平成24年3月13日
保健対策

平成22年度PRTRデータの概要等について−化学物質の排出量・移動量の集計結果等−(お知らせ)

 環境省は、経済産業省と共同で、特定化学物質の環境への排出量の把握等及び管理の改善の促進に関する法律に基づき、事業者から届出のあった化学物質の平成22年度の排出量・移動量等のデータの集計等を行い、今般、その結果を取りまとめました。また、事業者から届出のあった個別事業所ごとの化学物質の排出量・移動量についても公表します。

<平成22年度データのポイント>

(1)届出排出量・移動量
 今般、平成22年度の1年間に届出対象事業者が把握し、平成23年4月1日から6月30日までに届出のあった事業所からの排出量・移動量について全国・全物質で集計しました。平成22年度は、前年度に比べ、届出排出量及び届出移動量が増加しましたが、平成22年度から届出対象物質が354物質から462物質に見直されていることに留意する必要があります。見直しの前後で継続して届出対象物質として指定された物質(以下「継続物質」といいます。276物質)の届出排出量及び移動量は、減少しました。
<全対象化学物質(462物質)>
・ 届出事業所数
36,491事業所(前年度から約1,900事業所の減少)
・ 届出排出量
183千トン(前年度から4%の増加)
・ 届出移動量
198千トン(前年度から14%の増加)
・ 届出排出量と届出移動量の合計 381千トン(前年度から9%の増加)
<継続物質(276物質)>
・ 届出排出量
164千トン(前年度から6%の減少)
・ 届出移動量
170千トン(前年度から4%の増加)
・ 届出排出量と届出移動量の合計
334千トン(前年度から0.8%の減少)
(2)届出外排出量
 届出対象以外の事業所や、家庭、自動車等からの届出対象外の排出量は、国が推計を行った結果、以下のとおりでした。
<推計対象とした物質(332物質)>
・ 届出外排出量
270千トン(前年度265千トンから2%の増加)
<継続物質のうち推計対象とした物質(233物質)>
・ 届出外排出量
258千トン(前年度261千トンから1%の減少)
(3)その他
 平成20年11月の化学物質排出把握管理促進法施行令の改正により今回から新たに追加された対象化学物質(186物質)の排出量・移動量等及び東日本大震災の影響について取りまとめました。
<新規対象化学物質(186物質)>
・ 届出排出量
19千トン(全物質の総排出量及び移動量合計の5%)
・ 届出移動量
28千トン(全物質の総排出量及び移動量合計の7%)
・ 届出排出量と届出移動量の合計
47千トン
     (全物質の総排出量及び移動量合計の12%)
<東日本大震災の影響>
 「東日本大震災に対処するための特別の財政援助及び助成に関する法律」の規定に基づき定められた「特定被災区域」(全214市区町村)における届出事業者により届け出られた継続物質の排出量・移動量について集計しました。
・ 届出事業所
4,572事業所(前年度から4%の減少)
・ 継続物質の届出排出量と届出移動量の合計
41千トン(前年度から6%の減少)

1.経緯

 平成11年7月に公布された「特定化学物質の環境への排出量の把握等及び管理の改善の促進に関する法律」(化学物質排出把握管理促進法)に基づき、化学物質排出移動量届出制度(PRTR制度)が導入されました。
 PRTR制度の導入により、相当広範な地域の環境において継続して存すると認められ、人の健康を損なうおそれ又は動植物の生息若しくは生育に支障を及ぼすおそれのある462種類の化学物質(第一種指定化学物質)について、事業者は環境への排出量や廃棄物に含まれての移動量の届出を行い、国はその集計結果及び推計を行った届出対象外の排出量の集計結果を公表することとなっています。
 平成23年度4月1日から6月30日までの間に、法施行後第10回目となる排出量等の届出が行われ、平成22年度の排出量・移動量について、全国36,491の事業所から届出がありました。
 今般、環境省は、経済産業省と共同で、事業者から届出のあった化学物質の排出量・移動量(PRTRデータ)を集計するとともに、届出対象外の排出量の推計及び集計を行い、その結果を集計表として取りまとめました。なお、平成20年11月の化学物質排出把握管理促進法施行令の改正により、今年度の届出から、対象物質の見直し(354物質に代えて462物質を指定)及び医療業の対象業種への追加がなされており、今回取りまとめた集計結果にはこれらが反映されています。
 また、集計結果とあわせて、個別事業所の平成22年度PRTRデータについても  ホームページ上で公表します。

2.公表資料

(1)集計表
 「第一種指定化学物質の排出量等の届出事項の集計の方法等を定める省令」(経済産業省・環境省令)に基づき集計した、化学物質別、都道府県別、業種別(46業種)、従業員数別などの集計表(4,560種類)
[集計表の内訳]
(1)届出排出量・移動量
… 全国/都道府県別及び全業種/業種別:2,256種類
(2)従業員数別の平均排出量・移動量
… 全国/都道府県別及び業種別:2,208種類
(3)届出外排出量
… 全国/都道府県別:48種類
(4)移動体の排出量
… 全国/都道府県別:48種類
(2)平成22年度PRTRデータの概要
 事業者からの届出状況、業種別・都道府県別の届出排出量・移動量の集計結果、届出外排出量の推計結果などの概要を取りまとめたもの(別添1参照)
(3)届出排出量・移動量の経年変化の概要について
 平成22年度PRTRデータの集計結果と前年度までの集計結果を対比したもの(別添2参照)
(4)平成22年度PRTR届出外排出量の推計方法等の概要及び詳細
 届出外排出量の推計方法、推計の基礎としたデータを取りまとめたもの
(5)個別事業所のPRTRデータ
 届出のあった全国・全事業所の化学物質の排出量・移動量

