平成25年2月21日
総合政策

(仮称)伊達風力発電事業拡張計画に係る環境影響評価準備書に対する環境大臣意見の提出について(お知らせ)

 「(仮称)伊達風力発電事業拡張計画」(北海道伊達市)に係る環境影響評価準備書について、2月20日付けで経済産業大臣に対し、環境影響評価項目の再検討、動植物等に関する追加調査等を求める環境大臣意見を提出した。

1.背景

 平成24年10月1日より、環境影響評価法(平成9年法律第81号。以下「法」という。)の対象事業として風力発電所の設置又は変更の工事の事業が追加された。
 これを受けて、平成24年12月3日付けで「(仮称)伊達風力発電事業拡張計画」(北海道伊達市。株式会社ユーラスエナジーホールディングス。)に係る環境影響評価準備書について、電気事業法(昭和39年法律第170号)に基づき、経済産業大臣から環境大臣に対して、環境保全の見地からの意見の照会があったため、これを提出するものである。
 今後、事業者には、環境大臣及び関係自治体の長の意見を受けた経済産業大臣勧告を踏まえ、法に基づく環境影響評価書の作成等の手続が求められる。

2.環境大臣意見の概要

(1)環境影響評価書の作成に当たっての全般的な留意事項について

 自主的な環境影響評価手続の結果をアセス法に基づく手続に相当する結果とするために、法令に従った評価書の作成及び必要な事項の記載を行うこと。

(2)環境影響評価項目の再検討について

 道路及びヤードの設置における切土、盛土の処理について、「廃棄物等」を選定項目とし、適切な環境影響評価を実施し、その結果を評価書に記載すること。
 また、工事の実施における「工事用資材等の搬出入」、「建設機械の稼働」及び「造成等施工による一時的な影響」を影響要因とする項目についても必要に応じて選定項目とし、適切な環境影響評価を実施すること。

(3)環境影響評価の予測・評価結果の再検討について

 根拠や経緯を明確にし、科学的・客観的な評価を行うこと。

(4)騒音及び低周波音について

 既設の風力発電施設が定格運転に達するような強風時に現況調査を実施した上で、改めて予測及び評価を行うこと。

(5)動物及び植物について

 鳥類等の調査期間や地点の設定等について、専門家や地元の団体等の意見聴取を行い、追加調査を実施すること。
 また、対象事業実施区域は、ノスリやヒヨドリ等の小鳥類、オジロワシ、オオワシ等の希少猛禽類の渡りが確認されていること、希少猛禽類にとって好適な採餌環境になっていると考えられることから、追加調査及び既存資料等の結果も含めて再度予測及び評価を実施し、風力発電施設の配置や設置基数の削減等について再度検討し評価書に記載すること。

(6)事後調査結果の公表について

 事後調査の結果について公表すること。

参考
(仮称)伊達風力発電事業拡張計画
・事業者
株式会社ユーラスエナジーホールディングス
・計画位置
北海道伊達市
・出力
最大50,000kW (2,000〜3,000kW級風力発電機を最大25基設置)
・運転開始予定
未定
○環境影響評価法への経過措置に係る手続
・平成24年6月6日
経済産業省が「風力発電事業に係る環境影響評価実施要綱」を公表
・平成24年9月27日
経済産業省への準備書の届出
・平成24年12月3日
環境大臣への意見照会
・平成25年2月20日
環境大臣意見の提出

添付資料

連絡先
環境省総合環境政策局環境影響審査室
代表    : 03-3581-3351
直通    : 03-5521-8237
室長    : 田中 紀彦 (内6231)
室長補佐 : 横井三知貴 (内6233)
審査官  : 渡辺 季洋 (内6248)