報道発表資料

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2010年02月04日
  • 自然環境

SATOYAMAイニシアティブに関する国際有識者会合の開催結果について(お知らせ)

 1月29-30日にフランスのパリにおいて、世界各国の政府関係者、研究者、専門家の参加を得て「SATOYAMAイニシアティブに関する国際有識者会合」を、環境省、国連大学高等研究所(UNU-IAS)主催、国連教育科学文化機関(UNESCO)、国連環境計画(UNEP)、生物多様性条約事務局(SCBD)の共催で開催しました。
 本会合では、世界各地の持続可能な管理が行われている二次的自然地域の特徴とそれらが生物多様性及び人間の福利にもたらす恩恵に関する講演・事例発表が行われました。それらを踏まえ、生物多様性条約第10回締約国会議に向けたSATOYAMAイニシアティブ(※)の展開方策について活発な議論が行われました。

SATOYAMAイニシアティブ
 2010年に愛知県名古屋市で開催予定の生物多様性条約第10回締約国会議(COP10)では「生物多様性の持続可能な利用」が重要な課題の一つとなる予定です。環境省では、国連大学高等研究所(UNU-IAS)と連携し、「自然共生社会の実現」という長期目標の下、自然資源の持続可能な利用・管理を進めるための取組を「SATOYAMAイニシアティブ」として国際的に推進しており、COP10を契機として多様な主体の支持・参加を得た国際パートナーシップを設立する予定です。
実施主体
主催:
環境省、国連大学高等研究所(UNU-IAS)
共催:
国連教育科学文化機関(UNESCO)、国連環境計画(UNEP)、
生物多様性条約事務局(SCBD)
目的
本会合は、以下を目的として開催されました。
[1]
世界各国の政府関係者、研究者、専門家を対象とし、SATOYAMAイニシアティブの考え方を広く共有すること
[2]
SATOYAMAイニシアティブの国際的な展開に貢献すること
日程
平成22年1月29日(金)-30日(土)
開催地
フランス共和国 パリ UNESCO本部
議題
◇1月29日
セッション1:
世界各地における持続可能な管理がなされている二次的自然地域の特徴とそれらが生物多様性と人間の福利にもたらす恩恵について
セッション2:
社会生態学的生産ランドスケープを支援するための手段について
◇1月30日
セッション3:
SATOYAMAイニシアティブ推進のための国際パートナーシップとその活動について
セッション4:
生物多様性条約 科学技術助言補助機関会合(SBSTTA)へのインプットについて
議論の概要と成果
二日間にわたる会合の概要及び成果は以下のとおりです。
◇1日目:
世界各地における事例の発表及び社会生態学的生産ランドスケープを支援するにあたっての課題及び具体的な手法に関する議論
マレーシア、ガーナ、スペイン、米国、ペルーの発表者により各地域の事例発表が行われ、各地域における二次的自然地域の特徴と、それらが人間の福利、生物多様性の保全、気候変動への適応、食料生産、文化等にもたらす恩恵、さらに、その利用・管理方法と課題に対する認識が共有された。
国連開発計画(UNDP)、国連食糧農業機関(FAO)、世界アグロフォレストリーセンター(ICRAF)、国際自然保護連合(IUCN)、コンサベーション・インターナショナル(CI)、国際協力機構(JICA)等から、SATOYAMAイニシアティブの推進につながる各団体の取組の経験や視点が発表され、
[1]
多くの団体がSATOYAMAイニシアティブの推進にあたってパートナーとなり得ること、
[2]
各団体との連携を通して、生物多様性の保全と持続可能な利用の推進に相乗効果が生じ得ること、
[3]
SATOYAMAイニシアティブが各団体の活動を包括的に扱う場となり得ること、
が共有された。
我が国の里山等が提供する生態系サービスの評価並びに里山等の保全や持続可能な管理のための科学的基盤を提供する「里山・里海サブ・グローバル評価」について、昼食時にサイドイベントが開催され、SATOYAMAイニシアティブへの貢献等についての発表が行われた。
◇2日目:
COP10及びそれ以降に向けたSATOYAMAイニシアティブの展開及び5月に開催されるSBSTTAへのインプットに関する議論
生物多様性条約事務局からSATOYAMAイニシアティブが条約の2010年以降の戦略計画の実施に果たす役割について、地球環境ファシリティ(GEF)からSATOYAMAイニシアティブと関係する現行プログラム紹介及び今後の関連プロジェクト支援の可能性について、我が国環境省からCOP10を契機として立ち上げるSATOYAMAイニシアティブを推進するための国際パートナーシップの概要及び活動案について、UNESCOからSATOYAMAイニシアティブへの期待について、それぞれ発表が行われた。
国際パートナーシップについては、その構成や具体的な活動内容について活発な議論が行われ、パートナーシップを通じた世界各地の事例の収集や情報共有並びにそれらの取組を推進するための支援の重要性が認識されるとともに、パートナーシップをより有効なものとしていくため、COP10以前に準備会合を開催することの重要性も共有された。
本会合の成果として、SATOYAMAイニシアティブの利点や概要、活動を推進するにあたっての留意点等を取りまとめた「SATOYAMAイニシアティブに関するパリ宣言」が採択され、5月に開催されるSBSTTA及び10月に開催されるCOP10へ提出されることとなった。
その他
本会合での配布資料、発表資料、議長総括等については、近日中に以下のウェブサイトに掲載する予定です。
【SATOYAMAイニシアティブウェブサイト】
日本語
http://satoyama-initiative.org/jp/
英語
http://satoyama-initiative.org/en/

添付資料

連絡先
環境省自然環境局自然環境計画課
代表:03-3581-3351
直通:03-5521-8150
課長:星野 一昭(内線6430)
専門官:川口 大二(内線6476)
担当:奥田 青州(内線6476)

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