報道発表資料

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2012年01月27日
  • 保健対策

平成24年春の花粉飛散予測(第2報)について(お知らせ)

 環境省が実施している調査研究報告(最新の気象情報を踏まえた第2報)によれば、スギ花粉の飛散開始時期は、前回の予測第1報(平成23年12月27日発表)どおり全国的に例年よりも遅くなると見込まれます。
 また、スギ・ヒノキ花粉の飛散ピーク期間中、最も花粉飛散量が多くなるのは、九州で2月下旬、関東地方南部以西で3月上旬、関東地方北部で3月中旬、東北地方では3月下旬となる見込みです。
 なお、平成24年春のスギ・ヒノキ花粉総飛散量については、昨年12月に発表した第1報のとおりであり(データ更新なし)、[1]例年に比べ非常に多かった平成23年春(昨シーズン)と比較すると、中国、四国地方の一部を除いて、全国的に少なくなる、[2]例年との比較では、全国的に例年並みか例年よりもやや少なくなる、と予測されています。
 この春の花粉総飛散量は少なくなるという予測ですが、多くの地域で、花粉症に対し十分な注意が必要なレベルであると考えられるため、予報に基づいた早めの花粉症予防対策等が必要と考えられます。

1.概要
 環境省では、花粉症に関する調査研究の一環※1として、平成16年度から花粉飛散予測に関する調査研究 を行っています。先般、当該研究による平成24年春(1月末から5月)における花粉総飛散量及び飛散開始時期の予測(第1報) ※2を発表したところですが、最新の気象情報を踏まえて予測の一部を更新しましたのでお知らせします。
 花粉の飛散開始時期については、1月の低温の影響を受け、さらに2月も全国的に平年よりも低温で 推移すると見込まれるところから、ほぼ前回の予測どおり全国的に例年よりも遅く、関東、甲信、北陸地方より 西では2月中旬から下旬、東北南部で2月下旬から3月上旬、東北北部は3月中旬となると予測されます。
 また、スギ・ヒノキ花粉の飛散ピークについては、飛散ピーク期間中、最も花粉飛散量が多くなるのは、 概ね九州で2月下旬、関東南部から北陸、東海、近畿、中国、四国は3月上旬、関東北部で3月中旬となっており、 東北地方では3月下旬になる見込みです。
 なお、総飛散量については、第1報において気象データ及び花芽調査の結果等を踏まえた予測を実施しており、 全国的に例年並みか例年よりもやや少なくなると予測されています(参考資料1を参照)。
 詳しい内容は以下のとおりです。
※1 平成23年度花粉症に関する調査・検討業務(請負先;NPO法人花粉情報協会)
※2 平成23年12月27日発表
2.平成24年春のスギ花粉前線予測について(参考資料2)
 スギ花粉を放出する雄花は、日長時間や一定期間の低温へのばく露等により開花の時期が影響されます。このことから、気象庁1月20日発表の最新の1ヶ月予報を参考に、スギの花粉飛散開始について、以下のとおり予測しました。
平成24年1月前半は全国的に気温が低く、特に東日本では平年と比べ0.5℃~1℃、関東から東北地方南部と北海道の一部では1℃以上も低くなりました。気象庁の季節予報によれば、低温傾向は今後も継続し、1月下旬は西日本で低く、2月も全国的に気温は低めに推移する見込みです。
このため、雄花の休眠覚醒はほぼ例年並みですが、スギ花粉の飛散開始日は全国的に例年よりも遅く、関東、甲信、北陸地方より西では2月中旬から下旬、東北南部で2月下旬から3月上旬、東北北部は3月中旬となる見込みです。
前回の予測(第1報)よりほぼ変更はありませんが、今後の気象条件(急激な高温等)により、実際の飛散開始時期は変化する可能性がありますので、最新の情報をご利用ください。
3.平成24年春のスギ・ヒノキ花粉の飛散ピーク時期予測について(参考資料3)
 一般的にスギ・ヒノキの花粉数は、飛散開始後徐々に増加し、飛散のピークを過ぎると徐々に減少する「ひと山型」の分布となります。このことを踏まえ、平均飛散曲線、各地点の予測される花粉総飛散量、及び気象庁の季節予報を参考として、花粉飛散ピーク期間※3の予測を行いました。なお、本ピーク予測は、スギ及びヒノキ花粉を合わせた予測結果としています。
スギ・ヒノキ花粉の飛散ピーク期間中、最も花粉飛散量が多くなるのは、概ね九州で2月下旬、関東南部から北陸、東海、近畿、中国、四国は3月上旬、関東北部で3月中旬となっており、東北地方では3月下旬になる見込みで、全国的にピーク期間は20日間程度と予想されます。
