報道発表資料

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2013年10月07日
  • 地球環境

国連気候変動枠組条約第19 回締約国会議閣僚級準備会合(プレCOP)の結果について(お知らせ)

 10月2日(水)~4 日(金)に北川環境副大臣がポーランド・ワルシャワにおいて行われた国連気候変動枠組条約第19 回締約国会議閣僚級準備会合(プレCOP)に出席したところ、概要は以下の通り。

1.会合の概要

(1) 日程・場所

 10 月2 日~4 日 於:ポーランド・ワルシャワ

(2) 出席者等

・参加者:
約40 の国及び地域、約20 の企業及び経済団体、国際機関関係者
・議長:
コロレツ・ポーランド環境大臣
・日本:
北川知克環境副大臣、白石環境省地球環境審議官、香川外務省地球規模課題審議官、三田経済産業省審議官他。なお、経団連代表として、手塚国際環境戦略WG座長が参加。

2.議論の概要

(1) 総論

本年11月にポーランド・ワルシャワで行われる国連気候変動枠組条約第19回締約国会議(COP19)における議論の進め方や目指すべき成果について閣僚レベルで率直かつ自由な意見交換が行われた。
産業界の参加を得て、2020年枠組みに対する産業界の期待や締約国に対する要望等が表明されるとともに、国連気候変動交渉プロセスへの産業界の参加促進や官民の協力強化のための方策等について意見交換が行われた。
閣僚セッションでは、2015年合意の要素や構造、行動の野心向上のための方策、COP19で目指すべき成果等について意見交換が行われた。

(2) 産業界との対話

グローバルな気候変動対策への産業界の参加を促す政策・規制環境、気候資金の動員に向けた官民の貢献、技術移転及び研究・開発のための資金動員のあり方及び政府に対する産業界の期待等をテーマに意見交換が行われた。
産業界から政府に対する期待として、民間投資を促進するための予見可能かつ安定的で透明性の高い国際枠組み及び国内政策・規制、投資リスクを軽減するための環境整備、ボトムアップアプローチやセクター別アプローチの必要性・有用性、カーボン・リーケージの防止を含む公平な国際競争環境の確保、資金及び技術に関する環境整備等が主張された。
先進国政府からは、技術やノウハウを有する産業界がプロセスに参画し、ビジネスのやり方を変えることで気候変動の解決に貢献することへの高い期待が表明され、産業界がプロセスに参加するインセンティブを高める政策・規制の重要性が共有された。
途上国政府からは、適応分野における投資や産業界からの資金動員拡大の重要性、CBDRや衡平性等の条約原則及び貧困撲滅や開発等の途上国の優先課題に合致したビジネス活動の重要性、中小企業や市民社会の参加の確保等が主張され、政府の取組や国連交渉の重要性を強調する国もみられた。
我が国からは、民間セクターによる行動や投資を促進するための取組の導入が不可欠であるとして、国内政策では低炭素化プロジェクト推進のためのファンド創設や投資減税の導入、国際的には二国間クレジット制度の推進等、我が国の取組を紹介した。

(3)2020年枠組み及びCOP19 の成果(閣僚セッション)

2020年枠組みの機能、含まれる要素、スコープや法的性質等、「全ての国の参加」の確保のためのインセンティブ及び手法、野心向上のための行動のあり方、気候変動による損失と被害(ロス&ダメージ)等について議論が行われた。
2015年合意は、法的拘束力ある合意を含む広範なパッケージであり、簡潔・明確で長期間続く柔軟な仕組みを有するべきとの主張が多くみられた。緩和コミットメントについては、含めるべき情報やルールの事前の明確化、国際的に共通のルールの下に各国が自主的に策定するコミットメントの野心向上のための方策、2015年に向けたタイムスケジュール等について議論が行われた。先進国は、COP19に向けて各国がコミットメントを策定するために必要な事前情報やルール、及び今後のスケジュールについて合意すべく議論を深めるべきと主張する一方、途上国は、差異化や条約原則の反映方法、先進国・途上国の区別の維持、資金・技術等の途上国支援の重要性を主張した。
行動の野心については、2015年合意における事前コンサルテーションの進め方、野心について議論すべき範囲、国際協力イニシアティブの位置づけ等が議論された。先進国からは、自国決定に基づくコミットメントについて、共通理解を促進する形で検証プロセスが進められるべきこと、このプロセスにおける野心レベルの高め方について議論を継続すべきこと、国際協力イニシアティブの活動を野心向上のために活かしていくべきことが主張された。他方、途上国からは、緩和だけでなく適応、資金、技術移転のすべてについて野心が向上されるべきであること、京都議定書第二約束期間の早急な批准、削減目標の野心向上及びその他の先進国の比較可能な努力により、2度目標の達成に必要な削減を達成すべきであることが主張された。
ロス&ダメージについて、COP19における組織的アレンジメントについて、既存の適応に関する組織の活用、新たな恒久的な組織の設置などといった意見が各国から示された。
我が国からは、緩和、とりわけ緩和コミットメント、基本的なアカウンティング・ルール、透明性を確保するための基本的なルールが2020年枠組みの中核である、事前コンサ ルテーションと取組状況の国際的評価・検証からなる効果的な透明性のメカニズムにより野心的目標と実効性が担保できると考えている、コミットメントは各国の能力や責任に応じる、比較、評価、検証可能な形でコミットメントを提出することはすべての国にとっての国際的な義務であるべき、また、来年9月の国連気候サミットの開催を歓迎し、我が国は政界全体の排出削減に「技術」で貢献していきたいと発言した。

(了)

連絡先
環境省地球環境局国際地球温暖化対策室
直通:03-5521-8330 代表:03-3581-3351
室長:新田 晃  (6772)
担当:千葉 亮輔(6775)