり、2月中旬以降の花粉飛散は東日本を中心に少なめになりました。東日本以西では概ね飛散のピークを越えましたが、今後も関東地方北部から東北地方を中心に花粉の飛散がやや多い状況が続くと見込まれます。

(1)スギ花粉の飛散状況

 今シーズンのスギ花粉の飛散開始(※2)は1月下旬の記録的な高温により、関東南部から西では予測より早く、1月末から2月上旬に飛散が始まりました。その後、2月上旬後半から中旬にかけて2週に続いて記録的な大雪になり、スギ林の気温が上昇しにくくなったために、そのほかの地方は逆に予測よりやや遅くなりました。

 例年と比較すると北海道、関東南部から西の太平洋側、中国地方西部、四国及び九州地方では8日から19日も早くなっており、記録的に早い飛散開始となりました。その他の地方は逆に例年より4日から11日遅くなりました。また、平成25年と比較すると、例年値と同じように北海道、関東から西の太平洋側及び中国地方西部から九州地方にかけては、2日から12日早くなりましたが、そのほかの地方は8日から18日遅くなった地域が多くなりました。1月末からの高温の影響を受けた地域とその後の大雪の影響を受けた地域との間で際立った差が出ています。

 スギ花粉の飛散ピークは、東北北部、関東、北陸、近畿及び中国地方で予測よりやや遅くなりましたが、東北南部、甲信地方、東海、四国及び九州地方では予測と同じ時期になりました。

 4月18日までの各地におけるスギ・ヒノキ花粉の飛散状況は近畿地方から西では次第に減少していますが、まだ一部でやや多い状況です。東海から関東地方にかけてはやや多い地域がかなり多く、東北地方では多い、または非常に多い飛散となっています。スギ花粉は4月下旬には終息する地域が多くなる見込みです。※3

※2 この場合の飛散開始とは、ダーラム法による観測方法で、1日あたり1個/cm2以上の花粉が連続2日以上観測されることを示します。また、飛散開始日とはこの2日のうち最初の日を言います。

※3 終息とは飛散終了近くの初めて連続3日間0個/cm2が続いた最初の日の前日を示します。

(2)ヒノキ花粉の飛散状況

 今シーズンのヒノキ花粉の飛散は、長崎県で2月下旬に始まりました。そのほかの九州、四国及び中国地方並びに関東地方南部では3月中旬、東海及び甲信地方、関東地方北部並びに東北地方では3月下旬に飛散開始となりました。東日本から西日本では例年より5日から10日程度遅い飛散開始となっています。

 また、飛散のピークはほぼ例年並みで、九州、中国及び四国地方は3月下旬、近畿、東海、北陸及び関東地方が4月上旬、甲信及び東北地方では4月中旬です。

 4月上旬のヒノキ花粉の飛散状況は、九州から近畿地方にかけては非常に多いまたは多いというレベルですが、傾向としては減少に向かっています。関東及び東海地方は多い又はやや多いというレベルの地域が多く、北陸及び東北地方ではもともとヒノキ花粉が少ないために、やや多い又は少ないとなっています。


3.スギ・ヒノキ花粉の終息時期(別紙3)

 花粉飛散の終息時期の予測は、[1]昨年12月に実施した花粉総飛散量の予測値に対する現在までの累積飛散量の程度、[2]これまでの気象状況(特に降雨・降雪の状況)、[3]気象庁の季節予報を入力値とした雄花開花モデルから計算される開花状態と花粉残量の予測結果から実施するものです。

(1)スギ花粉の終息時期

 スギ花粉の飛散は東海から九州地方にかけては、かなり減少しており、4月下旬までには終息する地域が多いでしょう。また、北陸地方でも4月下旬に終息する見込みです。一方、大雪の影響を受けた関東、甲信及び東北地方は例年よりやや遅く5月上旬になる見込みです。

(2)ヒノキ花粉の終息時期

 ヒノキ花粉の飛散については、九州、四国、中国及び近畿地方では4月下旬に終息する見込みです。また、東海、北陸、甲信、関東及び東北地方では5月上旬には終息すると予測されます。ヒノキ花粉の終息は各地ともほぼ例年並みになる見込みです。


※東北地方北部:青森県、岩手県、秋田県

  東北地方南部:宮城県、山形県、福島県

  関東地方北部:茨城県、栃木県、群馬県

  関東地方南部:埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県

  甲信地方:長野県、山梨県

  北陸地方:新潟県、富山県、石川県、福井県

  

<留意事項>

 スギ・ヒノキ花粉飛散が終息するとともに、イネ科花粉が飛散し始めると考えられます。長期間花粉症の症状が続く場合には、イネ科花粉症など他の花粉症やその他のアレルギー疾患の可能性があります。症状が強い場合には、医療機関にご相談ください。

<関連情報>

環境省ホームページ http://www.env.go.jp/chemi/anzen/kafun/ 

NPO花粉情報協会ホームページ http://www.pollen-net.com/welcome.html

添付資料

連絡先
環境省総合環境政策局環境保健部環境安全課
直通:03-5521-8261
代表:03-3581-3351
課 長  牧谷 邦昭(内6350)
主 査  加藤 拓馬(内6365)