平成22年2月15日
再生循環

産業廃棄物の不法投棄等の状況(平成20年度)について(お知らせ)

 環境省では、毎年度、全国の都道府県及び政令市(以下「都道府県等」という。)の協力を得て、産業廃棄物の不法投棄や不適正処理事案について、新たに判明した不法投棄事案の状況(フロー)、並びに年度末時点の不法投棄及び不適正処理(以下「不法投棄等」という。)事案の残存量(ストック)等を調査し、公表しています。
 今般、平成20年度に係る調査結果を取りまとめましたので、お知らせします。
 なお、今回の調査では、上記の2つの調査と併せて、全ての残存事案に係る生活環境保全上の支障又はそのおそれ(以下「支障等」という。)について、都道府県等に改めて詳細に確認いただき、個々の残存事案毎の現在の支障等の状況や今後の対応方針等についても報告いただいて取りまとめています。また、今回の調査より、新たに判明した不適正処理事案の状況(フロー)についても取りまとめています。

 結果の概要は次のとおりです。

  • (1)平成20年度に新たに判明したと報告のあった不法投棄事案の件数は308件(前年382件、▲74件)、不法投棄量は20.3万トン(同10.2万トン、+10.1万トン)でした。
  • (2)平成20年度に新たに判明したと報告のあった不適正処理事案の件数は308件、不適正処理量は122.8万トンでした。
  • (3)平成20年度末における不法投棄等の残存件数として報告のあったものは2,675件(前年2,753件、▲78件)、残存量の合計は1,726.0万トン(同1,633.7万トン、+92.3万トン)でした。

1 平成20年度に新たに判明した産業廃棄物の不法投棄等事案

 この調査は、以下の[1]及び[2]の両方に該当する事案で、平成20年度(平成20年4月1日〜平成21年3月31日の間)に新たに判明したものとして報告のあった事案を対象としています。ただし、硫酸ピッチ事案、フェロシルト事案については、本調査の対象から除外しています。

[1]
廃棄物処理法に定める産業廃棄物であって、同法第12条第1項に規定する産業廃棄物処理基準若しくは同法第12条の2第1項に規定する特別管理産業廃棄物処理基準に適合しない処分(不適正処理)が行われたもの、又は同法第16条に違反して投棄(不法投棄)されたと報告のあったもの。
[2]
1件当たりの投棄量又は不適正処理量が10トン以上と報告のあったもの。ただし、特別管理産業廃棄物を含む事案については、10トン未満と報告のあったものも含めて全てを対象とします。

1−1 平成20年度に新たに判明した産業廃棄物の不法投棄事案

1−1−1 不法投棄事案の件数及び投棄量

 平成20年度に新たに判明したと報告のあった不法投棄の件数は308件、不法投棄量は20.3万トンでした。
(「1-1-1. 不法投棄件数及び投棄量(新規判明事案)」、「(参考1-1)不法投棄件数・投棄量(都道府県・政令市別、平成20年度)」及び「(参考2-1)不法投棄件数・投棄量の推移(都道府県別、5ケ年分)」参照)

1−1−2 大規模な事案の状況

(1)
投棄量5,000トン以上の大規模事案として報告のあったものは4件で、全体の投棄件数(308件)の1.3%となっています。
(2)
この大規模事案4件の投棄量の合計は12.5万トンで、全体の投棄量(20.3万トン)の61.7%を占めます。
(「1-1-2-1. 規模別不法投棄件数(新規判明事案、10ヶ年分)」、「1-1-2-2. 規模別不法投棄量(新規判明事案、10ヶ年分)」、「(参考3)平成20年度大規模事案の概要」参照)

1−1−3 実行者別の状況

(1)
不法投棄の実行者の内訳を見ると、件数では、排出事業者が149件(48.4%)、実行者不明が71件(23.1%)、無許可の産業廃棄物処理業者(無許可業者)が30件(9.7%)、複数によるものが28件(9.1%)、産業廃棄物処理許可業者(許可業者)が23件(7.5%)となっています。
(2)
投棄量では、排出事業者が9.8万トン(48.3%)、複数によるものが5.5万トン(27.1%)、無許可業者が2.0万トン(9.8%)、実行者不明が1.8万トン(8.8%)となっています。
(「1-1-3. 不法投棄実行者の内訳(新規判明事案)」参照)

