報道発表資料
環境省は、フィリピン環境天然資源省の協力を得て、第10回東アジアPOPsモニタリングワークショップ(Workshop on Environmental Monitoring of Persistent Organic Pollutants in East Asian Countries)を、平成25年11月28日(木)から11月30日(土)までの3日間の日程で、マニラ(フィリピン)において開催しましたので、その結果の概要をお知らせします。
1.背景・目的
残留性有機汚染物質(POPs)に関するストックホルム条約(以下、「POPs条約」という)は、PCBなどのPOPsによる地球規模の汚染を防止することを目的として、平成13年に採択され、平成16年5月17日より発効しています。
この条約では、締約国に対し、POPsの製造等の規制に加え、ヒト及び環境中におけるPOPsの存在状況を明らかにするために国内及び国際的な環境モニタリングを実施すること(第11条)、モニタリングデータを活用した条約の対策面での有効性の評価を行うこと(第16条)が規定されています。
環境省では、平成14年度より、東アジア地域における国際協力によるモニタリング体制の構築及びPOPs条約の有効性評価に資するための継続的なデータ収集の円滑な実施を目的として、ワークショップを開催しています。
2.ワークショップの結果
(1)日時:平成25年11月28日(木)~11月30日(土)
(2)場所:マニラ(フィリピン)
(3)主催:環境省(日本)
(4)協力:フィリピン環境天然資源省
(5)参加者:
- ○
- アジア地域11カ国(カンボジア、インドネシア、ラオス、マレーシア、モンゴル、フィリピン、シンガポール、韓国、タイ、ベトナム及び日本)政府の実務担当者及び専門家。
- ○
- 国連環境計画(UNEP)、北西太平洋地域海行動計画(NOWPAP)、国連大学(UNU)及び日本の専門家。
(6)主な内容:
- [1]
- POPs条約の第2回有効性評価の進め方等について
第7回締約国会議(平成27年度)に提出される第2回有効性評価の地域レポートの作業スケジュール、有効性評価を支援するグローバルモニタリング計画の動向などについて情報共有がなされました。 - [2]
- 東アジアPOPsモニタリングの結果と今後の計画について
特定の汚染源の影響を受けない地点として指定された重点調査地域(辺戸岬(沖縄県)、済州島(韓国)及びベトナム(タムダオ))及びマレーシア、ラオス、インドネシア、モンゴル、フィリピンにおけるモニタリング結果(平成21~25年度調査分)が報告され、一部のデータを除き、POPs条約の第2回有効性評価に提供するデータとして承認されました。
平成26年度以降の東アジアPOPsモニタリング計画については、日本がサンプリングと分析を支援する協力支援モニタリングについて、平成26年度はタイで、平成27年度はカンボジアで行うことが、また、重点調査地域でのモニタリングについては、日本(辺戸岬)、韓国(済州島)及びベトナム(タムダオ)において行うことが了承されました。なお、平成28年度以降については、各国の能力強化の進捗状況を踏まえ、次回のワークショップにおいて策定することになりました。 - [3]
- UNEP/GEFプロジェクトとの連携について
今後の東アジアPOPsモニタリングプロジェクトについては、GEF資金を用いてPOPsモニタリングの能力向上を支援するUNEP/GEFプロジェクト(リード国ベトナム)との連携が重要であるとの認識の下、両プロジェクトの効果的な連携、戦略的アプローチ等について意見交換が行われました。また、UNEP/GEFプロジェクトと連携した能力強化支援策の事例、各国の能力強化の状況に応じて期待される役割等、将来的な方向性に関して議論が行われました。UNEP/GEFプロジェクトの早期かつ円滑な実施へ向け、プロジェクトマネージメントの重要性及び参加国間での協力の必要性が指摘されました。
なお、議長総括、政策グループ会合及び専門家グループ会合の概要とそれらの和訳については、別添のとおり。
添付資料
- Chairperson’s Summary of 10th WS2013 [PDF 41 KB]
- 議長サマリー2013(仮訳)Chairperson’s summary of 10th WS 2013 [PDF 37 KB]
- 連絡先
- 環境省総合環境政策局環境保健部環境安全課
直通 :03-5521-8261
代表 :03-3581-3351
課長 :牧谷 邦昭(内線 6350)
保健専門官 :田畑 康幸(内線 6361)
担当 :森永 茂樹(内線 6355)
関連情報
過去の報道発表資料
- 平成25年11月21日
- 第10回東アジアPOPsモニタリングワークショップの開催について(お知らせ)
- 平成24年2月3日
- 第9回東アジアPOPsモニタリングワークショップの結果について(お知らせ)