 以上の(1)〜(5)につきましては、本日3月13日から以下のホームページに掲載します。

環境省
http://www.env.go.jp/chemi/prtr/risk0.html
経済産業省
http://www.meti.go.jp/policy/chemical_management/law/index.html

3.開示請求の手続等

 個別事業所のPRTRデータはホームページに掲載しています。
 また、個別事業所から届け出られたPRTRデータをインターネット地図上に視覚的に分かりやすく表示するとともに、PRTRデータを検索・閲覧できるようにしたPRTRデータ地図上表示システムで個別事業所を地図から探したり、個別事業所のデータをグラフや図で見ることができます。(http://www2.env.go.jp/chemi/prtr/prtrmap/
 さらに、化学物質排出把握管理促進法第10条の規定に基づき、所定の手続を経れば、引き続きどなたでも当該データについて、国に対して開示請求を行うことができます。
 開示請求があれば、国は、請求者に対し速やかに開示を行います。なお、開示請求に際しては、所定の手数料が必要です。

(1)PRTR開示窓口
 PRTRデータの開示に係る事務を行う窓口は、環境省、経済産業省及び他の関係事業所管省庁(財務省、文部科学省、厚生労働省、農林水産省、国土交通省、防衛省)内に設置されます。
 環境省及び経済産業省の窓口では、すべての届出について開示請求を受け付けて開示を実施するほか、開示にあたっての事前照会、開示手続全般の問い合わせにも対応します。事業所管省庁においては、当該省庁の所管に係る事業者からの届出について、開示請求を受け付けて開示を実施します。
 なお、郵送やインターネットによる開示請求も受け付けます。
(2)開示される情報
 開示請求者は、事業所の名称、所在地その他の開示請求に係る事業所を特定するに足りる事項を明らかにすることにより、希望する事業所のデータの開示を請求することができます。また、用紙による交付、電子媒体(フロッピーディスク又はCD−R)及び電子情報処理組織による交付のうち、いずれかの方法を選択することができます。
 請求があれば、国は、事業者から届出された情報のうち、担当者の氏名等を除き、請求された全ての情報を開示します。
 電子媒体により交付される事業所のデータの電子ファイルはテキスト形式であり、 データベースソフトや表計算ソフトの多くで読み書きができ、開示請求者が独自に集計・分析等を行うことが可能です。
(3)開示手数料
 開示請求には、以下の手数料(収入印紙)が必要です。なお、郵送を希望する場合は、この他に必要な額の郵便切手を添付した封筒が必要です。
事業所を検索して開示※3 用紙による交付 A4の用紙1枚※1につき20円
フロッピーディスク(FD)による交付 FD1枚につき80円 及び
データ0.5メガバイト※2までごとに260円
光ディスク(CD−R)による交付 CD−R1枚につき200円 及び
データ0.5メガバイト※2までごとに260円
年度の全データを開示※3 光ディスク(CD−R)による交付 CD−R1枚につき200円 及び
データ200メガバイトまでごとに900円※2
※1.
 用紙の枚数は開示請求された事業所の数、当該事業所からの届出物質数などにより異なります。1事業所当たりの平均届出物質数を考慮すると、多くの場合、1事業所1枚になると予想されます。
※2.
 データ量は開示請求のあった事業所の数、当該事業所からの届出物質数などにより異なります。1事業所当たりの平均のデータ量(1.2キロバイト)を考慮すると、1枚のFDに平均で約1千事業所まで、CD−Rには約48万事業所までのデータが収録可能です。
※3.
データ量は開示請求された年度の届出事業所の総数、届出物質数などにより異なります。平成22年度PRTRデータの場合、1枚のCD−Rに全事業所のデータを収録可能です。
 また、過年度のデータの公表後に変更された届出事項を修正したもの(以下「過年度修正版」という。)も併せて開示しますが、平成22年度分と併せて1枚のCD−Rに全事業所のデータを収録することが可能です。
(4)開示手続の方法等
 各省庁のPRTR開示窓口及び開示請求の具体的な方法等については、ホームページ(http://www.env.go.jp/chemi/prtr/risk0.html)に掲載されています。
 なお、環境省のPRTR開示窓口は以下のとおりです。
○環境省環境保健部環境安全課内 PRTR開示窓口
平日9:30〜12:00 13:30〜17:00
〒100-8975 東京都千代田区霞が関1-2-2 合同庁舎第5号館25階
TEL. 03-3581-3351(内線6358)
FAX. 03-3580-3596

4.その他

 環境省では、集計結果から作成したグラフ・地図など、膨大なデータをわかりやすく加工した資料をホームページに掲載しています。(http://www.env.go.jp/chemi/prtr/risk0.html)

 また、PRTR制度を広く一般の方にも御理解・御活用いただけるよう、PRTR  データについて分かりやすく解説した「PRTRデータを読み解くための市民ガイドブック 化学物質による環境リスクを減らすために」を毎年作成しているところです。今回公表した平成22年度集計結果の解説を追加するなど内容を新たにした平成23年度版のガイドブックについては、来年度初めに公表する予定です。

添付資料

連絡先
環境省総合環境政策局環境保健部環境安全課
代表:03-3581-3351
直通:03-5521-8260
課長:早水 輝好(内線 6350)
補佐:福島 健彦(内線 6353)
係長:森谷 直子(内線 6356)
担当:荒井 俊彦(内線 6360)