1−1−4 不法投棄廃棄物の種類

(1)
不法投棄された廃棄物の種類は、件数で見ると、建設系廃棄物が224件(がれき類124件、建設混合廃棄物62件、建設系木くず27件等)となっており、全体(308件)の72.7%を占めています。
(2)
投棄量で見ると、建設系廃棄物が17.7万トン(建設混合廃棄物8.5万トン、建設汚泥6.0万トン、がれき類2.3万トン等)となっており、全体(20.3万トン)の87.5%を占めています。
(「1-1-4. 不法投棄廃棄物の種類及び量(新規判明事案)」参照)

1−1−5 支障等の状況

 平成20年度に新たに判明したと報告のあった不法投棄事案のうち、現に支障が生じていると報告されたものは5件(1.6%)、現に支障のおそれがあると報告されたものは15件(4.9%)、現在支障等調査中と報告されたものは6件(1.9%)、現時点では支障等がないと報告されたものは282件(91.6%)でした。

(「1-1-5.不法投棄事案の支障等の状況及び都道府県等の対応状況(新規判明事案)」参照)

1−1−6 都道府県等の対応状況

 平成20年度に新たに判明したと報告のあった不法投棄事案のうち、現に支障が生じていると報告された5件については、全て支障除去措置を実施するとされています。そのうち、4件については当該年度内に支障除去措置が完了し、残りの1件についても同措置に着手されています。
 また、現に支障のおそれがあると報告されたもの(15件)については、今後の対応として、12件が支障のおそれの防止措置、3件が状況確認のための立入検査を実施するとされています。また、支障のおそれの防止措置の12件のうち、8件については当該年度内に支障のおそれの防止措置が完了しています。
 その他、現在支障等調査中と報告された6件については、支障等の状況を明確にするための確認調査に着手又は次年度中に着手予定とされています。

(「1-1-5.不法投棄事案の支障等の状況及び都道府県等の対応状況(新規判明事案)」参照)

1−2 平成20年度に新たに判明した産業廃棄物の不適正処理事案

(参考)平成20年度に新たに判明した産業廃棄物の不適正処理事案について
 産業廃棄物の不適正処理事案(廃棄物処理法第12条第1項又は第12条の2第1項違反の事案)については、今回の調査より、これまでの調査結果も含めて取りまとめを行って記載しています。
 なお不法投棄事案の調査と不適正処理事案の調査とではスタート時点が大きく異なっていることから、別々に整理して記載しています。

1−2−1 不適正処理事案の件数及び量

 平成20年度に新たに判明したと報告のあった不適正処理の件数は308件、不適正処理量は122.8万トンでした。
(「1-2-1. 不適正処理件数及び不適正処理量(新規判明事案)」、「(参考1-2)不適正処理件数・不適正処理量(都道府県・政令市別、平成20年度)」及び「(参考2-2)不適正処理件数・不適正処理量の推移(都道府県別、5ヶ年分)」参照)

1−2−2 大規模な事案の状況

(1)
不適正処理量5,000トン以上の大規模事案として報告のあったものは10件で、全体の件数(308件)の3.2%となっています。
(2)
この大規模事案10件の不適正処理量の合計は108.2万トンで、全体の量(122.8万トン)の88.0%を占めます。
(「1-2-2-1. 規模別不適正処理件数(新規判明事案、5ヶ年分)」、「1-2-2-2. 規模別不適正処理量(新規判明事案、5ヶ年分)」、「(参考3)平成20年度大規模事案の概要」参照)

1−2−3 実行者別の状況

(1)
不適正処理の実行者の内訳を見ると、件数では、排出事業者が183件(59.4%)、複数によるものが49件(15.9%)、産業廃棄物処理許可業者(許可業者)が37件(12.0%)、実行者不明が16件(5.2%)、無許可の産業廃棄物処理業者(無許可業者)が14件(4.5%)となっています。
(2)
不適正処理量では、許可業者が109.8万トン(89.4%)、排出事業者が6.8万トン(5.6%)、複数によるものが4.4万トン(3.6%)、実行者不明が1.0万トン(0.8%)、無許可業者が0.7万トン(0.6%)となっています。
(「1-2-3. 不適正処理実行者の内訳(新規判明事案)」参照)

1−2−4 不適正処理物の種類

(1)
不適正処理された廃棄物の種類は、件数で見ると、建設系廃棄物が230件(がれき類96件、建設混合廃棄物63件、木くず62件等)となっており、全体(308件)の74.7%を占めています。
(2)
不適正処理量で見ると、建設系廃棄物が44.1万トン(がれき類22.5万トン、建設混合廃棄物14.0万トン、木くず6.0万トン等)となっており、全体(122.8万トン)の35.9%を占めています。
(「1-2-4. 不適正処理廃棄物の種類及び量(新規判明事案)」参照)

