平成26年2月6日
保健対策 総合政策

平成25年度水俣病経験の普及啓発セミナーの開催について(お知らせ)

 環境省では、水俣病の経験から得た教訓を国内外に伝えるために、平成8年度から水俣病経験の普及啓発セミナーを実施しています。
 本年度は、平成26年3月1日(土)に、東京都内において「水俣病発生地域の現状と今後の課題〜水銀に関する水俣条約の採択を受けて」をテーマとした国内セミナーを開催します。
 また、平成26年3月10日(月)〜14日(金)に、東・東南アジア等の行政担当者を招聘し、熊本県水俣市において、公害未然防止の重要性や現在の我が国の取組を伝える研修を実施します。

1 経緯等

水俣病問題の解決に当たっては、平成7年12月及び平成18年4月の内閣総理大臣談話や、水俣病被害者救済特措法の救済措置の方針等において示されているように、水俣病の経験を内外に広く伝え続けることが大変重要です。このため、環境省では、水俣病の経験から得た教訓を国内外に伝えるために、「国内セミナー」及び「海外行政担当者招聘研修」を行っております。

国内セミナーは、水俣病の経験の次世代への継承を目的として教職員や学生等を対象としたセミナーで、平成15年度から開催してまいりました。本年度のセミナーは、昨年10月の水銀に関する水俣条約の採択なども踏まえ、水俣病の発生地域における現在の課題、今後の取組みの方向性等について紹介し、議論を深める内容となっております。

また、海外行政担当者招聘研修は、東・東南アジア等の行政担当者を対象に、公害未然防止の重要性や現在の我が国の取組を伝えることで具体的な環境保全施策に役立てて頂くことを目的としたものです。平成8年度から14年度までは、インドネシア、フィリピン、タイ、中国、ベトナムでセミナーを開催してきましたが、15年度からは行政担当者を日本へ招聘して、研修を実施してきました。本年も、我が国にこれらの東・東南アジアの国々の行政担当者を招いて研修事業を実施します。

2 国内セミナーの概要

日時
平成26年3月1日(土)13:00〜17:00
場所
発明会館(東京都港区虎ノ門2-9)
http://hatsumeikaikan.com/access1.html
主催
環境省
運営
一般社団法人環境パートナーシップ会議
参加対象者
環境問題、地域再生に関心のある一般の方、教育関係者、環境・教育を学ぶ学生、自治体、企業
内容
別紙1のとおり
募集人数
150名
参加費
無料(事前申込制)
参加申込み先・
問い合わせ
一般社団法人環境パートナーシップ会議
ホームページの参加申し込みフォームもしくは、FAX、メールにて、氏名・郵便番号・住所・電話番号を記載の上、お申し込みください。
URL:
http://www.epc.or.jp/
E-mail:
info@epc.or.jp
TEL:
03-5468-8405
FAX:
03-5468-8406
担当:
島田(シマダ)、片岡(カタオカ)

3 海外行政担当者招聘研修の概要

期日
平成26年3月10日(月)〜3月14日(金)
場所
熊本県水俣市(※最終日に福岡県北九州市へ移動)
主催
環境省
運営
一般社団法人環境パートナーシップ会議
参加予定者
ブラジル、中国、インドネシア、韓国、モンゴル、フィリピン、タイ、ベトナムの8カ国の環境行政担当者等
内容
別紙2のとおり
取材について
 取材に当たっては、自社腕章を必ず着用していただくとともに、担当者の指示に従って下さい。
 取材を希望される報道関係の方は、氏名・社名・電話番号、FAX番号を記入の上、2月27日(木)の17時までに下記担当者宛てに事前登録をお願いします。
【取材関係連絡先】
環境省総合環境政策局環境保健部企画課特殊疾病対策室
担当:
林(ハヤシ)、和田(ワダ)
TEL:
03-3581-3351(内線6331又は6338)
03-5521-8257(直通)
FAX:
03-3580-2963

