報道発表資料

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2013年04月19日
  • 保健対策

平成25年春のスギ・ヒノキ花粉の飛散状況及び終息時期について

 環境省が実施している調査研究報告によれば、今後のスギ・ヒノキ花粉の飛散状況及び終息時期は以下のとおりです。

  1. 今シーズンのスギ・ヒノキ花粉の総飛散量は、例年や昨年に比較して非常に多く、九州では4月になって飛散量が少なくなりましたが、中国、四国、近畿、東海、甲信、関東及び東北地方では概ね非常に多い状態が続いています。
  2. スギ花粉の飛散については、九州と中国、近畿地方の一部では既に終息しています。それ以外の中国、近畿地方及び四国、東海地方でもまもなく終息するものと見込まれます。北陸、甲信及び関東地方では未だ非常に多い飛散となっていますが、飛散量は減少傾向にあり、4月下旬には終息すると予測されます。また、東北地方でも4月下旬から5月上旬には終息すると予測されます。
  3. ヒノキ花粉の飛散については、九州地方では一部を除いて飛散量は少なくなっており、四国、中国、近畿地方では未だ非常に多い飛散となっていますが、飛散量は減少傾向にあり、4月中に終息する見込みです。また、東海、北陸、甲信、関東、東北地方でも5月上旬には終息すると予測されます。

1.概要

 環境省では、花粉症に関する調査研究の一環(※1)として、平成16年度から花粉飛散予測に関する調査研究を行っています。
 これまで、平成25年春のスギ・ヒノキ花粉の飛散状況については、その予測を平成24年12月、平成25年1月及び2月に公表しましたが、今般、当該研究において、平成25年春における各地のスギ・ヒノキ花粉の飛散状況及び花粉飛散の終息時期について取りまとめました。内容は以下のとおりです。

※1
 平成25年度花粉症に関する調査・検討業務(請負先;NPO法人花粉情報協会)

2.スギ・ヒノキ花粉の飛散状況(別紙1、2)

 4月11日現在での今シーズンのスギ・ヒノキ花粉総飛散量は、昨シーズンや例年に比較すると非常に多く、多くの地域で予測以上の飛散となっており、8割以上の地域で花粉症に対し十分な注意が必要とされる2000個/cm2を超えています。
 今春は周期的に暖かい日が出現するとともに、東日本や西日本では気温が高めに推移したため、花粉の飛散が例年より早まりました。また、雨の日が少なく、花粉が雨で流されなかったこと、また、ヒノキ花粉が非常に多く飛散したことから、多くの地点で花粉総飛散量が予測を上回ったと考えられます。東日本以西では概ね飛散のピークを越えましたが、今後も関東地方北部から東北地方を中心に花粉の飛散が多い状況が続くと見込まれます。

(1)スギ花粉の飛散状況

 今シーズンのスギ花粉の飛散開始(※2)は概ね予測(第3報)どおりでした。具体的には、島根県や高知県で最も早く、1月下旬でした。2月になって日本海で発達した低気圧に向かって吹き込む暖気によって開花が早まったため、九州や四国、中国地方及び近畿、北陸、東海、関東地方の一部では2月上旬となりました。その後、冬型の気圧配置が強まりましたが、周期的に訪れる冬型の気圧配置の緩みによって2月中旬には関東地方の全域で、下旬には近畿、北陸、東海地方の全域と東北地方の太平洋側で飛散開始となり、東日本から西日本では例年よりも10日程度早い飛散開始となりました。
 スギ花粉の飛散ピークは、予測と比べて九州や四国地方及び東北地方南部で早まりました。具体的には、九州及び四国地方では2月下旬頃に迎えました。3月になると、継続していた強い冬型の気圧配置が緩み、大陸の高気圧が移動性となって本州の南に張り出したため、全国的に春らしい気候となって、連日、非常に花粉飛散量が多い状態が続きました。また、しばしば日本海で低気圧が発達し、太平洋側では強い南西風が吹いたため、各地で気温が25度を超える夏日となり、3月上旬から中旬頃には、中国、近畿、東海、北陸、甲信、関東、東北地方南部地方では1日で1000個/cm2以上となる大飛散を記録しました。また、東北地方北部でも3月中旬から4月上旬にかけて飛散のピーク時期となっています。
 4月3日~11日におけるスギ花粉の飛散状況は九州と中国、近畿地方では既に終息(※3)している地域が散見され、それ以外の中国、近畿地方や四国及び東海地方では概ね「少ない」となっています。一方、北陸、甲信及び関東地方では多くの地点で「非常に多い」レベルの飛散となっていますが、飛散量は徐々に減少傾向をたどっています。東北地方では未だ「非常に多い」レベルの飛散状態が継続しています。