1−2−5 支障等の状況

 平成20年度に新たに判明したと報告のあった不適正処理事案のうち、現に支障が生じていると報告されたものはありませんでした。現に支障のおそれのあると報告されたものは16件(5.2%)、現在支障等調査中と報告されたものは6件(1.9%)、現時点では支障がないと報告されたものは286件(92.9%)でした。
(「1-2-5. 不適正処理事案の支障等の状況及び都道府県等の対応状況(新規判明事案)」参照)

1−2−6 都道府県等の対応状況

 平成20年度に新たに判明したと報告のあった不適正処理事案のうち、現に支障が生じていると報告されたものはありませんでした。現に支障のおそれがあると報告された16件については、今後の対応として、12件が支障のおそれの防止措置、4件が状況確認のための立入検査を実施するとされています。また、支障のおそれの防止措置の12件のうち、7件については当該年度内に支障のおそれの防止措置が完了しています。  その他、現在支障等調査中と報告された6件については、支障等の状況を明確にするための確認調査に着手又は次年度中に着手予定とされています。

(「1-2-5.不適正処理事案の支障等の状況及び都道府県等の対応状況(新規判明事案)」参照)

2 平成20年度末の時点で残存している産業廃棄物の不法投棄等事案(以下「残存事案」という。)

 この調査は、以下の[1]及び[2]の両方に該当する事案で、平成20年度末(平成21年3月31日)時点で残存しているものとして報告のあった事案を対象としています(硫酸ピッチ事案、フェロシルト事案を除く。)。

[1]
廃棄物処理法に定める産業廃棄物であって、同法第12条第1項に規定する産業廃棄物処理基準若しくは第12条の2第1項に規定する特別管理産業廃棄物処理基準に適合しない処分(不適正処理)が行われたもの、又は同法第16条に違反して投棄(不法投棄)されたと報告のあったもの。
[2]
1件当たりの残存量が平成21年3月31日(平成20年度末)時点で10トン以上と報告のあったもの。ただし、特別管理産業廃棄物を含む事案については10トン未満と報告のあったものを含めてすべて対象とします。
 なお、これまで残存事案として報告されていたものについても、平成21年3月31日(平成20年度末)時点で支障除去措置又は支障のおそれの防止措置が完了したものについては当該事案からは除かれます(措置の内容に原位置封じ込め措置等を含む。)。

2−1 平成20年度末における不法投棄等事案の残存件数及び残存量

 平成20年度末における不法投棄等の残存件数として報告のあった事案は2,675件、残存量の合計は1,726.0万トンでした。
 (「2-1. 規模別の残存件数及び残存量(平成20年度末時点)」、「(参考4)不法投棄等の残存件数及び残存量(都道府県・政令市別、平成20年度末時点)」及び「(参考5)不法投棄等の残存件数及び残存量(市町村別・支障別、平成20年度末時点)」参照)

2−2 大規模な事案の状況

 5,000トン以上の残存事案として報告のあったものは333件(全体の12.4%)、残存量は1,581.6万トン(同91.6%)となっています。
 (「2-1. 規模別の残存件数及び残存量(平成20年度末時点)」、「(参考3)平成20年度 大規模事案の概要」参照)

2−3 実行者別の状況

 残存事案の実行者の内訳を見ると、残存件数では、排出事業者によるものが1,034件(38.7%)、無許可業者によるものが634件(23.7%)、実行者不明のものが602件(22.5%)となっています。
 残存量では、許可業者によるものが934.6万トン(54.1%)、無許可業者によるものが397.3万トン(23.0%)、排出事業者によるものが176.2万トン(10.2%)となっています。
 (「2-3. 不法投棄等の実行者別残存件数及び残存量(平成20年度末時点)」参照」)

2−4 不法投棄等廃棄物の種類

 残存事案の廃棄物の種類を見ると、残存件数では建設系廃棄物が1,936件と全体の72.4%を占め、残存量では1,123.4万トンと全体の65.1%を占めています。 (「2-4. 不法投棄等廃棄物の種類別残存件数及び残存量(平成20年度末時点)」参照)

