報道発表資料

平成22年4月6日
水・土壌 大気環境
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平成19年度及び20年度臭素系ダイオキシン類排出実態等調査結果について(お知らせ)

 環境省は、臭素系ダイオキシン類の排出実態等調査を継続的に実施していますが、今般、平成19年度及び20年度の調査結果をとりまとめたので公表します。

1.背景

 ダイオキシン類対策特別措置法附則第2条において、「政府は、臭素系ダイオキシンにつき、人の健康に対する影響の程度、その発生過程等に関する調査研究を推進し、その結果に基づき、必要な措置を講ずるものとする」と規定されている。このため、環境省では、平成14年度より、臭素系ダイオキシン類の生成・排出の可能性がある施設を対象に臭素系ダイオキシン類の排出実態等の調査を実施している。

2.調査の概要

 平成19年度は、平成15年度の調査で排水処理後の総合排水から高い濃度レベルの臭素化ダイオキシン類が検出された難燃繊維加工施設において、平成17年及び18年度に引き続き、排出実態を解明するための調査を行った。
 また、平成20年度は難燃プラスチック製造施設を対象に臭素系ダイオキシン類の排出実態等の調査を行った。

(1)
調査対象施設
1)
難燃繊維加工施設:3施設
(臭素系難燃剤であるヘキサブロモシクロドデカン(HBCD)及びデカブロモジフェニルエーテル(DeBDE:ポリ臭素化ジフェニルエーテル(PBDEs)の一種)、又はHBCDを使用して繊維の難燃(防炎)加工を行う施設)
2)
難燃プラスチック製造施設:2施設
(難燃プラスチックであるTBBPAエポキシ樹脂又は発泡ポリスチレンを製造する施設)
(2)
調査項目
1)
難燃繊維加工施設:
[1]
施設からの排出実態
排出水(排水処理工程の前後の排水)
[2]
試作染色試験機による排出実態解明調査
廃液(試作染色試験機を用いて行った各種染色試験の廃液)
[3]
その他
難燃剤及び染料等(難燃剤繊維加工で使用している主な臭素系難燃剤及び染料等)
2)
難燃プラスチック製造施設
[1]
施設からの排出実態
排出ガス、排出水(工程排水を含む)及び建屋内空気
[2]
周辺環境状況
環境大気、降下ばいじん、公共用水域水質及び底質
[3]
その他
難燃剤及び製造製品(難燃プラスチック製造工程で使用している臭素系難燃剤及び製造した製品)
(3)
調査対象物質
1)
臭素系ダイオキシン類
臭素化ダイオキシン類(PBDDs/PBDFs)等
2)
その他
臭素系難燃剤 等

3.調査結果の概要

(1)
難燃繊維加工施設
 臭素化ダイオキシン類に係る調査結果の概要は、表1のとおり。
 排水処理後の総合排水から、他施設に比べ依然高い濃度レベルのPBDDs/PBDFsが検出され、その6〜9割は懸濁態として存在していることがわかった。
 また、試作染色試験機や難燃剤及び染料等の調査結果から、難燃繊維加工施設からのPBDDs/PBDFsの排出には、使用している染料や難燃剤に不純物として含まれるPBDEsやPBDDs/PBDFsの影響が大きいことが示唆された。
 難燃繊維加工施設からのPBDDs/PBDFsの排出を削減させるためには、使用している染料や難燃剤中のPBDEsやPBDDs/PBDFsの割合を低下させることや、排水処理施設における排水中の懸濁態に着目した除去方法の導入等の検討が重要である。
(2)
難燃プラスチック製造施設
 臭素化ダイオキシン類に係る調査結果の概要は、表2及び3のとおり。
 排出ガスについては、他施設に比べ濃度レベルは低いが、両施設からPBDDs/PBDFsが検出された。排出水については、TBBPAエポキシ樹脂製造施設の工程排水からやや高い濃度のPBDDs/PBDFsが検出されたが、両施設とも総合排水ではPBDDs/PBDFsは検出されなかった。
 また、環境大気、降下ばいじん、公共用水域水質及び底質中のPBDDs/PBDFs濃度はこれまでの調査に比べ低いレベルであった。
 これらのことから、当該難燃プラスチック製造施設からのPBDDs/PBDFsの排出については、周辺環境への影響は小さいものと考えられる。

4.今後の取り組み

 臭素系ダイオキシン類については、国際的な毒性評価に関する動向を踏まえながら、引き続き、排出実態等に関する知見の更なる集積を図っていく。

参考

臭素系ダイオキシン類とは  「臭素系ダイオキシン類」とは、塩素化ダイオキシン類(ポリ塩素化ジベンゾ−パラ−ジオキシン(PCDDs)又はポリ塩素化ジベンゾフラン(PCDFs))の塩素が1つ以上臭素に置換したもの。
 このうち、塩素が1つだけ臭素に置換したものを「モノ臭素ポリ塩素化ダイオキシン類」、全ての塩素が臭素に置換したものを「臭素化ダイオキシン類」という。
 現時点において、臭素系ダイオキシン類に関する国際的な毒性評価は定まっていない。
 なお、本調査では、IPCS(国際化学物質安全性計画)の指摘も踏まえ、実測された臭素系ダイオキシン類の測定値に、対応する塩素系ダイオキシン類同族体のWHO-TEF(1998)又はWHO-TEF(2006)をかけて求めた毒性等量相当値についても参考値として併せて示している。

添付資料

連絡先
環境省水・大気環境局総務課ダイオキシン対策室
直通 03-5521-8291
代表 03-3581-3351
室長 近藤 義行(内6532)
補佐 外山 洋一(内6580)

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