なお、平成23年春は、花粉総飛散量が非常に多く、スギとヒノキの2つのピークが繋がったことから、ピーク期間が2ヶ月という長期間にわたり継続した地域が多く見られました。また、飛散ピーク期間中、最も花粉飛散量が多くなったのは、関東、甲信地方が3月中旬、東北、北陸地方で4月上旬から中旬となり、東海以西では、ピークが2月下旬から3月中旬に現れるスギの影響が強い地域と4月上旬に現れるヒノキの影響の強い地域とに二極化しました。これに比べ、平成24年春は全国的にピーク期間が短く、最も花粉飛散量が多くなる期間も昨年に比べ早まると予想されます。
※3 ダーラム法による観測方法で飛散量が1日あたり30個以上/cm2と予想される期間
4.花粉症予防対策の必要性
 近年の花粉飛散量は多くの地域において増加しており、平成24 年春も半分以上の地域で、花粉症に対し十分な注意が必要な2000 個/cm2 を超える飛散になると予測されます。このため、前シーズン比や例年比での増減に関わらず、予報に基づいた早めの花粉症予防対策等が必要と考えられます。
なお、花粉のばく露を避けるための基本的な対策には、以下のものが挙げられます。
マスク、メガネを着用する。特にマスク内側の鼻口部分に枕ガーゼを当てると効果が高い。
換気時にはレースのカーテン等で遮るとともに、開窓を10cm 程度にとどめる。
掃除はこまめに行い、掃除機の使用だけでなく、濡れ雑巾やモップによる清掃を行う。
洗濯物は屋内に干す。
衣類の素材は羊毛や毛織物は避け、ポリエステルや綿製品で起毛のないものを着用する。
 上記については、花粉症に係る各種関連情報を紹介する「花粉症環境保健マニュアル2009」(https://www.env.go.jp/chemi/anzen/kafun/html/001.html)で、より詳しい内容がご覧いただけます。
 また、上述のとおりスギ・ヒノキ花粉の飛散数は、飛散開始後徐々に飛散数が増加し、ピークを過ぎると徐々に減少する「ひと山型」となり、ピーク期間の花粉数は、シーズン総飛散数の約7割~9割程度を占めると考えられます。このため、ピーク期間のばく露を重点的に避けることによって、花粉ばく露を大幅に軽減できると考えられますので、飛散ピーク時期の予測情報最新版(下記5.(2)参照)をご活用ください。
5.その他
(1)本予測に関する留意事項
 本予測は、現時点で得られた気象データ、気象庁の季節予報結果を踏まえて作成されたものです。
 今後の気象条件等によっては、予測よりも早く花粉が飛散し始めることや、ピークの時期が変化することが考えられます。最新の情報に注意するとともに、常に早めの花粉症予防対策を心がけることが必要です。
(2)平成24年春シーズンの対応
 環境省では、平成24年春シーズンにおいても、花粉の総飛散量の観測データを収集し、「スギ花粉飛散開始マップ」により、都道府県毎の飛散開始日情報を順次提供します。
 花粉の飛散状況については、2月上旬頃から「花粉観測システム(愛称:はなこさん)(http://kafun.taiki.go.jp/)」により、リアルタイムで情報を提供するとともに、携帯電話でも情報提供を行います。「はなこさん」に関する御質問は、環境省水・大気環境局大気環境課(担当 原、芳川 03-5521-8294)にお問い合わせ下さい。
 上記の情報は、環境省ホームページ上※4にて公開し、順次、更新していく予定です。
 ※4 環境省花粉情報サイト(https://www.env.go.jp/chemi/anzen/kafun/index.html
 なお、今年度も、スギ花粉飛散開始時期の予測(前線予測図)、及びスギ・ヒノキ花粉の飛散ピーク時期の予測について、上記ホームページ上で最新の情報を順次提供する予定です。
 また、上記サイトでは、「花粉症環境保健マニュアル2009」を併せて提供しています。
 この他、政府における花粉症対策は、今後とも関係各省(内閣府、文部科学省、厚生労働省、農林水産省、気象庁、環境省)の緊密な連携の下で進めることとしております。

添付資料

連絡先
環境省総合環境政策局環境保健部環境安全課
代表   :03-3581-3351 
直通   :03-5521-8261
課長   :早水 輝好(内6350)
課長補佐 :本間 政人(内6352)

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