2−5 判明時期別の状況

 残存事案の判明時期の内訳を見ると、判明時期が新しい事案ほど残存している件数が多い傾向にあります。
 なお、残存量では、判明時期が比較的古い事案であっても、まだ支障除去等措置が完了していない大規模な事案が残存している状況にあります。
(「2-5. 不法投棄等事案の判明時期別残存件数及び残存量(平成20年度末時点)」参照)

2−6 不法投棄等の開始時期と支障等の状況(残存事案)

 平成20年度末時点における全残存事案2,675件のうち、平成10年6月16日以前に投棄等が行われたと報告されたものは516件で全件数の19.3%となっています。そのうち、現に支障が生じていると報告されたものは10件で全件数の0.4%、現に支障のおそれがあると報告されたものは66件で全件数の2.5%、支障等調査中と報告されたものは37件で全件数の1.4%、現時点では支障等がないと報告されたものは403件で全件数の15.1%でした。
 また、平成10年6月17日以降に行われたと報告された残存事案は1,736件で全件数の64.9%となっています。そのうち、現に支障が生じていると報告されたものは6件で全件数の0.2%、現に支障のおそれがあると報告されたものは79件で全件数の3.0%、支障等調査中と報告されたものは126件で全件数の4.7%、現時点では支障等がないと報告されたものは1,525件で全件数の57.0%でした。
 平成20年度末時点で開始時期を調査していると報告された事案(以下「開始時期調査中事案」という)は46件で全件数の1.7%となっています。そのうち、現に支障が生じている又は現に支障のおそれがあると報告されたものはいずれもありませんでした。支障等調査中と報告されたものは14件で全件数の0.5%、現時点では支障等がないと報告されたものは32件で全件数の1.2%でした。
 事案の判明が少なくとも平成10年6月17日以降であって不法投棄等の開始時期の特定が困難な事案(以下「開始時期特定困難事案」という)と報告された事案は377件で全件数の14.1%となっています。そのうち、現に支障が生じていると報告されたものはありませんでした。現に支障のおそれがあると報告されたものは14件で全件数の0.5%、支障等調査中と報告されたものは22件で全件数の0.8%、現時点では支障等がないと報告されたものは341件で全件数の12.7%でした。 (「2-6-1.不法投棄等の開始時期と支障の状況(残存事案・平成20年度末時点)」及び「2-6-2.不法投棄等事案の支障等の状況及び都道府県等の対応方針(残存事案・平成20年度末時点)」参照)

2−7 都道府県等の対応状況

 残存事案のうち、現に支障が生じていると報告されている16件については、今後の対応として、全て支障除去措置を実施するとされており、いずれも、現時点では原因者等又は行政による支障除去措置に着手されています。
 なお、これらのうち、支障除去措置を行わせるために原因者等に対して措置命令が発出されたものは13件、措置命令が発出されていないものが3件となっています。
 現に支障のおそれのあると報告されている159件については、今後の対応として、33件が支障のおそれの防止措置、11件が周辺環境モニタリング、115件が状況確認のための立入検査を実施するとされています。また、支障のおそれの防止措置を実施すると報告された33件のうち、6件については既に行政による支障のおそれの防止措置に着手されています。
 なお、これらのうち、支障のおそれの防止措置等を行わせるために原因者等に対して措置命令が発出されたものは37件、措置命令が発出されていないものが122件となっています。
 その他、現在支障等調査中と報告された199件については、いずれも支障等の状況を明確にするための確認調査に着手又は次年度中に着手予定とされています。また、現時点では支障等はないと報告された2,301件についても、必要に応じて、定期的な立入検査や監視等が実施されています。
(「2-6-2.不法投棄等事案の支障等の状況及び都道府県等の対応方針(残存事案・平成20年度末時点)」及び「2-7. 残存事案への対応状況(残存事案・平成20年度末時点)」参照」

(注)
不法投棄等事案については、その一義的な責任が投棄者及び不適正な委託をした排出事業者等(以下「原因者等」という。)にあることから、支障等の除去等についてはこれらの原因者等により行われることが基本ですが、原因者等が不明又は資力がないなどの理由により、行政代執行により行われる場合があります。

3 環境省の取組み

 廃棄物処理法の数次の改正による規制の強化、その他不法投棄等の未然防止・拡大防止のための様々な施策の実施等により、新規判明事案の件数は減少してきています。また、これら新規判明事案で、現に支障等があると報告されたものについては、支障の除去又はそのおそれの防止措置、周辺環境モニタリング、状況確認のための立入検査のいずれかの措置が講じられているか又は講じることとされています。しかしながら、5,000トン以上の大規模な不法投棄事案は新たに4件、不適正処理事案については10件判明し、5,000トン未満の規模のものを含めると、全体では未だに308件の不法投棄、308件の不適正処理が新たに判明したと報告されており、不法投棄等の事案の撲滅には至っていません。

