平成22年8月19日
地球環境

南極地域の環境の保護に関する法律施行規則の一部を改正する省令の公布・施行及び意見募集(パブリックコメント)実施結果について(お知らせ)

 南極地域で科学観測や観光等の活動を行う場合には、南極地域の環境の保護に関する法律(平成9年法律第61号)に基づき、それぞれの活動計画について、事前に環境大臣による確認を受ける必要があります。
 特に、環境保護に関する南極条約議定書(平成3年採択、平成11年発効。)附属書5の規定に従い、南極特別保護地区(※1)に指定されている場所で活動を行うに当たっては、南極地域の環境の保護に関する法律施行規則(平成9年総理府令第53号)別表第六に定める南極特別保護地区ごとの要件を満たすことが求められています。
 また、南極史跡記念物(※2)については除去や損傷等することが禁止されています。
 去る平成22年5月3日(月)から14日(金)にかけてウルグアイ・プンタ デル エステにて開催された第33回南極条約協議国会議において、南極特別保護地区における活動の許可条件等を定める現行管理計画の改正及び南極史跡記念物の追加が採択されたことから、環境省では、国内法制度上、これらの採択事項に対応するため、南極地域の環境の保護に関する法律施行規則の一部を改正する省令を平成22年8月12日に公布・施行しました。
 また平成22年6月21日(月)から同7月20日(火)にかけて実施した本省令に対する意見募集(パブリックコメント)の実施結果について、併せてお知らせします。

(※1)南極特別保護地区...環境上、科学上、歴史上、芸術上若しくは原生地域としての顕著な価値を有する地区
(※2)南極史跡記念物...歴史上の価値を有すると認められている場所または記念物

1.背景

(1)環境保護に関する南極条約議定書

 南極地域においては、環境保護に関する南極条約議定書(以下「議定書」という。)に基づき、環境保護のための様々な義務が定められている。
 特に、環境上や科学上の顕著な価値を有することから、南極特別保護地区として採択された場所については、それぞれの管理計画に従って活動を行うこととされている。南極特別保護地区の管理計画には、各地区ごとに指定区域、指定理由、目的、許可条件(当該地区内で実施可能な活動や禁止される活動)等が規定される。
 また、南極史跡記念物に指定された場合、それらを除去し、損傷し、又は破壊してはならないこととされる。
 毎年開催される南極条約協議国会議において、新規南極特別保護地区の管理計画の策定や、現行管理計画の改正などが採択された場合、会議後90日で発効となることから、我が国を含む各南極条約協議国は、これらを会議終了後90日以内に国内法的に担保する義務を負うこととなる。

(2)南極地域の環境の保護に関する法律施行規則

 我が国は、南極地域の環境の保護に関する法律及びその下位法令により議定書に基づく義務を国内担保しており、一部の例外を除き、環境大臣による確認を受けない限り、いかなる活動も南極地域において行ってはならないこととなっている。
 特に、顕著な価値を有する南極特別保護地区内で活動しようとする場合は、環境大臣の確認を受ける際の前提条件として、各南極特別保護地区の管理計画に規定された活動の許可条件を基に定められた南極地域の環境の保護に関する法律施行規則の要件をすべて満たすことが求められる。
 (議定書に基づく南極特別保護地区及びその管理計画については、我が国では、南極地域の環境の保護に関する法律施行規則(以下「施行規則」という。)別記において、それぞれの名称及び場所を定めるとともに、同別表第六により、各管理計画に規定される許可条件を規定している。)

(3)今回の改正の趣旨

 第33回南極条約協議国会議において、南極特別保護地区における活動の許可条件等を定める管理計画の一部改正並びに南極史跡記念物の追加が採択された。
 これを受け、これら採択された内容について国内法令において担保措置を講じる必要が生じたことから、施行規則の一部改正を行うものである。

2.今回改正の概要

 別添「南極地域の環境の保護に関する法律施行規則の一部を改正する省令」の概要参照。

3.パブリックコメントの実施結果について

 平成22年6月21日(月)から同7月20日(火)の30日間、本省令(案)に対する意見募集(パブリックコメント)を行いましたが、御意見の提出はありませんでした。

添付資料

連絡先
環境省地球環境局(旧)環境保全対策課
直通:03-5521-8245
代表:03-3581-3351
課長 塚本 直也(内6740)
課長補佐 宮元 康一(内6756)
担当 清家 裕(内6747)
    秋本 周(内6748)