※2
 この場合の飛散開始とは、ダーラム法による観測方法で、1日あたり1個/cm2以上の花粉が連続2日以上観測されることを示します。また、飛散開始日とはこの2日のうち最初の日を言います。
※3
 終息とは飛散終了近くの初めて連続3日間0個/cm2が続いた最初の日の前日を示します。

(2)ヒノキ花粉の飛散状況

 今シーズンのヒノキ花粉の飛散開始は、九州地方では3月上旬、関東地方が3月上旬から中旬、中国、四国、近畿、東海、北陸及び甲信地方では3月中旬から下旬、東北地方では3月上旬から下旬となりました。東日本から西日本では例年より10日程度早い飛散開始となっています。
 また、飛散のピークは、九州地方では3月中旬から下旬、中国、四国、近畿、東海、甲信及び関東地方では3月下旬から4月上旬でした。
 4月3日~11日におけるヒノキ花粉の飛散状況は、九州地方では一部を除いて「少ない」レベルとなっており、中国、四国、近畿、東海、北陸、甲信及び関東地方では概ね「非常に多い」レベルとなっていますが、ピークを過ぎて減少傾向に向かいつつあります。
 ヒノキ林の少ない東北地方でも岩手で4月5日に200個/cm2超える飛散を記録しましたが、その前後は数個/cm2程度であることから、飛散しても「少ない」レベルにとどまると見込まれます。

3.スギ・ヒノキ花粉の終息時期(別紙3)

 花粉飛散の終息時期の予測は、[1]昨年12月に実施した花粉総飛散量の予測値に対する現在までの累積飛散量の程度、[2]これまでの気象状況(特に降雨・降雪の状況)、[3]気象庁の季節予報を入力値とした雄花開花モデルから計算される開花状態と花粉残量の予測結果から実施するものです。

(1)スギ花粉の終息時期

 スギ花粉の飛散は九州と中国、近畿地方の一部では既に終息しています。また、中国、近畿地方のそれ以外の地域と四国及び東海地方についてもまもなく終息すると見込まれます。北陸、甲信及び関東地方では4月下旬に、東北地方や北海道南部でも4月下旬から5月上旬には終息すると予測されます。
 なお、東日本以西では、気温が高めに推移したことから、例年に比較して終息は早まり、1週間程度早くなる見込みです。また、北日本でも例年並みとなる見込みです。

(2)ヒノキ花粉の終息時期

 ヒノキ花粉の飛散については、九州と四国、中国、近畿地方では4月中に終息する見込みです。また、東海、北陸、甲信、関東、東北地方では5月上旬には終息すると予測されます。なお、北陸及び東北地方ではヒノキ花粉は飛散しても「少ない」レベルで推移すると見込まれます。例年と比較して西日本では終息時期は早まりますが、東日本や北日本ではほぼ例年並みになるものと考えられます。

東北地方北部:青森県、岩手県、秋田県
東北地方南部:宮城県、山形県、福島県
関東地方北部:茨城県、栃木県、群馬県
関東地方南部:埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県
甲信地方:長野県、山梨県
北陸地方:新潟県、富山県、石川県、福井県
<留意事項>
 スギ・ヒノキ花粉飛散が終息するとともに、イネ科花粉が飛散し始めると考えられます。長期間花粉症の症状が続く場合には、イネ科花粉症など他の花粉症やその他のアレルギー疾患の可能性があります。症状が強い場合には、医療機関にご相談ください。
<関連情報>
環境省ホームページ https://www.env.go.jp/chemi/anzen/kafun/
NPO花粉情報協会ホームページ http://www.pollen-net.com/welcome.html

添付資料

連絡先
環境省総合環境政策局環境保健部環境安全課
代表:03-3581-3351
直通:03-5521-8261
課長    上田 康治(内6350)
課長補佐 森川 博司(内6365)

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