報道発表資料

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2013年12月10日
  • 自然環境

第7回日米渡り鳥等保護条約会議、第9回日ロ渡り鳥等保護・研究会議等 の結果概要について (お知らせ)

 第7回日米渡り鳥等保護条約会議、第9回日ロ渡り鳥等保護・研究会議及び日米ロ三カ国非公式会合が12月4日から6日に東京・新宿御苑で開催され、前回会議以降の各国における渡り鳥等の保護に関する施策、条約に基づく鳥類の研究及び今後の協力の方向性等に関する情報交換及び意見交換が行われました。

1.第7回日米渡り鳥等保護条約会議

(1)渡り鳥等の保全に関する施策の情報交換

 日米双方から、前回会議(平成23年4月)以降の両国における渡り鳥等保全に関する施策について情報交換を行いました。
 米国側からは、鳥インフルエンザ調査プログラムやミッドウェー、クレ環礁におけるアホウドリの営巣及びハワイ島におけるコアホウドリとクロアシアホウドリについて報告がなされました。
日本側からは、第4次レッドリストの公表や種の保存法の改正内容及びモニタリングサイト1000事業に基づくシギ・チドリ類のモニタリング結果並びに東アジア・オーストラリア地域フライウェイ・パートナーシップ(EAAFP)に係る国内取組等について報告を行いました。

(2)渡り鳥に関する共同研究(アホウドリ)

 日米双方は、日米共同で実施しているアホウドリの渡り経路の把握に関する調査について、これまでの成果の報告を行うと共に、今後の本種の回復計画に関して意見を交わしました。

(3)その他渡り鳥に関する両国関心事項

 米国側から、ハワイにおける捕食者管理の成功事例について報告されました。
 日本側からは、野鳥における高病原性鳥インフルエンザの調査システムの報告と、奄美大島における侵略的外来種マングースの根絶プロジェクトの報告が行われ、今後の情報交換を確認しました。

2.第9回日ロ渡り鳥等保護・研究会議

(1)渡り鳥等の保全に関する施策の情報交換

 日ロ双方から、前回会議(平成23年4月)以降の両国における渡り鳥等保全に関する施策について情報交換を行いました。
 ロシア側からは、絶滅のおそれのあるヘラシギの状況等や渡り鳥の違法捕獲の問題をはじめ、極東ロシアをはじめとする東アジア地域における渡り鳥保全と調査に関する最近の活動について報告がなされました。
 日本側からは、新規ラムサール条約湿地に関する情報やガンカモ類全国一斉調査の結果及びトキの保全に係る最近の動向並びに日本鳥類目録の改訂等に関する報告を行いました。

(2)ガン類の最近の状況について

 ロシア側から、日本に渡ってくるガン類の越冬地であるカムチャッカの保護区管理の課題について報告がなされました。
 日本側からは、近年の個体群動態や日本で越冬するハクガンやシジュウカラガン等に関する状況について報告を行いました。

(3)日本及びロシアの渡り鳥等に関する協力等について

 ロシア側から、次回の日ロ渡り鳥等保護・研究会議においてより効果的な情報交換を進めるため、優先種を定めることについて提案されました。
 この提案に基づき、今後数種の優先種を定め、次回会議での優先的話題とすることといたしました。
 日本側からは、日本とロシアの標識調査交流について報告を行い、双方の調査状況に係る情報交換を行いました。

3.日米ロ三カ国非公式会合

(1)風力発電施設等、再生エネルギーと渡り鳥の話題

 日本側から、風力発電の海ワシ類や海鳥への影響について報告を行いました。 米国側からは、再生可能エネルギー設備が渡り鳥の個体数に与える影響について最新情報の報告がなされました。

 (2)ハクガンに関する話題

 ロシア側、米国側及び日本側から、それぞれハクガンの報告がなされました。ロシア側からは繁殖地の様子が報告され、米国側からは本種の個体数管理に関する報告がなされました。また、日本側からは本種の復元事業に関する報告を行いました。

(3)その他の三カ国に関わる渡り鳥関連の話題

 ロシア側から、東アジアにおけるシギ・チドリ類の壊滅的な減少に関連して重要なシギ・チドリ類の生息地である潮間帯の生態系保全について、黄海を中心に報告がなされました。

   

添付資料

連絡先
環境省自然環境局野生生物課
代表:03-3581-3351
直通:03-5521-8284
課長  :中島 慶二  (内線 6460)
専門官 :荒牧 まりさ (内線 6462)
係長  :柳谷 牧子  (内線 6468)

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