平成22年6月1日
再生循環 総合政策 自然環境

平成22年版環境・循環型社会・生物多様性白書について「地球を守る私たちの責任と約束―チャレンジ25―」

 平成22年版環境・循環型社会・生物多様性白書は、6月1日(火)に閣議決定され、同日国会へ提出されました。
 今回の白書は、地球温暖化、生物多様性、水環境、環境と経済の関係等に焦点を当て、これらの問題の現状と今後目指すべき方向性について、詳しく述べています。
 温室効果ガスの削減は、経済的なメリットも伴う将来への投資であることを、国際的な動向や国内政策の全体像と目標への道筋を示しながら論じています。また、地球規模で生物多様性が急速に失われつつある中で、本年10月に愛知県名古屋市で開催される生物多様性条約第10回締約国会議に向けたわが国の取組をまとめました。循環型社会の形成については、近年の国内外の経済社会情勢の変化への対応の必要性を踏まえ、循環型社会の構築に向けて、企業、地方自治体の先進的な取組や身近な行動の例を紹介し、ビジネススタイル、ライフスタイルの変革を提言しています。さらに、地球上の水に関して、利用できる水が偏在していることや世界の水問題の一端を取り上げ、わが国の水関連の技術が貢献できることを示しました。最後に、こうした環境への取組こそが、環境分野でのわが国の競争力を高め、環境が経済・社会の発展を牽引し、環境と成長の両立が可能であると結んでいます。
 白書市販版及び図で見る白書の印刷に係る電力は、グリーン電力(水力発電)によって賄われます。
 また、白書の内容を広く普及し、より多くの方々に環境配慮や環境保全の取組を行っていただけるよう、白書のポイントをお話しする「白書を読む会(白書説明会)」を全国11か所で開催します。

1 平成22年版環境・循環型社会・生物多様性白書の概要

 第1部 総合的な施策等に関する報告では、人口増加や経済活動の増大に伴って環境への負荷も増大しており、これまでのような経済社会活動を継続することは極めて困難であるという現状認識を示しています。その上で、こうした際限なき発展を指向する経済社会活動が今後目指すべき方向として、枯渇性の資源やエネルギーに過度に依存しない新たな文明を構築し、ただ一つの地球で確かに持続する文明へと人類の社会を新たな段階に発展させるべきことを論じています。
 そのためには、基準となる物差しを改善し、新たな目標を適切に定め、それぞれの主体が努力すること、我が国の優れた技術力により、環境と経済の好循環を国際的な規模でもたらすこと、わが国の持続可能性を踏まえた価値観(もったいない)から技術・制度までをグローバル・ スタンダードとしていくために努力するべきこと等が必要であると訴えています。
 第2部第3章「循環型社会の形成」では、まず「ビジネス・ライフスタイルの変革を通じた循環型社会の道しるべ」と題して、十年の節目を迎えた循環型社会形成推進基本法の下での取組の進捗を振り返っています。また、各国別の資源生産性(※)を比較しながら、わが国はG7の中でも高い資源生産性を達成している一方、中国、インドなどの新興国の資源生産性は低く、工業化に伴う将来的な資源制約の可能性など、近年の国内外の経済社会情勢の変化への対応の必要性について述べています。その上で、以下のような循環型社会構築に向けたビジネススタイル・ライフスタイルの変革の新しい動きが始まっていることをその効果とともに紹介し、連携と協働による取組を始める必要性を記述しています。
工場の新設の際に建築、設計、施工等の各者の連携により建設から解体に至るまでの廃棄物の抑制やリサイクル性の向上を実現した企業の取組
家電製品から回収したプラスチック材料を再び自社製品に利用し、100%リサイクル材料の利用を目指す企業の取組
オフィスにおけるリユースカップ導入事例
※資源生産性...
産業や人々の生活がいかにものを有効に利用しているかを総合的に示す指標。GDPを天然資源投入量で除して算出される。
 第1部第3章及び第2部第5章「生物多様性の保全及び持続可能な利用」では、地球規模で生物多様性が急速に失われつつある中で、企業活動から私たちのライフスタイルまで、生物多様性に配慮した社会経済への転換に向けた取組を示すとともに、本年10月に愛知県名古屋市で開催される生物多様性条約第10回締約国会議に向け、議長国として、わが国がリードする主要議題(ポスト2010年目標、ABS(遺伝資源へのアクセスと利益配分)の国際的枠組みの構築、持続可能な利用等)について記述しています。

2 「図で見る環境白書・循環型社会白書・生物多様性白書」及び「こども環境白書」の作成

 白書の内容を広く国民に普及させ、環境保全に関する意識の啓発を図ることを目的に、白書の公表に合わせ、その内容について図表を中心に分かりやすく要約し、多くの人々に親しんでいただけるよう編集した「図で見る環境白書・循環型社会白書・生物多様性白書」を作成しました。
 また、小・中学生向けに、環境白書の内容をさらにやさしく説明した「こども環境白書」も今後作成する予定です。

3 白書の入手方法

「平成22年版環境白書・循環型社会白書・生物多様性白書」
<1部 2,500円(税込)>
政府刊行物センターや一般の書店で購入できます(6月上旬発行予定)。
「平成22年版図で見る環境白書・循環型社会白書・生物多様性白書」
<1部 350円(税込、振込手数料・送料別)>
希望者には日経印刷(株)から実費により頒布します。
*1 電子媒体の掲載:
環境省のホームページ(http://www.env.go.jp/policy/hakusyo/)において「平成22年版環境・循環型社会・生物多様性白書」、「平成22年版図で見る環境・循環型社会・生物多様性白書」等を追って掲載する予定です。
*2 「こども環境白書」については、作成次第、別途記者発表を行う予定です。
*3 その他のお問い合わせ:
日経印刷(株)(第二営業部)までお電話ください。(電話03-6758-1012)

4 刊行に当たって

 環境白書・循環型社会白書・生物多様性白書の刊行に当たっての小沢環境大臣の言葉を、別紙に掲載します。

5 「白書を読む会」(白書説明会)の開催 

 環境省では、全国11カ所で「白書を読む会」を開催します。この会では、今年の白書について、その第1部の内容を中心に、テーマやねらいなどを編集担当者が直接解説します。(入場無料)
 また、青森・大阪・広島・徳島・福岡会場においては、環境経済に関する有識者による「環境経済研究講演」も行います。
 各説明会の日程については、別添のとおりです。 

参考

 「平成21年版環境白書・循環型社会白書・生物多様性白書」、「平成21年版図で見る環境白書・循環型社会白書・生物多様性白書」及び「こども環境白書2010」の発行部数は、下記のとおりです。

・平成21年版環境白書・循環型社会白書・生物多様性白書
1万3,000部
・平成21年版図で見る環境白書・循環型社会白書・生物多様性白書
3万7,000部
・こども環境白書2010
7万5,000部

添付資料

連絡先
環境省総合環境政策局環境計画課企画調査室
電話番号:03-3581-3351(代表)
直通:03-5521-8328
室長:川上 毅(内線6227)
担当:牧野・梅原(内線6255,6256)

環境省大臣官房廃棄物・リサイクル対策部企画課循環型社会推進室
電話番号:03-3581-3351(代表)
直通:03-5521-8336
室長:大森 恵子(内線6898)
担当:相澤 和春(内線6818)

環境省自然環境局自然環境計画課生物多様性地球戦略企画室
電話番号:03-3581-3351(代表)
直通:03-5521-8275
室長:鳥居 敏男(内線6480)
担当:村上 靖典(内線6437)