報道発表資料

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2012年03月29日
  • 自然環境

「IPBESにおける評価に関する第2回国際科学ワークショップ」の結果及び成果文書の提出について(お知らせ)

 環境省は、平成24年2月27日(月)から29日(水)までの3日間、国連大学及び南アフリカ共和国政府との共催により、「生物多様性及び生態系サービスに関する政府間科学政策プラットフォーム(IPBES)における評価に関する第2回国際科学ワークショップ」を開催しました。本ワークショップには国内外の専門家34名が参加し、IPBESの活動の柱の一つである生物多様性と生態系サービスに関する科学的な評価等について検討が行われました。また、その成果文書を4月16~21日にパナマで開催されるIPBES総会第2会期における議論の参考としてもらうべく、3月29日付で国連環境計画(UNEP)に提出しました。

1.会議の概要

(1)会議名称
日本語:IPBES(*)における評価に関する第2回国際科学ワークショップ
英語:The 2nd Scientific Workshop on IPBES Assessments
*IPBES: Intergovernmental science-policy Platform on Biodiversity and Ecosystem Services
(2)主催者等
主催:環境省
共催:南アフリカ共和国政府、国連大学
協力:国連環境計画(UNEP)
(3)開催期間
平成24年2月27日(月)~29日(水)
(4)開催場所
国連大学 エリザベス・ローズ・ホール他(東京都渋谷区青山)
(5)参加者等
[1]議長:武内和彦氏(国連大学)
[2]参加者:海外専門家24名及び国内研究者等10名及び傍聴者

2.経緯

 IPBESは、生物多様性と生態系サービスに関する動向を科学的に評価し、科学と政策のつながりを強化する役割が期待されている。IPBESは生物多様性版のIPCCと呼ばれることもあり、現在、政府間のプラットフォームとしての設立に向けて検討が進められている。4月16~21日にパナマシティでUNEPの主催によりIPBESに関する総会第2会期が開催され、さらなる議論を重ねた上でIPBESが設立される予定である。
 環境省は、平成24年2月27日(月)から29日(水)までの3日間、国連大学において、南アフリカ共和国及び国連大学との共催により「生物多様性及び生態系サービスに関する政府間科学政策プラットフォーム(IPBES)における評価に関する第2回国際科学ワークショップ」を開催した。IPBESは、知見生成・科学的評価・政策立案支援・能力開発の4つを活動の柱としており、本ワークショップにおいては、IPBESの活動の柱の一つである生物多様性と生態系サービスに関する評価等について重要な要素やオプションを検討した。
 なお、IPBES総会第2会期に向けて、それぞれの活動に関連する専門家会合が以下の通り開催されている。
(1)
政策立案支援に関するワークショップ(昨年12月、於ボン):ドイツ環境省他主催
(2)
作業計画に関するワークショップ(本年1月、於コペンハーゲン):コペンハーゲン大学、オランダ環境省他主催
(3)
知見生成に関するワークショップ(本年1月、於アナポリス):アメリカ地質調査所(USGS)、ICSU (DIVERSITAS, IHDP)主催
(4)
能力開発に関するワークショップ(本年3月、於イラン)イラン、韓国(協力:ECO-IEST, UNEP、ノルウェー)主催

3.ワークショップの成果(別紙1:会議概要参照)

ワークショップでは、IPBES総会第2会期に向けて作成された作業文書(作業計画、機能と構造、手続規則)ごとの3つの作業グループを設け議論が行われた。
各グループからの報告を全体会合でとりまとめるという作業を繰り返し、成果文書案が作成された。
ワークショップの映像は下記より閲覧可能。
Short:http://www.youtube.com/watch?v=24A5aD9SpdI
Long:http://www.youtube.com/watch?v=NIzBrAHul8o

4.成果文書(別紙2,3:成果文書概要、別紙4:成果文書全文)

 今般、本ワークショップの成果文書がとりまとまったことから、環境省は、平成24年3月29日に、IPBES総会の実施主体である国連環境計画(UNEP)に提出した。成果文書は、昨年7月と本年2月に開催した2回の国際科学ワークショップ、総会第1会期、国連大学が実施した世界規模の調査に基づいて作成した。
 成果文書は、総会第2会期における作業文書のレビュー及び、作業文書を横断する4つのキーメッセージ([1]ボトムアップの、総合的な作業プログラムの確保 [2]作業プログラムをガイドする学際的な共通の概念的枠組みの構築 [3]科学的独立性とレビュープロセスの信頼性を保証するガバナンス構造と手続規則の構築 [4]IPBESへの公平で包括的な参加を保証する)をとりまとめ、総会第2会期において審議や重要な決定をしつつ考慮すべき事項について提言している。具体的には、潜在的活動が一体的にデザインされること、学際的な概念的枠組みと手段、方法の構築、効果的なコミュニケーション、能力開発、補助機関としての科学パネルと管理事務局の設置、リージョナル統合作業部会の設立、独立したレビュープロセス等に関する提案が盛り込まれている。

添付資料

別紙1 :会議概要(和文)
別紙2:成果文書概要(英文)Executive Summary
別紙3:成果文書概要(和文翻訳版) 
別紙4:成果文書全文(英文)Workshop Report
別紙5:(参考)第1回ワークショップ(2011年7月25~27日開催)会議概要(和文)

添付資料

連絡先
環境省自然環境局自然環境計画課生物多様性地球戦略企画室
直通   :03-5521-8275
代表   :03-3581-3351
室長   :奥田 直久(内線 6480)
室長補佐:鈴木  渉(内線 6488)
担当   :山崎 麻里(内線 6977)

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