報道発表資料

平成12年9月1日 この記事を印刷

平成11年度CFC回収等に関する調査結果について

 今般、環境庁及び通商産業省では、冷媒用フロン含有機器が廃棄される際のフロンの回収等の平成11年度における実態について、共同で調査を行った。その結果は以下のとおりである。

(1) CFC(クロロフルオロカーボン)の回収率は、家庭用冷蔵庫約27%、業務用冷凍空調機器約56%で、カーエアコンからのCFC回収・破壊率は約18%と、関係業界及び地域におけるフロン回収システムが整備される時期でもあり、関係業界、地域、機器によって回収率に差がみられるものの、全般的には依然として低い水準であった。

(2) 市町村における家庭用冷蔵庫等からのフロン回収の取組は、平成7年度以降着実に進展しており、実施市町村数は全体の85%(平成10年度81%)に達し、CFC回収率(台数ベース)は81%(平成10年度77%)であった。

(3) 近年、CFCの代替冷媒でもあるHCFC(ハイドロクロロフルオロカーボン)やHFC(ハイドロフルオロカーボン)を使用した機器の廃棄も増加しており、これらCFC以外のフロン類の回収量は、調査した範囲において、家庭用冷蔵庫約0.1トン、ルームエアコン約70トン、カーエアコン約0.3トン、業務用冷凍空調機器約746トンであった。

(4) フロン破壊処理施設は平成11年度末現在で40施設あり、フロン破壊処理量は1,004トンで、平成10年度760トンに比べて約1.3倍に増加している。このうち、CFCの破壊処理量は前年度に比べてやや減少しているが、HCFC等の破壊処理量は大幅に増加している。また、フロン再生施設は平成11年度末現在で4施設あり、フロンの再生量は66トンであった。

 環境庁では、通商産業省をはじめとする関係省庁と協力して「オゾン層保護対策推進会議」においてCFC等の回収等に係る取組状況のフォローアップを行うことなどにより、CFC等の回収等の一層の促進を図ることとしている。また、2001年7月までに策定・報告する「CFC管理戦略」についても、これらの結果等を踏まえ、早急に検討していく。
1.背景
 オゾン層保護対策は、CFC等のオゾン層破壊物質の生産規制を基本として、国際的に協調して進められている。先進国では1995年末に主要なオゾン層破壊物質の生産が全廃されているが、過去に生産され、冷蔵庫、カーエアコン等の機器の中に充てんされた形で存在するCFC等を、これら機器の廃棄の際に回収・破壊することが、オゾン層保護を進める上で重要である。
 こうした認識の下、我が国においては、関係18省庁からなる「オゾン層保護対策推進会議」(事務局:環境庁及び通商産業省)において、平成9年9月にCFC等の回収・再利用・破壊の促進方策を取りまとめ、都道府県・政令指定都市及び関係事業者に積極的取組を要請するなど対策を進めている。
 なお、本調査は、環境庁と通商産業省が共同で実施したものである。

2.平成11年度フロン回収等に関する調査結果
(1) 調査の概要
ア. 地方公共団体におけるフロン回収等に関する調査
内容: 市町村・一部事務組合が取り扱った廃家庭用冷蔵庫等からのフロンの回収実態等(市町村ルート)を把握。
方法: 全国の都道府県・政令指定都市に対して調査票を送付し、管下の市町村におけるフロンの回収等の状況の調査を依頼。都道府県・政令指定都市で取りまとめた調査票を回収。

イ. フロン回収等推進協議会ルートにおけるフロン回収等に関する調査
内容: フロン回収等推進協議会等のフロン回収・破壊システムを活用している民間事業者が取り扱った廃カーエアコン、廃業務用冷凍空調機器等からのフロンの回収等の実態を把握。
方法: 全国の都道府県・政令指定都市に対して調査票を送付・回収。

ウ. 業界ルートにおけるフロン回収等に関する調査
内容: 業界のフロン回収・破壊システムを活用している民間事業者が取り扱った廃カーエアコン、廃業務用冷凍空調機器等からのフロンの回収等の実態を把握。
方法: (社)日本自動車工業会、(社)日本冷凍空調工業会、(社)日本冷凍空調設備工業連合会等に対するアンケート、ヒアリング等により調査。

エ. 市町村ルート、フロン回収等推進協議会ルート、業界ルート以外の事業者におけるフロン回収等に関する調査
内容: 市町村ルート、フロン回収等推進協議会ルート、業界ルート以外で民間事業者が独自に取り扱った廃家庭用冷蔵庫、廃カーエアコン、廃業務用冷凍空調機器からのフロンの回収等の実態を把握。
方法: 全国の都道府県に対して調査票を送付・回収、又は関係業界等からの情報によって取り組んでいる事業者をピックアップし、調査票を送付・回収。

オ. フロン破壊・再生処理状況に関する調査
内容: フロン破壊・再生処理施設におけるフロンの破壊・再生処理の実態を把握。
方法: 全国の都道府県に対して調査票を送付・回収。