 一方、残存事案2,675件について、現に支障等があると報告されている175件については、支障等の状況により、支障の除去又はそのおそれの防止措置、周辺環境モニタリング、状況確認のための立入検査のいずれかの措置が講じられているか又は講じることとされています。そのうち、現に支障が生じていると報告されているものが16件、現に支障のおそれがあり、支障のおそれの度合いから支障のおそれの防止措置を講じると報告されているいるものが33件あり、出来る限り早期にこれら措置が実施され、完了することが必要です。
 また、現在、支障等調査中と報告された事案が199件残っていることから、早急に支障等の状況を明確にした上で、支障のおそれの度合いに応じた対応が必要です。
 さらに、現時点では支障等がないと報告された2,301件についても、必要に応じて、支障の定期継続的な状況確認を行い、支障等の状況に変化が生じた場合には速やかに必要な対応ができるようにしておくことが必要です。
 また、支障の除去又はそのおそれの防止措置が完了した事案については、残存事案から削除されることになりますが、全量撤去以外の措置がなされた事案については、その後の土地利用において土地の形質の変更(廃棄物搬出含む)等がなされた場合には新たなリスクが発生し得ることから、廃棄物処理法に基づく指定区域に指定する等、別途関係者間で情報共有及び管理を行っていくことが重要です。
 いずれにしても、これら残存事案については、都道府県・政令市別及び市町村別、並びに支障等の状況別にリスト化して公表資料の中のデータの1つとして公表し、関係者間で情報共有を図り、将来にわたって的確に対応していけるようにしていくことが必要です。

 以上のような状況の中、今般、環境省では、廃棄物の適正な処理の確保を図るため、排出事業者による適正な処理の確保対策の強化、廃棄物の不適正な処理への厳格な対応、廃棄物処理施設の維持管理対策の強化等の措置を講ずること等を盛り込んだ廃棄物処理法の一部を改正する法律案を通常国会に提出することとしています。
 また、昨今の資源価格の急激な変動に伴って資源の循環が滞ることによる不法投棄等の増加の懸念も勘案し、引き続き、不法投棄等の防止を図るため、全国ごみ不法投棄撲滅運動の展開による監視活動の強化、エコアラームネット等を活用した取組、現地調査や関係法令等に精通した専門家の派遣による都道府県等での行為者等の責任追及の支援を進めるとともに、新たに衛星画像を活用した早期発見・早期対応の取組を展開し、地方環境事務所が拠点となって都道府県等と緊密に連携し、大規模事案を中心に新規に判明される事案を減少させることができるよう、早期発見による未然防止及び早期対応による拡大防止の取組を一層推進します。

 また、支障等がある残存事案の支障の除去等の措置については、平成10年6月16日以前に行為のあった事案は、特定産業廃棄物に起因する支障の除去等に関する特別措置法(産廃特措法)に基づき国からの補助等の支援を実施しており、これまでに12事案について同法に基づく大臣同意がなされています。一方、平成10年6月17日以降に行為のあった事案については、建設八団体副産物対策協議会をはじめとして、(社)日本経済団体連合会会員団体及び企業、(社)全国産業廃棄物連合会、(社)日本医師会及び四病院団体協議会各団体からの出えんをいただき、国からの補助も加えて造成した廃棄物処理法に基づく産業廃棄物適正処理推進基金により、都道府県等の代執行経費の支援を行っており、平成20年度末までに72事案に対して支援を行いました。
 しかしながら、産廃特措法についてはその期限が平成24年度末となっていること、また、廃棄物処理法に基づく基金による支援についても、引き続き産業界からの理解と協力が必要となっていること等から、引き続き、残存事案への今後の対応のあり方や支障等がある事案に対する今後の財政的支援のあり方について、検討を進めていくこととしています。

添付資料

連絡先
環境省大臣官房廃棄物・リサイクル対策部適正処理・不法投棄対策室
直通:03-5501-3157
室長:荒木 真一(内線 6881)
室長補佐:大川 仁(内線 6884)
担当:日浦 憲太郎(内線 6883)
担当:中坪 学一(内線 6883)