平成24年3月26日
総合政策

京王電鉄京王線(笹塚駅〜つつじヶ丘駅間)連続立体交差化及び複々線化事業に係る環境影響評価書に対する環境大臣意見の提出ついて

 環境省は、環境影響評価法に基づき、「京王電鉄京王線(笹塚駅〜つつじヶ丘駅間)連続立体交差化及び複々線化事業」に係る環境影響評価書について、本日付けで国土交通大臣等に対し、環境大臣意見を提出した。

1.
 環境省は、「京王電鉄京王線(笹塚駅〜つつじヶ丘駅間)連続立体交差化及び複々線化事業」(都市計画決定権者:東京都(注1))に係る環境影響評価書について、環境影響評価法に基づき、環境の保全の見地からの意見を求められたことから、平成24年3月26日付けで国土交通大臣等(注2)に対し、別紙のとおり環境大臣意見を提出した。
2.
 本事業の計画路線周辺が住居系の土地利用であり、病院や学校等も多く存在することから、騒音や振動等の影響をできる限り低減させるよう、環境大臣意見では以下の措置を適切に講じる必要があることを指摘している。

【環境大臣意見の概要】

(1)騒音・振動
・列車の走行に伴う騒音
 列車走行に伴う騒音について、計画路線周辺に中高層住宅等が存在することに鑑み、高さ方向の影響について調査・予測を行っており、先行的な取組事例であるといえる。これらを実施した旨を評価書に明記するとともに、実行可能な範囲内でできる限りの回避・低減に努めること。
列車の走行に伴う振動
 「防振地中壁の設置」を行う地点においては、事後調査を実施し、その効果を確認するとともに、必要に応じ追加的措置を検討すること。
(2)景観・人と自然との触れ合いの活動の場
 計画路線と玉川上水が直交する場所について、高架橋が圧迫感を与える可能性があるため、フォトモンタージュの作成等により影響を予測・評価するとともに、必要に応じ環境保全措置を検討すること。
(3)温室効果ガス
 建設段階において、二酸化炭素排出量を削減するため、低燃費型建設機械やLED照明の使用等を検討すること。
 さらに、供用時においても太陽光発電システムの導入や駅施設の省エネ化等の二酸化炭素排出削減対策の導入を検討すること。
3.
 なお、今後、都市計画決定権者である東京都に対して、国土交通省関東地方整備局長及び関東運輸局長から環境大臣意見を勘案した意見が必要に応じて述べられることとなる。
(注1)
本事業は都市計画に定められるものであるため、環境影響評価は事業者に代わって 都市計画決定権者である東京都が実施(環境影響評価法第40条第1項)
(注2)
国土交通大臣及び国土交通省関東地方整備局長
【参考】
○ 事業概要
・ 都市計画決定権者 :東京都知事    事業者 :東京都、京王電鉄(株)
・ 通過地域 : 東京都 調布市、世田谷区、杉並区、渋谷区
・ 建設延長 : 約8.3km (連立区間 約7.1km、 線増区間 約8.3km)
・ 線路構造 : (連立区間)高架橋、盛土、(線増区間)トンネル、掘割、高架橋、盛土
・ 運転計画 : 1日800本(設計最高速度 120km/h)
○ 環境影響評価の手続
・ 方法書公告縦覧  平成22年2月8日 〜 3月8日(住民意見1,337通)
・ 知事意見提出   平成22年7月5日
・ 準備書公告縦覧  平成23年3月7日 〜 4月6日
  及び5月9日 〜 6月8日(住民意見2,833通)
・ 知事意見提出   平成23年12月22日
・ 評価書接受    平成24年2月10日

添付資料

連絡先
環境省総合環境政策局環境影響審査室
(代表  :03-3581-3351)
(直通  :03-5521-8237)
室長   :小野  洋 (内:6231)
室長補佐:馬場 康弘 (内:6233)
審査官  :原  哲郎 (内:6253)