(2) 調査結果
ア. CFC回収等の状況
平成11年度の家庭用冷蔵庫、業務用冷凍空調機器、及びカーエアコンからのCFCの回収量、回収率は表1のとおりである。

表1:機器別のCFC回収率(平成11年度)


(注1) 推計回収可能量は、充填量、機器からの漏洩量、回収効率などから推計したもの。

(注2) 各機器のCFC回収率の推計式は以下のとおり。
なお、家庭用冷蔵庫の回収率については、昨年度まで台数ベースで推計していたが、今年度は他の機器と同様に量ベースで推計した。

[1] 家庭用冷蔵庫
 保有台数については、住民基本台帳(自治省)、消費動向調査(経済企画庁)等から推計。国内出荷台数については、(社)日本電機工業会のデータを用いた。

[2] 業務用冷凍空調機器


[3] カーエアコン


家庭用冷蔵庫は、図1のように市町村ルート([1]+[2])又は家電販売店等ルートで廃棄されるが、市町村ルートの家庭用冷蔵庫からのCFCの回収状況を表2に示す。平成11年度のCFC回収量は、72.8トン、回収台数は1,154千台であり、CFC回収量、回収台数とも平成7年度以降着実に増加している。平成11年度のCFC回収率(台数ベース)は81%であり、平成10年度の77%をやや上回った。

図1:家庭用冷蔵庫の廃棄ルート


表2:市町村ルートの家庭用冷蔵庫からのCFC回収状況


(注1) 回収台数又は回収量は、市町村・一部事務組合が回収をした家庭用冷蔵庫の台数又は回収量を単純に足し合わせ、回収台数又は回収量未記入又は不明な場合はゼロとして計算した。なお、フロンの種類が不明なデータについては、既知のデータの割合を乗じて按分した。
(注2) 推計廃棄台数は、廃棄台数が未記入又は不明の市町村については、同じ都道府県内の廃棄台数が明らかな市町村の合計人口に対する廃棄台数の比率に当該市町村における人口を乗じて推計した。
(注3) 推計回収可能量は推計廃棄台数に100g/台を乗じて推計した。

イ. フロン回収実施市町村数
 フロン回収実施市町村数の推移を表3に示す。
 家庭用冷蔵庫等からのフロン回収を実施する市町村数は、着実に増加しており、平成11年度末において全体の85%に達した。

表3:フロン回収実施市町村数の推移


(注) 平成11年度末の全国の市町村の合計数は、3,233。ただしここで、東京特別区(23区)については、これをまとめて1と数えた。

ウ. HCFC等の回収状況
 近年、CFCの代替冷媒でもあるHCFC(ハイドロクロロフルオロカーボン)やHFC(ハイドロフルオロカーボン)を使用した機器の廃棄も増加しており、これらCFC以外のフロン類の回収量は、調査した範囲において、家庭用冷蔵庫約0.1トン(市町村:0.1トン)、ルームエアコン約70トン(市町村:52.7トン、協議会:6.2トン、その他の事業者:11.0トン)、カーエアコン約0.3トン(協議会:0.2トン、その他の事業者:0.1トン)、業務用冷凍空調機器約746トン(機器メーカー:290トン、機器設置工事業者:427トン、協議会:21.3トン、その他の事業者:7.7トン)であった。

エ. フロン破壊処理量
 都道府県を通じ、フロン破壊処理施設の状況を調査したところ、フロン破壊処理施設は平成11年度末現在40施設あり、これら施設における平成11年度のフロン破壊処理量は1,004トン(平成10年度760トン)であった。CFCの破壊処理量は前年度よりやや減少しているが、HCFC等の破壊処理量は大幅に増加している。

表4:フロン破壊処理量の推移


(注) CFCとHCFCの混合冷媒は混合比率により按分している。

オ. フロン再生処理量
 今回、再生処理施設の状況についても、都道府県等を通じて調査したところ、再生処理施設は平成11年度末現在4施設あり、これらの施設における平成11年度のフロン再生処理量は66トン(うち、CFC42トン、HCFC23トン、HFC0.4トン)であった。なお、これらの施設では蒸留精製法によりフロンを再生処理している。

3.今後のフロン回収等促進方策について
 環境庁では、通商産業省をはじめとする関係省庁と協力して「オゾン層保護対策推進会議」においてCFC等の回収等に係る取組状況のフォローアップを行うことなどにより、CFC等の回収等の一層の促進を図ることとしている。
 また、昨年北京において開催されたモントリオール議定書第11回締約国会合において、先進国は2001年7月までにCFCの回収等を含むCFC管理戦略を策定し、事務局に報告することが決定されたことを受けて、我が国のCFC管理戦略について、これらの結果等を踏まえ早急に検討する。

添付資料

連絡先
環境庁大気保全局企画課広域大気管理室
室    長 :笠井  俊彦(内6511)
 室長補佐 :太田志津子(内6562)
 担    当 :伊藤  史雄(内6564)

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