国内セミナープログラム

別紙1

【 テーマ 】

「水俣病発生地域の現状と今後の課題〜水銀に関する水俣条約の採択を受けて」
 昨年10月に、「水銀に関する水俣条約」が熊本市及び水俣市で開催された外交会議で採択されました。この条約は、水俣病のような水銀による環境汚染と被害を世界で二度と繰り返さないとの決意の下、国際社会全体で水銀の利用を規制し、削減していくものです。外交会議には、世界約140カ国から1000人以上が参加し、多くの参加者が水俣の地を訪れて、慰霊や献花の行事が行われました。熊本県では、足元から率先して水銀対策を進めていくべく、「水銀フリー熊本宣言」をし、水銀の処理、保管等についての調査や水銀フリーに向けた取組が始まっています。新潟県では、来年、新潟水俣病公式確認から50年を迎えます。

今回のセミナーでは、水俣・新潟両地域の語り部の方の話やパネルディスカッションを通じて、今、水俣病発生地域では、どのような課題があり、何に取組んでいくのか、様々な視点から、今後さらに重要となる水俣病の教訓の活かし方を考えます。

また、水俣市では、水俣病で被害を受けられた方や障がいをお持ちの方が、それぞれの思いや夢を詩に綴り、曲を付けて命の尊さや夢など未来へのメッセージとして歌う「もやい音楽祭」が毎年開催され、今年で7回目を迎えています。今回のセミナーでは、もやい音楽祭のこれまでの入選作品の作詞・作曲者をお招きし受賞作品を披露していただき、多くの方々に、歌に込められた思いを感じていただきたいと考えています。

時間 内容 講演者
13:00〜 開催主旨説明
水俣病を取り巻く現状について
環境省
特殊疾病対策室
13:15〜 水俣・新潟の語り部 講話
体験談、伝えたいこと
水俣:緒方正実氏
新潟:近四喜男氏
14:30〜 もやい音楽祭受賞作品披露 坂本しのぶ氏・前田恵美子氏
柏木敏治氏(シンガーソングライター)
萩嶺淨円氏(もやい音楽祭実行委員会委員長)
15:00〜 休憩
15:10〜 パネルディスカッション
「水俣病発生地域の現状と今後の課題〜水銀に関する水俣条約の採択を受けて」
コーディネーター 金刺潤平氏((株)水俣浮浪雲工房 代表取締役 /元水銀条約外交会議熊本県推進協議会 水俣・芦北部会副部会長)
パネリスト・発表テーマ
「もやい音楽祭ともやい直し」
(今、水俣の福祉の現状)
徳冨一敏氏((財)水俣市振興公社"おれんじ館"館長)
「水銀フリー社会」の実現に向けて 宮尾千加子氏(熊本県環境生活部環境政策課長)
「新潟水俣病50周年をどう迎えるか」 塚田眞弘氏(新潟県立環境と人間のふれあい館館長)
「公害の経験を伝えるために〜公害資料館連携の試み」 清水万由子氏(龍谷大学政策学部講師)
ディスカッション・質疑応答
16:50〜 まとめ・閉会挨拶 環境省特殊疾病対策室

海外行政担当者招聘研修プログラム

別紙2

午前 午後
10日
(月)
(福岡から水俣市へ移動) <講義>
開会
水俣病問題について総論
水銀の地球規模影響と人体影響
について等
<施設見学>
国立水俣病総合研究センター
11日
(火)
<施設見学>
水俣病情報センター
水俣市立水俣病資料館
<講義>
水銀に関する水俣条約の概要
語り部さん講演会
<施設見学>
水俣市立明水園
胎児性水俣病患者等通所施設
12日
(水)
<現地・施設見学>
水俣病歴史考証館
茂道漁港、百間排水口、
親水護岸・慰霊碑、チッソ外周等
<講義>
水俣市の環境行政
<現地・施設見学>
水俣市環境クリーンセンター
水俣エコタウン
JNC(株)水俣製造所
13日
(木)
<講義>
水銀モニタリングと水銀調査国際協力
本の環境法政策
<講義>
日本の環境行政及び環境課題
まとめの講義
14日
(金)
(水俣市から北九州市へ移動) <施設見学>
北九州エコタウン
15日
(土)
(福岡から帰国)
連絡先
環境省総合環境政策局環境保健部環境保健企画管理課特殊疾病対策室
水俣病発生地域環境福祉推進室
(代表:03-3581-3351)
(直通:03-5521-8257)
室長   :小林 秀幸(内線6330)
室長補佐 :長谷川 学(内線6363)
担当   :林 里江子(内線6331)