平成25年2月18日
水・土壌

平成23年度臭素系ダイオキシン類排出実態等調査結果について(お知らせ)

 環境省は、臭素系ダイオキシン類の排出実態等調査を継続的に実施していますが、今般、平成23年度の調査結果を取りまとめました。

1.背景

 ダイオキシン類対策特別措置法附則第2条において、「政府は、臭素系ダイオキシンにつき、人の健康に対する影響の程度、その発生過程等に関する調査研究を推進し、 その結果に基づき、必要な措置を講ずるものとする」と規定されています。このため、環境省では、平成14 年度より、臭素系ダイオキシン類の生成・排出の可能性がある施 設を対象に臭素系ダイオキシン類の排出実態等の調査を実施しています。

2.調査の概要

平成23 年度は、家電リサイクル法に基づく家電リサイクル施設を対象に、臭素系ダイオキシン類の排出実態等の調査を行いました。

(1)調査対象施設

家電リサイクル施設:10 施設

(2)調査項目

1)施設からの排出実態

・排出ガス、排出水及び建屋内空気

2)周辺環境状況

・環境大気、公共用水域水質及び底質

3)破砕物

(3)調査対象物質

1)臭素系ダイオキシン類

臭素化ダイオキシン類(PBDDs/PBDFs)等

2)その他

臭素系難燃剤 等

3.調査結果の概要

 臭素化ダイオキシン類に係る調査結果の概要は、表1及び表2のとおりです。表中には実測濃度に塩素化ダイオキシン類のWHO-TEF(2006)を乗じて算出した毒性等量相当値を参考値として示しております。環境大気、公共用水域水質及び底質中の毒性等量相当値は、それぞれ塩素化ダイオキシン類に係る環境基準値内となっております。
 また、実測濃度について、今回の調査結果を過去の調査結果と比較すると表3のとおりです。建屋内空気について、過去に同じ場所で測定した家電リサイクル施設を比較すると、臭素化ダイオキシン類(PBDDs/PBDFs)濃度は低くなりました。これは、高性能集塵機などの設備対策によって粉じん量が減少したことによるものと考えられます。

4.今後の取り組み

 臭素系ダイオキシン類については、国際的な毒性評価に関する動向を踏まえながら、引き続き、排出実態等に関する知見の更なる集積を図っていきます。

(参考)
○臭素系ダイオキシン類とは

 「臭素系ダイオキシン類」とは、塩素化ダイオキシン類(ポリ塩素化ジベンゾ−パラ−ジオキシン(PCDDs)又はポリ塩素化ジベンゾフラン(PCDFs))の塩素が1つ以上臭素に置換したもの。このうち、塩素が1つだけ臭素に置換したものを「モノ臭素ポリ塩素化ダイオキシン類」、全ての塩素が臭素に置換したものを「臭素化ダイオキシン類」という。臭素化ダイオキシン類には、ポリ臭素化ジベンゾ−パラ−ジオキシン(PBDDs)とポリ臭素化ジベンゾフラン(PBDFs)がある。現時点において、臭素系ダイオキシン類に関する国際的な毒性評価は定まっていないが、IPCS(国際化学物質安全性計画)の環境保健クライテリアにおいて、塩素化ダイオキシン類同族体に用いられている毒性等価係数(TEF)を、対応する臭素化ダイオキシン類同族体に暫定的に適用することが提案されている。このため、本調査では、臭素化ダイオキシン類の実測値とともに、実測値に塩素化ダイオキシン類のWHO-TEF(2006)を乗じて算出した毒性等量相当値についても参考値として併せて示している。

左) ポリ臭素化ジベンゾフラン(PBDFs) / 右) ポリ臭素化ジベンゾ−パラ−ジオキシ ン(PBDDs)

添付資料

連絡先
環境省水・大気環境局総務課ダイオキシン対策室
代表 : 03-3581-3351
直通 : 03-5521-8291
課長 : 加藤 庸之 (内線6510)
補佐 : 西山 大策 (内線6561)
担当 : 北野 万里 (内線6579)