平成24年10月5日
地球環境

第10回日中環境保護合同委員会の結果について(お知らせ)

 第10回日中環境保護合同委員会が9月14日(金)に北京で開催されましたので、結果をお知らせします。

1.日中環境保護合同委員会について

 1994年に締結された日中環境保護協力協定に基づく政府間協議で、日中それぞれの環境政策及び二国間・多国間における環境協力について意見交換を行うものです。これまでに9回開催されており、前回は2010年4月に東京で開催されました。

2.日時

2012年9月14日(金) 9:00〜13:00

3.開催場所

日中友好環境保全センター(北京)

4.主な出席者

日本
外務省 山野内 勘二 アジア大洋州局参事官
環境省 三好 信俊 大臣官房審議官 ほか
中国
環境保護部 宋 小智 国際合作司副司長 ほか

5.結果概要

 委員会では、2007年4月の温家宝総理来日時に発表された「日中環境保護協力の一層の強化に関する共同声明」及びその後の環境分野における協力の進展を踏まえて幅広く意見交換を行いました。主な内容は以下のとおりです。

(1)両国の最新の環境保護政策の進展の紹介

日本側より、東日本大震災に対する中国からの支援、協力について感謝の意を示すとともに、震災への対応・復興状況について説明。第14回日中韓三カ国環境大臣会合(TEMM14)において合意された災害対策に関する協力の具体化として、自然災害対応セミナーを今年度中に日本において開催することを説明。
中国側より、第12次5カ年計画に基づき実施されている対策の紹介(環境アセスメントの強化、PM2.5等の環境基準の強化等)。

(2)電子廃棄物越境移動及び対中輸出廃棄物原料の放射性物質汚染問題

2010年より開始された「廃棄物の不法越境移動防止のための日中間ホットライン」を通じて、有害廃棄物の不法越境移動を防止するための対策を徹底していくことを確認。
災害廃棄物の管理について、今後も日中で情報交換や対策について連携していくことを確認。

(3)微小粒子状物質、黄砂等の大気汚染に係る協力

PM2.5に関する協力、黄砂観測のデータ共有、光化学オキシダントの共同研究の視野の拡大、EANET(東アジア酸性雨モニタリングネットワーク)活動実施について意見交換。

(4)生物多様生保全及び持続可能な利用に関する協力の展開

生物多様性条約第10回締結会議(COP 10)について意見交換。関係する会合等を通じ、引き続き意見交換していくことを確認。

(5)日中気候変動対応協力

日本側より、CDMに関するキャパシティー・ビルディング、低炭素発展モデル都市への支援等日中間での具体的協力事項を紹介。今後も日中で協力プロジェクトの実施を推進することを確認。中国側は、5省8市の低炭素発展高級研修について高く評価、双方は今後も継続することに合意。

(6)小規模都市・農村でのアンモニア性窒素の総量排出削減モデルプロジェクト(第2期)

環境省が実施している「農村地域等におけるアンモニア性窒素の総量排出削減モデルプロジェクト」について、これまでの成果と、今後の協力を確認。

(7)コベネフィット・窒素酸化物総量抑制プロジェクト

四川省攀枝花市及び湖南省湘譚市で環境省が協力して実施しているコベネフィット協力事業のこれまでの成果を共有し、今後の協力を確認。
湖北省武漢市で環境省が協力して実施している日中窒素酸化物総量抑制プロジェクトについて、昨年度までの共同研究の成果を共有し、今後の協力を確認。

(8)日中循環経済推進プロジェクト

JICAによって実施中の「循環型経済推進プロジェクト」の進展状況を共有。今後の協力について検討していくことを確認。

(9)環境と健康管理分野の日中協力の強化

JICAによって実施中の「環境汚染健康損害賠償制度構築推進プロジェクト」の進展状況を共有。今後の協力について検討していくことを確認。

(10)将来の日中環境保護協力の方向

中国側から、[1]都市に着目した新たな日中環境協力、[2]農村環境保全に着目した新たな日中環境協力について提案があり、今後、協力内容について精査していくことを確認。
連絡先
環境省地球環境局国際連携課国際協力室
室長:川又 孝太郎(6765)
補佐:西前 晶子  (6761)
担当:仲山 真希子(6723)
(代表)03-3581-3351
(直通)03-5521-8248