報道発表資料

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2010年04月22日
  • 地球環境

第9回日中環境保護合同委員会の結果について(お知らせ)

 第9回日中環境保護合同委員会が4月20日(火)に東京で開催されましたので、結果をお知らせします。

1.日中環境保護合同委員会について 

 1994年に締結された日中環境保護協力協定に基づく政府間協議で、日中それぞれの環境政策及び二国間・多国間における環境協力について意見交換を行うものです。これまでに8回開催されており、前回は2008年10月に北京で開催されました。

2.日程

 平成22年4月20日(火) 10:00~17:55

3.開催場所

 三田共用会議所(東京)

4.主な出席者

日本
外務省 北野 充 アジア大洋州局審議官
環境省 大村 卓 地球環境局環境協力室長 ほか
中国
環境保護部 宋 小智 国際合作司副司長 ほか

5.結果概要

 委員会では、2007年4月の温家宝総理来日時に発表された「日中環境保護協力の一層の強化に関する共同声明」及びその後の環境分野における協力の進展を踏まえて幅広く意見交換を行いました。主な内容は以下のとおりです。

(1)日中両国の環境保全状況の紹介

日本側より、地球温暖化対策基本法案及び環境影響評価法の一部改正案等について説明。
中国側より、第11次5カ年計画(2006年~2010年)に基づき実施されている汚染物質の総量削減、環境分野での経済成長、農村環境の保全等、中国国内の環境保全対策の進捗について紹介。

(2)コベネフィット協力の推進

四川省パンジホア市で環境省が協力して実施しているコベネフィット協力事業のこれまでの成果を共有。
今後も日中両国間でコベネフィット協力を推進していくことを確認。

(3)水環境保全における協力

雲南省等で環境省が協力して実施している「農村地域等における分散型廃水処理モデル事業」のこれまでの成果を共有。
中国側からは、窒素、リンの水質総量削減等に関する日本側の協力に期待が表明され、今後も日中双方が協力しながら進めることを確認

(4)廃棄物管理分野における協力

廃棄物管理に係る局長級対話、廃棄物の輸出入管理に関するワーキンググループ等も含めた意見交換の継続的実施について確認。
2011年より中国で施行される予定の「廃棄電器電子製品回収処理管理条例」について意見交換。

(5)循環経済に関する協力

(独)国際協力機構(JICA)によって実施中の「循環型経済推進プロジェクト」の進展状況を共有。
川崎市と瀋陽市との間の循環経済産業の発展を通じた環境にやさしい都市構築の協力の支援の進展状況を共有。
実務レベルでの対話の継続を確認。

(6)今後の日中環境保護協力計画

これまでの日中環境協力における日中友好環境保全センターの重要性を共有し、今後も同センターが両国の環境協力の拠点となっていくことを確認。
同センターを拠点とした具体的な協力内容については、今後事務レベルで検討していくことで一致。

(7)気候変動に関する協力

日中双方の気候変動国際交渉に向けた立場について意見交換。

(8)生物多様性保全に関する協力

生物多様性条約第10回締結国会議(COP10)及び関連するSATOYAMAイニシアティブ等について意見交換。
関連する会合等を通じて引き続き意見交換等を進めることを確認。

(9)北東アジア、東南アジア諸国連合(ASEAN)諸国との国際協力の共同推進

北東アジア、ASEAN諸国を含めた協力について、意見交換を実施しながら両国の連携を深めることを確認。

(10)水銀の国際管理に関する協力

水銀の国際管理の推進について意見交換。

(11)漂流・漂着ゴミ防止の分野における協力

日本各地の沿岸へ漂着するゴミの状況について情報共有。
中国側より、中国国内における漂流・漂着ゴミ削減の取り組みを紹介。
両国が、北西太平洋地域の漂流・漂着ゴミモニタリングに引き続き参加し、データ共有を進めていくことに合意。

(12)黄砂等大気汚染にかかる地域協力

黄砂について、これまでの日中の協力内容を確認し、引き続き周辺国も含めた対話を実施しながら、協力を推進していくことを確認。
酸性雨について、東アジア地域の大気汚染の改善のために協力を進めていくことを確認。
酸性雨モニタリングデータの共有、光化学オキシダントに係る取組について意見交換。

(13)その他

次回の日中環境保護合同委員会は北京で行う方向で調整することとした。
連絡先
環境省地球環境局(旧)環境保全対策課環境協力室
室長:大村 卓(6760)
補佐:福島 健彦(6761)
担当:新村 靖(6723)
(代表)03-3581-3351
(直通)03-5521-8248